ご存じ岩田規久男氏の最新刊。『Voice』連載の記事に加筆・修正した単行本……というふれこみだったが、いやはや加筆の量がハンパじゃない。むしろ、連載記事は本書のダイジェスト版だったんじゃないかとさえ思える(連載記事の紹介については、このエントリからリンクをたどっていただければ幸甚です)。 岩田氏といえばいわゆるリフレ派の重鎮。本書でもリフレ政策の重要性をくりかえしうったえている。すなわち、日銀法改正とインフレ目標の導入が必要不可欠であり、需給ギャップを早急に解消するには日銀の国債引き受けが有効だとする。 しかし、本書の価値はそうしたリフレ政策のみならず、各種規制改革、税制改革、年金制度改革などなど、ミクロ経済政策、所得再分配政策に多くの頁を割いているところにある。言うなれば本書は「イワタ式経済政策入門」なのだ。 中心となる思想は、まず市場の力を信じること。そして市場の力がおよばない分野には
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