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ブックマーク / honz.jp (16)

  • 『夫のちんぽが入らない』不通の私と、みんなの普通 - HONZ

    このタイトルだけに色物系かと思われるかもしれないが、奥深いメッセージが込められた、笑いあり涙ありの痛快エッセイである。 冒頭、このような一節から始まる。 いきなりだが、夫のちんぽが入らない。気で言っている。交際期間も含めて20余年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。 もちろん書かれている内容自体はシリアスなのだが、「こんなこと軽々しく言えやしない」と言いながらも書籍で大々的に発表してしまっているあたり、そこはかとない面白さがあり一気に読み終えた。 夫のちんぽが入らないーーこの肉体的に異物を排除してしまうということがまるでモチーフであるかのように、私自身が世間から排除されてしまったり、自分が大切な人を排除してしまったりと、信じられないくらい不思議な出来事が次々に起こっていく。 主人公は、人よりクマの

    『夫のちんぽが入らない』不通の私と、みんなの普通 - HONZ
  • 史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - HONZ

    君は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons & Dragons :以下D&D)を知っているか。 D&Dは紙と鉛筆とサイコロ、世界観や数値が記載されたルールブック、それに自身の想像力/対話を駆使して複数人で行うテーブルトークアールピージー(以下TRPG)である。1974年に発売された作は世界中で流行し、プレイヤーが冒険者になりきってファンタジー世界を探索する世界初のロールプレイングゲームと呼ばれる。数えきれないほど多くのクリエイターが作から受けた影響を表明しており、TRPGをやったことがなくともD&Dの名は知っている人も多いだろう。 ゲイリー・ガイギャックスはこのD&Dを生み出した人物であり、書はそんな偉大な男の伝記である。これがもう、めちゃくちゃおもしろい。その人生は波乱万丈。幼少期からゲームにのめり込んで高校は中退、仕事ゲームをやっていてクビになる。独創的なゲーム・アイデ

    史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - HONZ
    porimern
    porimern 2016/07/06
  • 『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ

    前作『代替医療解剖』の発表から実に8年。人気サイエンスライター、サイモン・シンの最新作の翻訳版がついに完成しました。テーマはズバリ『ザ・シンプソンズ』。1989年の初放映からすでに600話超! 今も続くアメリカの大人気アニメーションです。黄色い肌に、大きなギョロ目、極端にデフォルメされた姿はきっと多くの人がご覧になっているはず。社会風刺のたっぷりきいたドタバタアニメは時に社会問題にからんで日でも話題に上ります。 でも今回の切り口は、風刺でもなければアニメ論でもありません。『ザ・シンプソンズ』、実は超難解「数学コメディー」だった!! というサイモン・シンならではのものです。この背景にはハーバード大などで数学の博士号を取得した「天才」たちが、研究職をなげうってまで『ザ・シンプソンズ』の脚家になったという、驚くべき事実があるのですが、なぜ、そんなことが起こってしまったのか、そもそもどんな理由

    『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    前代未聞!!女装した少年が悪と戦う少年漫画!『ボクらは魔法少年』... 2018年09月19日 2018年9月19日(水)に発売した「週刊ヤングジャンプ」コミックスの中から、日はマンガ新聞編集部イチオシのタイトルをお届けします!

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    porimern
    porimern 2016/04/18
    気になるし読んでみたい
  • 『バイエルの謎 日本文化になった教則本』文庫解説 by 最相 葉月 - HONZ

    小学生の頃、同じマンションに住むピアノの先生の家に週に一回、通っていた。自分の家にピアノがないのに習うというのは、今考えるとかなり無謀な挑戦だった。練習に使用したのは、赤い表紙のバイエル教則。正直、つまらなかった。赤を終えると黄色になったが、依然としてつまらなかった。同じことの繰り返しで飽き飽きした。 少し楽しくなってきたのは、父親が電気オルガンを買ってくれてから。発表会に向けて課題曲も決まった。テオドール・エステン作の「人形の夢と目覚め」。静かでゆったりとしたメロディーで始まり、途中から軽やかなテンポに変わる。まさに眠りから覚めた人形が突然踊り出すような可愛らしい曲だった。 転居先の町でも引き続きピアノ教室に通った。だが、私のピアノはここで練習したチェルニー教則で終わる。シャープやフラットの数が増えてわけがわからなくなったためだ。いや、もっと決定的な理由がある。ラジオから流れてきたビ

    『バイエルの謎 日本文化になった教則本』文庫解説 by 最相 葉月 - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    あなたの留守中に家に勝手に人が入って生活していますよ?それが『ヒ... 2018年09月20日 あなたが朝起きて学校や会社に行く時に鍵をちゃんと閉めて出て行って。 一日を終えて夜に帰宅した時に違和感を覚えた事無いですか? “あれ?前日の夜にシャワー浴びた後のタオルってここに置いたっけ?”...

