城下町としての面影を色濃く残す山口県萩市。萩の特産品・夏みかんを使った菓子の製造・販売を最初に手がけた「光國(みつくに)本店」の名物は、なんといっても「夏蜜柑丸漬」。見た目のインパクトもさることながら、風味豊かな味わいもまた鮮烈です。 厚い皮の中にたっぷりの果汁を湛えた果肉は、甘酸っぱくさわやかな味わい――。くどすぎない上品な甘さと豊かな風味、萩の夏みかんは数ある柑橘類の中でも万人向けというよりも“オトナ向け”といえるのかもしれません。 そんな夏みかんを使った菓子の製造・販売を萩で初めて手がけたのが、「光國本店」。安政5(1858)年から店を構える老舗です。