原発事故が起きた際の対策拠点をめぐり、電力各社が原子力規制委員会に新基準による審査を申請した全国十六原発のうち十一原発で、地震の揺れを緩和する免震機能をなくし、当初方針より規模も小さくするなどしていることが本紙の取材で分かった。必要最低限の施設を整え、低コストで早く審査を通したい各社の姿勢がうかがえ、東京電力福島第一原発事故の教訓はないがしろにされている。 (小倉貞俊) 対策拠点は、事故収束作業に携わる要員を放射能や地震から守り、関係機関と連絡を取り、食料や資材を備蓄しておく必要不可欠の施設だ。福島の事故で大きな役割を果たし、新基準の大きな柱の一つとされてきた。ところが昨年十二月、九州電力が再稼働した川内(せんだい)原発(鹿児島県)で、免震棟の新設計画を撤回。同社は玄海原発(佐賀県)でも計画を白紙にした。 本紙は他にも同様の動きがないか、電力各社に調査。その結果、審査申請した十六原発(川内
危機と対応の混乱が続く福島第1原子力発電所。この国には、この「フクシマ」を含め54基の原子炉がある。そもそも被爆国であり地震国でもある日本に、なぜ、これほど多くの原発が造られたのか? 「原子力の戦後史」をひもといた。【浦松丈二】 ◇米国の「冷戦」戦略受け導入 政治主導で推進、議論尽くさず <ポダムとの関係は十分成熟したものになったので、具体的な協力申し出ができるのではないかと思う> 早稲田大学の有馬哲夫教授(メディア研究)が05年、米ワシントン郊外の国立第2公文書館から発掘したCIA(米中央情報局)機密文書の一節である。終戦直後から60年代までに蓄積された474ページにわたるその文書には、日本に原子力事業が導入される過程が詳細に描かれていた。 「ポダム」とは当時、読売新聞社社主で日本テレビ社長だった正力松太郎氏(1885~1969年)の暗号名。原子力委員会の初代委員長を務め、のちに「日本の
危機と対応の混乱が続く福島第1原子力発電所。この国には、この「フクシマ」を含め54基の原子炉がある。そもそも被爆国であり地震国でもある日本に、なぜ、これほど多くの原発が造られたのか? 「原子力の戦後史」をひもといた。【浦松丈二】 ◇米国の「冷戦」戦略受け導入 政治主導で推進、議論尽くさず <ポダムとの関係は十分成熟したものになったので、具体的な協力申し出ができるのではないかと思う> 早稲田大学の有馬哲夫教授(メディア研究)が05年、米ワシントン郊外の国立第2公文書館から発掘したCIA(米中央情報局)機密文書の一節である。終戦直後から60年代までに蓄積された474ページにわたるその文書には、日本に原子力事業が導入される過程が詳細に描かれていた。 「ポダム」とは当時、読売新聞社社主で日本テレビ社長だった正力松太郎氏(1885~1969年)の暗号名。原子力委員会の初代委員長を務め、のちに「日本の
武田徹(たけだ・とおる)『「核」論―鉄腕アトムと原発事故のあいだ』中公文庫(追記:この本は『私たちはこうして「原発大国」を選んだ―増補版「核」論』中公新書ラクレとして復刊されました。) いっきに よんだ。参考になった。印象的だった部分は たくさんある。たくさん ありすぎるので、あまり要約したくない。ぜひ よんでみてください。 「1947年論 電源三法交付金―過疎と過密と原発と」(130-152ページ) この章で、武田は1961年の「原子力損害賠償法」の成立について紹介している。この法律をつくるとき、参考にしたのがアメリカの「プライス・アンダーソン法」(原発事故による賠償方法をさだめる法律)だったという。 原発事故による被害が あまりにも ひどい場合には、国が賠償するという、そういう きまりですね。 武田は、1964年に原子力委員会が つくった「原子炉立地審査指針及びその適用に関する判断のめ
3・11の東日本大震災は、津波により福島第一原発の深刻な事故を誘発してしまった。それ以降、メディアは毎日のようにこの原発事故の様子を報道している。そして否が応にも、日本には反原発の機運が高まってきている。反原発には「今すぐ日本中の全ての原発を止めて廃炉にしろ」という過激な意見から「今後の日本のエネルギー政策の中でなるべく原発の比率を減らしていくべきだ」という穏便なものまで様々ある。しかし筆者は、今回の”FUKUSHIMA”の原発事故の後でさえも、日本はより安全な洗練された原子力技術の確立を目指し、さらに原発を推進していくべきだと考えている。以下にその理由を示そう。 1.原子力は経済的な電力 原子力はなんといっても安い電力を供給できる。そして電力の安さは多くの産業において、国際競争力に直結する。現在、58基の原発が稼動し、電力の80%以上を原子力で生み出すフランスは、欧州で最も安く電力を供給
When you hear the word sunroom many different pictures come into your head. First and foremost is how much will it cost? For those interested in these types of additions, price shouldn’t be a factor. You need to look at this as an investment in your home and you will get the monetary value back out if and when you sell your home. This is why sunroom additions in Columbia, SC are so popular. Pe