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    porimern 2016/02/19
    気になる
  • 『石油と日本』石油を持たない国の試行錯誤 - HONZ

    これまで歴史や評伝にて部分的に語られるものの、日の石油外交や資源開発の歴史について網羅的にまとめた書籍は、ほとんど存在しない。日軍が石油を求めて東南アジアに武力進出していったことは歴史年表に記されてはいるが、誰がどういう経緯で進軍を決めたかや当時の資源開発現場を紹介するはあまりない。太平洋戦争は石油の戦争といわれるわりに、私たちは事の顛末をきちんと理解していないのかもしれない。 そんな中、明治から現在までの日の油田開発と資源外交に焦点をあてる書は希有な一冊といえよう。これまで歴史に埋もれてきた数多くの物語を紡ぎだす良書である。しかも、歴史の表舞台に登場するプレイヤーの動向を紹介するだけでなく、そんな彼らを支えた人、場合によっては彼らにすら認知されていない現場の人たちにまでスポットライトをあて、日のこれまでの資源外交と油田開発の歴史を振り返っている。 書を読むと日の石油政策

    『石油と日本』石油を持たない国の試行錯誤 - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    プロレスには人生の大切な全てが詰まっている!『パパはわるものチャ... 2018年09月23日 プロレスは人生の縮図だ。 人生では勝つことも負けることもあるけれど、勝ってばかりだと面白くないし、反対に負けてばかりでもやるせない。 絶対に勝たなければいけない時もあるし、勝ちを譲った方が良い場面...

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  • 『耳鼻削ぎの日本史』”やさしさ”から”見せしめ”まで - HONZ

    “耳鼻削ぎ”とは穏やかではない。というか、野蛮。現代人はそう感じるだろう。日歴史上で耳や鼻を削ぐといえば、戦国時代の話かな。敵の首をいくつとったか戦功を証明するのに、首だと持って帰るには重いから耳。いや耳だと左右二つ削いで数をごまかせるので鼻になったんだっけ。いやはや、戦国時代は血腥い…。 著者は日各地の“耳塚”“鼻塚”を訪ね歩き調査する。無惨に討たれた武士たちの耳や鼻が何百と葬られたというのなら、さぞや怨念が染み付いているだろう、怨霊話もあるだろう。耳や鼻を削ぐという行為の意味もみえてくるだろう、と思いきや。 なぜかどこへいっても「耳の神様が耳の聞こえをよくしてくださるところ」という話ばかりだったのだという。 私は日中の耳塚・鼻塚を訪ねてまわり〜(中略)けっきょくのところ、どこの耳塚・鼻塚からも不気味な怨霊譚が聞かれることはなかった。それどころか〜(中略)土地の人から愛され、ご利

    『耳鼻削ぎの日本史』”やさしさ”から”見せしめ”まで - HONZ
  • 『あんなに大きかったホッケがなぜこんなに小さくなったのか』 - HONZ

    ホッケの干物といえば居酒屋メニューの定番。大皿にもおさまらないくらい大きくて、仲間たちとワイワイつつく魚。家で焼こうとしようものなら、魚焼きグリルからしっぽがはみだしてしまうような。 ところが、そのホッケがいま、年々小さくなっているという。それこそアジの干物ほどの大きさに。しかも値段は高騰、居酒屋メニューのような庶民の味ではなく高級魚になってしまったというのだ。たしかに言われてみると、スーパーの鮮魚売り場で見かけるホッケは、こじんまりと品よく高い。なぜこんなことになったのか。 ホッケの漁獲量が減ってしまったのだ。もはや海に大きなホッケはほとんど見当たらなくなっているという。1998年の20万トンをピークに、2011年にはなんと!75%減のたった5万トンになってしまった。獲りすぎたのだ。 こうして獲りすぎて、いなくなってしまった魚はホッケだけではない。マイワシ、ニシン、マサバ、ウナギ…。クロ

    『あんなに大きかったホッケがなぜこんなに小さくなったのか』 - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    お金0.0 / ビットコインが★なくなりました』第9話 2018年09月28日 あなたは1000万円盗まれたらどうしますか? 役者を目指す若者「出野達也」は、思いつきで仮想通貨取引を始めた。 家族に300万円を借金して、全額投資。 瞬く間に増えるお金、豪遊に次ぐ豪遊─...

