アニメの歴史 その15 スタジオジブリとテレビアニメ アニメは、印刷されたマンガとともに日本で巨大なファンダムを築き上げ、この国の主流文化の大きな部分を占めました。 アニメの多くのジャンルの中で、メカ (巨大ロボット SF) は特に象徴的なものになりました。 特に活字マンガは、ドラゴンボール (1984 ～ 1995 年) などのシリーズに後押しされて 1980 年代に黄金時代を迎え、これらのシリーズはアニメ化され長期にわたって成功を収めました。 比較的新しいホーム ビデオ市場は非常に大きく成長し、オリジナル ビデオ アニメーション (OVA) が非常に高く評価される媒体となり、多くの場合、テレビ向けに制作されたものよりも高品質の作品が制作されました (米国ではビデオへの直接制作が主であったのとは対照的です)。 劇場公開やテレビ放送を正当化するほどの人気が期待されず、したがってはるかに低予

アニメの歴史 その14 初期のアニメーションミュージックビデオ 音楽とアニメーションの組み合わせには長い伝統がありましたが、アニメーションが 1970 年代半ばに適切なジャンルとして確立されてから、アニメーションがミュージック ビデオの一部となるまでにはしばらく時間がかかりました。 ハラスとバチェラーは、ロジャー グローバー監督の『Love Is All』（1974 年）のアニメーション ビデオを制作しました。このビデオは、多くの場合、つなぎ番組として、数十年にわたって国際的に放送されました。 ジェラルド・スカーフがアニメーション化したピンク・フロイドの 1977 年の「ウェルカム・トゥ・ザ・マシーン」ミュージック ビデオは、当初はコンサート パフォーマンスの背景としてのみ使用されました。 エルヴィス・コステロの『アクシデント・ウィル・ハペン』（1979年）は、アニメーションCMで知られる

アニメの歴史 その13 1970年代 成人向け・カウンターカルチャー系長編アニメーションの突破口 ラルフ・バクシは、「アメリカ軍機がベトナムに爆弾を投下し、子供たちが街頭を行進している中、個室に座って花畑に浮かぶ蝶を描く大人たちというのはばかばかしい」と考えた。 したがって、彼は、ロバート・クラムのコミック本に基づいた、より社会政治的なタイプのアニメーションを作成しました。その始まりは、ロバート・クラムのコミック本とX指定を受けた最初のアニメーション長編です。 この映画は X レーティングを利用して宣伝され、独立系アニメーション映画としては史上最高の興行収入を記録しました。 『ヘビー・トラフィック』（1973）の成功により、バクシはディズニー以来初めて長編アニメーション映画を2本連続で興行的に成功させた。 この映画では、部分的に背景としてスチール写真を使用し、顔にペイントを施したモデルの実

アニメの歴史 その12 アニメの隆盛 日本はアニメーションのスタイルで特に多作で成功を収め、英語では最初はジャパニメーションとして知られるようになり、やがてアニメとして知られるようになりました。 一般に、アニメは米国のアニメーションと比較して、動きよりも美的品質に重点を置いた限定的なアニメーション技術で開発されました。 また、ズーム、パン、複雑でダイナミックなショット、雰囲気を作り出すのに役立つ背景への細心の注意など、比較的「映画的」なアプローチも適用されます。 アニメは 1960 年に初めて国内でテレビ放送されました。劇場用アニメの輸出も同時期に始まりました。 数年以内に、非常に影響力のあった鉄腕アトム (1963 年) から始まり、ジャングル大帝 (Kimba the White) など、米国やその他の国でもさまざまなレベルで放送されるアニメ TV シリーズがいくつか制作されました。

アニメの歴史 その11 カンブリア プロダクションズ カンブリア プロダクションズは従来のアニメーションをたまにしか使用せず、多くの場合、カメラの動き、前景と背景のセル間のリアルタイムの動き、実写映像の統合に頼っていました。 クリエイターのクラーク・ハース氏は、「私たちはアニメを作っているわけではない。私たちは『モーターによる動き』を撮影しており、それを実写と組み合わせている――最大のトリックである……ディズニーが25万ドルで撮影している映像を、私たちは1万8000ドルで撮影している」と説明した。 彼らの最も有名なトリックは、セリフと同期して口をアニメーション化するのではなく、漫画のキャラクターの顔に話す唇を重ねる Syncro-Vox テクニックでした。 この光学式印刷システムは、カンブリア社のパートナーでカメラマンのエドウィン・ジレットによって 1952 年に特許を取得しており、人気の

