クィア・パルム賞の受賞前夜クィア・パルム賞とは、性的マイノリティやフェミニストの登場人物、また、それらに関わる事柄を描く長編・短編作品のみならず、家父長的なジェンダー規範への異議申し立てを試みる作品に与えられる賞である。 カンヌ国際映画祭の公式部門とは独立した賞として2010年に始まり、その選出の対象には、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に加えて、その他のセクション(国際批評家週間、監督週間、ある視点部門、ACID部門)に出品された作品すべてが含まれる。クィア・パルム賞の射程は広いものの、これまでの受賞作は、『BPM ビート・パー・ミニット』(ロバン・カンピヨ、2017)、『燃ゆる女の肖像』(セリーヌ・シアマ、2019)、『Joyland』(サイム・サディック、2022)といった、トランスジェンダー、同性愛者、同性へ性的に惹かれる人々などの経験を描く作品に与えられてきた。 そのような
![映画『怪物』はなぜ性的マイノリティを描きながら不可視化したのか。映画製作の構造的な問題を考える(文:久保豊)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b8cffb393d4cf3be688a2bdd5482d2c28b1cc3eb/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages.ctfassets.net%2Fj05yk38inose%2F6JZHrapWyqkULvrCvkaDs3%2Ff78a77efc7bcc22d6ef62153a53c5dbb%2F_KBX7174_4h_S_C_R_R.jpg%3Fw%3D1200)