手塚治虫の「俺は絵が描けないんだよね」という言葉を聞いて ──富野監督はその後、虫プロダクションに入社します。そして初演出はTVアニメの「鉄腕アトム」(1963〜1966年放送)です。 僕が現場に入ったのは「アトム」の放送2年目です。本格的なTVアニメ第1号として話題になった「鉄腕アトム」だったけれど、2年目ともなると、もう華々しくもなんともないんですよ。原作も使い切りはじめていて、残っている原作は「いいエピソードだから、ここで使うのはもったいない」というものか、逆に「原作そのままではTVで扱いづらい」というものばかり。だったからオリジナル脚本で埋めていこうということになっていって。そういう時期なので、楽しいことっていうのは何一つなかったと言ってもいいですね。 ──当時現場には「鉄腕アトム」の単行本は置かれていたのでしょうか。 原作を見ながら作ったという記憶はないので、たぶん置いてなかった
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