アニメの歴史 その10 1950年代の劇場用アニメーション ディズニー 一連のパッケージ作品や実写とアニメーションの組み合わせを経て、ディズニーは 1950 年の『シンデレラ』で完全なアニメーション長編映画に戻りました (バンビ以来)。 その成功により、会社は事実上破産から救われました。 続いて『不思議の国のアリス』（1951年）が公開されたが、興行収入は大失敗で酷評された。 『ピーター・パン』（1953年）と『レディ・アンド・ザ・トランプ』（1955年）がヒットした。 野心的で大幅に遅れ、さらに高価だった『眠れる森の美女』（1959 年）は興行収入を失い、ウォルト・ディズニーのアニメーション部門の将来に疑問を生じさせた。 『不思議の国のアリス』やディズニーのほとんどの失敗作と同様、この作品も後に再公開によって商業的に成功し、最終的には真の古典とみなされます。 米国以外 Jeannot l

1950年代: 古典的な劇場アニメから子供向けテレビシリーズの限定アニメーションへの移行 演劇用漫画のほとんどは、特定の観客を対象に制作されていませんでした。 明確な画風と明るい色彩で動物がしゃべるダイナミックなアクションやギャグは、当然ながら幼い子供たちに魅力を感じましたが、漫画には暴力や性的なほのめかしが定期的に含まれており、子供向けではないニュース映画や長編映画と一緒に上映されることがよくありました。 米国のテレビでは、漫画は主に子供向けに、週末の朝、平日の午後、または夕方の都合の良い時間枠で番組化されていました。 1950 年代のアメリカのテレビ アニメーション プロセスのスケジュール上の制約と、リソース管理の顕著な問題 (劇場アニメーションと比較して、低予算でより多くの量をより短い時間で作る必要がある) が、現在リミテッド アニメーションとして知られるさまざまな技術の開発につなが

アニメの歴史 その8 1940 年代にヒットした劇場用短編漫画 「アメリカアニメーションの黄金時代」には、新しいスタジオが、過去数十年間のサウンドと色の革新の戦いを生き残ったスタジオと競争しました。 漫画の動物は依然として標準であり、音楽も依然として重要な要素でしたが、ディズニーのメロドラマ的なストーリーテリングや、ルーニー・テューンズやその他の漫画のワイルドなユーモアに主な舞台の魅力を失うことがよくありました。 ディズニーはアニメの成功を継続し、ミッキーマウスの世界にデイジーダック (1937/1940) とチップとデール (1943/1947) を追加しました。一方、ワーナーブラザーズは、人気のメリーメロディー/ルーニーテューンズのキャストに加わる新しいキャラクターを開発しました。 トゥイーティー、ヘンリー・ホーク（いずれも 1942 年）、ペペ・ル・ピュー、猫のシルベスター、ヨセミテ

アニメの歴史 その7 戦時中のプロパガンダ いくつかの政府は、英国の GPO 映画部門によるものや日本の教育映画など、広報映画にアニメーションをすでに使用していました。 第二次世界大戦中、アニメーションはプロパガンダの一般的な媒体となりました。 米国には戦争遂行のために最高のスタジオがあった。 あらゆる種類の軍事主題について軍人を指導し、士気を高めるために、ワーナー ブラザースはいくつかの短編映画と特別アニメーション シリーズ『プライベート・スナフ』の契約を結んだ。 このキャラクターは有名な映画監督フランク・キャプラによって作成され、ドクター・スースが脚本に携わり、シリーズはチャック・ジョーンズによって監督されました。 ディズニーはまた、いくつかの有益な短編作品を制作し、長距離爆撃のアイデアを推進した長編『空力による勝利』（1943年）に個人的に資金提供したことさえあった。 『Any Bo

アニメの歴史 その6 新しいカラフルな漫画のスーパースター サウンドと色彩の追加がディズニーにとって大成功を収めた後、他のスタジオも追随しました。 10 年代の終わりまでに、ほぼすべての劇場アニメがフルカラーで制作されました。 当初、『ソング カー チューンズ』、『シリー シンフォニー』、『メリー メロディーズ』、『ルーニー テューンズ』などのシリーズ タイトルが示すように、多くのシリーズでは音楽と歌が焦点となっていましたが、視聴者の心を掴んだのは見覚えのあるキャラクターでした。 ミッキーマウスは、フェリックス・ザ・キャットの人気を超えた最初の漫画のスーパースターでしたが、すぐにさらに数十人の漫画のスーパースターが続き、その多くは数十年にわたって人気を保ち続けました。 ワーナー ブラザースには膨大な音楽ライブラリがあり、利用可能な曲に基づいた漫画を通じて普及させることができました。 ディズ

