「共感する力」復興に必要 精神科医・野田教授、仙台で講演 震災と社会の問題点について講演する野田教授 「戦争を支えた社会からの脱却を目指して」をテーマに精神科医の野田正彰関西学院大教授を招いた講演会が5月29日、仙台市青葉区の仙台弁護士会館で開かれた。野田教授は東日本大震災と現代社会の問題点を解説し、市民ら約80人が参加した。 野田教授は「東京のマスコミが『東北の人は悲しみを受け入れている』と報道しているが、それは間違い。日本は悲哀を抑圧する社会になっている」と指摘した。 第2次世界大戦で夫を亡くした女性を例に「当時の社会は別の男性との再婚を促し、悲しみを抑圧した。報道も国が向かう方向に献身するのが美しい物語として伝え、人は悲しみを悲しみとして受け止めなくなってしまった」と述べた。 震災の復興の在り方については「今求められるのは傷ついた人に共感する力。被災者の心情を考えずに、都市整備