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  • 『切断ヴィーナス』 - もっと高く、もっと遠くへ、そしてもっと美しく。 - HONZ

    OL、モデル、アスリートにイラストレーター… 書に登場する11人の女性には、一つの共通点がある。 それは、全員が義肢装具士・臼井二美男さんによって手がけられた義足を身につけているということである。一人ひとりの思いを実現するため、何度も対話を重ねながら生み出された「夢見る義足」。足の切断というアクシデントに見舞われた女性たちが、今、新たな一歩を踏み出した。 人間の根源的な欲求は、須らく「足」というパーツへ向かうのだろうか。もっと高いところへ、もっと遠くへ。その欲求はアフリカにいた人類の祖先を世界へと誘ったし、もっと美しく見られたいという欲求は、様々なファッションを生み出してもきた。 それらの思いを彼女たちの「表現」として描き出すのは、気鋭の写真家・越智貴雄さん。約1年前に開催された写真展でも大きな反響を呼んだ、まさに目を奪われる写真の数々。そのいくつかをご紹介したい。 * もっと高いところ

    『切断ヴィーナス』 - もっと高く、もっと遠くへ、そしてもっと美しく。 - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    怖い…でも見たい!怪異と戦う弱小少年!『ミヤコ怪談』第9話前編 2018年10月01日 気弱な少年と不良少女のジュブナイルホラー。 虐められっこの草弥は、クラスメイトに脅されて、「タタリ場」への調査に向かうのだが、出会ったのは、世にも恐ろしい妖怪の数々だった… 「ミヤコ怪談」はメデ...

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  • 『古代道路の謎』新刊超速レビュー - HONZ

    1995年、東京都国分寺市で長さ340mの幅12mの道路が発掘された。造られた時代は約1300年前の飛鳥時代。そして驚くべきことに、この巨大道路は寸分の狂いもなく一直線に造られていたのである。 その後の調査の結果、現在では、7世紀ごろには日中を張り巡らす巨大道路網が建設されていたことが判明している。東北から九州までの長さ約6300kmもの距離を、最大幅30mで敷設するというまさに巨大道路だ。田中角栄議員立法により実行された1966年の高速道路計画は6500kmであるから、それと同じ規模の距離をより幅広で建設していたことになる。 いったい誰がいつ何のためにそんな巨大プロジェクトを遂行したのか。驚くべきことに、これほど巨大プロジェクトにも関わらず、実はこの国家的規模の大規模事業がなされた理由はまだ正確に分かっていない。文献史料には何も記されていないのである。書はそんな「謎の巨大国家プロジェ

    『古代道路の謎』新刊超速レビュー - HONZ
  • 『われ敗れたり コンピュータ棋戦のすべてを語る』 新刊超速レビュー - HONZ

    将棋連盟会長の米長邦雄氏が、コンピュータ将棋ソフト「ボンクラーズ」に負けたということが話題になったのは、つい先月の1月14日のこと。それからまだ1ヶ月も経たないというのに、早くも対局した人によって、その内幕の全貌が明かされた。それが書『われ敗れたり コンピュータ棋戦のすべてを語る』である。 決戦の裏側に隠された興味深いエピソードが、いくつか挙げられている。一つ目は、対戦時に将棋盤の向う側に誰が座ったのかということである。これは米長氏の強い意向により、米長氏自身を強く尊敬している人の中から選ばれた。対面(といめん)に誰が座るのかということは、勝負を左右するくらい大きなことであるそうだ。 二つ目は、米長氏が出がけに奥さんに「私は勝てるだろうか」と聞いたときのこと。はっきりと「あなたは勝てません」と断言されたのである。「なぜ勝てないんだ」と問い返すと、「あなたはいま、若い愛人がいないはず

    『われ敗れたり コンピュータ棋戦のすべてを語る』 新刊超速レビュー - HONZ
  • 『大停滞』 - HONZ

    2011年、最も話題になった経済書だ。 New York Times、Financial Times、Wall Street Journal等さまざまなメディアが「2011年最大の話題の書」と呼ぶくらいである。英Economistは著者を「今後最も世界に影響を与える経済学者の一人」に選出した。書の議論が日の紙面を賑わすのも時間の問題であり、又、ビジネス・経済の原動力が何たるかを指摘しているので、ビジネスマンは必ず読んでおいた方がいい。 ブログ愛読者の中には「経済書」と聞いてゲッとなった人がいるかもしれないが、安心して欲しい。数式は一切出てこないし、何より約160ページという薄さで、しかも分かりやすく、あっという間に読めてしまう。通勤電車の中で読むには最適のだ。 書は、欧米や日など先進国の経済成長が鈍化しているのは、ケインズ経済学者が唱える「政府が適切に機能していない」からではな

    『大停滞』 - HONZ
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