関西電力の高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定を、関西経済連合会の森詳介会長(関電会長)や角和夫副会長(阪急電鉄会長)らが17日、批判した。 角副会長は17日、関経連の記者会見で「憤りを超えて怒りを覚えます」と切り出した。「なぜ一地裁の裁判官によって、(原発を活用する)国のエネルギー政策に支障をきたすことが起こるのか」と述べ、「こういうことができないよう、速やかな法改正をのぞむ」と訴えた。再稼働で電気料金が値下げされると、鉄道事業の電気代が年5億円安くなるとみていたという。 森会長も同じ会見で、「値下げができなくなったことが関西経済に与える影響は小さくないと考えており、一日も早く不当な決定を取り消していただかなければならない」と話した。 沖原隆宗副会長(三菱東京UFJ銀行特別顧問)も「理解できない」とし、佐藤広士副会長(神戸製鋼所会長)も「(大津地裁のよ
原子力小委員会は昨年12月に「中間整理」をまとめた。同小委は経済産業大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会のたくさんの部会の中のひとつである。エネルギー政策基本法に基づき閣議決定したエネルギー基本計画(以下、エネ基)の原子力分野の方向性をより具体的政策に落とすために設置された。 筆者は委員として審議につきあってきた。そこでの体験を踏まえて、本特集の新規建設に関して考察したい。だが、その前に、審議会の姿勢について述べておきたい。 Photo by ポリタス編集部 なぜ? 動画非公開の原子力小委員会 審議は公開で行うと聞いていたが、委員会が始まってみると、マスコミの録画は最初の5分程度の頭取りだけで追い出されてしまった。動画公開がないことを第1回目の会合で初めて知った。そこで、2回目以降、毎回動画公開を求める発言を繰り返した。 一般傍聴を受付け、議事録は1カ月以内に公開するなどの姿勢にも
政府が取りまとめた「エネルギー基本計画」案では、原発が「重要なベースロード電源」と位置づけられた。素案では原発は「重要なベース電源」と表記されていたが、「ベース電源」を「ベースロード電源」に変更したのはなぜか。違いはあるのか。 The No. 4, from left, No. 3, No. 2 and No. 1 reactor buildings stand at Kansai Electric Power Co.'s Ohi nuclear power station in Ohi Town, Fukui Prefecture, Japan, on Friday, June 1, 2012. Japan's government moved a step closer to resuming nuclear power generation after last year's Fuk
再生エネルギー活用の起爆剤とするため、電力会社による「全量買い取り」を大前提として始まった再生可能エネルギー買い取り制度は、わずか2年でその根幹がもろくも崩れた。 失敗のもとをたぐれば、制度の詳細が作られた平成23年当時の政治状況に行き着く。東日本大震災後の数々の失政で与野党から退陣を迫られていた菅直人首相は、同制度の根拠となる特別措置法の成立を自らの首相辞任の3条件の一つに挙げた。「菅の顔をみたくなければ、早く法案を通した方がいい」とまでうそぶき、自民、公明両党と修正法案合意に持ち込んだ。 制度は24年7月に導入されたが、“あしき置き土産”として、同年12月に発足した自民党政権にそのまま引き継がれた。 修正合意までの制度づくりには、今も数々の矛盾が指摘されている。太陽光の買い取り価格は、事業者の利潤に特に配慮するとの修正が入り、国際的にみてもかなり高額に設定された。その結果、事業者の大量
再生可能エネルギーの申し込みが急増している問題を受けて、経済産業省は、再生可能エネルギーで発電した電力のすべてを買い取ることを電力会社に義務づけた制度を見直し、いつでも太陽光発電などの買い取り量を減らす検討をしていることが分かりました。 再生可能エネルギーによる電力は、現在、電力会社が固定価格ですべての電力を買い取ることが義務づけられていますが、高い価格での買い取りを背景に申し込みが急増し、買い取りを一時的に制限する動きが相次いでいます。 このため、経済産業省は、再生可能エネルギーのうち発電量が不安定な太陽光と風力発電を対象に、制度を抜本的に見直す検討をしていることが分かりました。 現在、電力会社は、太陽光などの発電量が需要を上回るおそれがある場合に限っては年間30日を上限に買い取らなくてもいい仕組みとなっていますが、新規の契約については、この上限をなくしていつでも買い取り量を減らすことを
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