次のような「慰安婦=公娼=売春婦」論は、従軍慰安婦の問題を否定する論者によってこれまで何度も繰り返されてきました。 日本維新の会の平沼赳夫は、旧日本軍の従軍慰安婦問題について国の関与を否定した上で「従軍慰安婦と言われている人たちは“戦地売春婦”だと思っている」「昔は公娼(こうしょう)制度があり、戦地売春婦をしていた女性が訴訟を起こしてきた」と述べた(参照:*1)。 当時は公娼制度があり合法化された「売春婦」だ、だから何ら問題はないという認識は、軍慰安所で売春を強制されようが、性暴力を受けようが、何ら問題はないと言っているに等しく、こうした認識はいかにも短絡的で、差別的ではないでしょうか。 さらに言えば、当時すでに内地において公娼制度は当然のものではなく、公然と存在しえなくなっていた事実を無視しています*2。当時すでに公娼制度は、国家公認による人身売買、自由拘束による強制、人権の蹂躙、奴隷制