アニメの歴史 その5 ボスコ ボスコは 1927 年にヒュー ハーマンとルドルフ アイジングによって、特にトーキーを念頭に置いて作成されました。 当時彼らはまだディズニーで働いていたが、1928年に退社し、ユニバーサルで約1年間漫画『オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット』の制作に取り組み、その後1929年5月に配給会社を探すためにトーク・インク・キッドのパイロット版『ボスコ』を制作した。 。 彼らはレオン・シュレジンジャーのプロダクションと契約し、1930年にワーナー・ブラザースで『ルーニー・テューンズ』シリーズを開始した。ワーナー・ブラザースを退社した後、ハーマンとイジングがボスコをMGMに連れて行くまで、ボスコはワーナー・ブラザースの39作品のアニメのスターだった。2つのMGMアニメの後、このキャラクターは 劇的な変身を遂げたが、視聴者からはあまり評価されなかった。 ボスコのキャリアは1

アニメの歴史 その4 1920 年代: 絶対的な映画、同期サウンド、ディズニーの台頭 1920 年代には、同期サウンドを備えた最初のアニメーションの開発やウォルト ディズニー スタジオの設立など、多くの重要な出来事が起こりました。 この10年間には、『蒸気船ウィリー』（1928年）にミッキーマウスが初めて登場しました。 絶対フィルム 1920 年代初頭、ウォルター ルットマン、ハンス リヒター、ヴァイキング エゲリング、オスカー フィッシンガーなどの芸術家による絶対映画運動が、短い抽象アニメーションを制作し、影響力を発揮しました。 たとえば、レン・ライやノーマン・マクラーレンによる後の抽象的なアニメーション作品の一部は広く評価されるようになりましたが、このジャンルは主に比較的知られていない前衛芸術形式に留まり、一方で、直接的な影響や同様のアイデアが主流のアニメーションに時折登場しました（た

アニメの歴史 その3 セグンド・デ・ショモン スペインの映画監督セグンド・デ・ショモンは、フランスの映画会社パテのために多くのトリック映画を制作しました。 1906 年までに、彼は『La maison ensorcelée』や『Le théâtre de Bob』（どちらも 1906 年 4 月に米国で公開）など、いくつかの短編映画でストップ モーションを使用しました。 ブラックトンの『ホーンテッド・ホテル』（1907 年 2 月 23 日）には、『ラ・メゾン・アンソルセレ』のものとよく似たストップモーション要素が含まれています。 公開日が正しければ（そして翻訳されたタイトルが混同されていなければ）、ブラックトンはその逆ではなく、ド・ショモンの作品からインスピレーションを得たに違いないが、『ホーンテッド・ホテル』はフランスやその他のヨーロッパで大ヒットしたと考えられている。 この映画は、エ

アニメの歴史 その2 標準写真フィルム レイノーの映画の成功にもかかわらず、1895 年にリュミエールのシネマトグラフが導入されてから、アニメーションが映画業界で採用されるまでには時間がかかりました。ジョルジュ メリエスの初期のファンタジー映画やトリック映画 (1896 年から 1913 年に公開) には、時折、次のような要素が含まれています。 ペイントされた背景の前で動かされるペイントされた小道具やペイントされた生き物 (主にワイヤーを使用)、および手作業によるフィルムの色付けなど、アニメーションにいくらか似ています。 メリエスはまた、ショット間のシーンに 1 つの変更を加えたストップ トリックを広めました。これは 1895 年にエジソンの『メアリー・スチュアートの処刑』ですでに使用されており、おそらく数年後のストップモーション アニメーションの開発につながりました。 まともなアニメーシ

映画の歴史 その18 2000年代 2000 年代後半以降、YouTube などのストリーミング メディア プラットフォームは、インターネットとカメラ (スマートフォンの標準機能) にアクセスできる誰もがビデオを世界に公開する手段を提供しました。 また、ビデオ ゲームや他の形式のホーム エンターテイメントの人気の高まりと競合して、業界は再び劇場公開をより魅力的なものにし始め、新しい 3D テクノロジーと壮大な (ファンタジーとスーパーヒーロー) 映画が映画館の主力になりました。 このドキュメンタリー映画は、『ペンギンの行進』やマイケル・ムーア監督の『ボウリング・フォー・コロンバイン』、『華氏9/11』などの映画の成功により、おそらく初めて商業ジャンルとしても浮上した。 マーティン・クナートとエリック・マネズの『イラクの声』で新しいジャンルが生まれ、150 台の安価な DV カメラがイラク全

映画の歴史 その17 1990年代 1990 年代初頭、米国では独立系映画が商業的に成功を収めました。 映画は、『ターミネーター 2: 審判の日』 (1991 年)、『ジュラシック・パーク』 (1993 年)、『タイタニック』 (1997 年) などの特殊効果映画にますます支配されるようになりましたが、後者は当時史上最高の興行収入を記録した映画となりました。 同じくジェームズ・キャメロン監督の『アバター』（2009年）、スティーブン・ソダーバーグ監督の『セックス、嘘、ビデオテープ』（1989年）、クエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』（1992年）などのインディペンデント映画は、映画館とホームビデオの両方で大きな商業的成功を収めた。 デンマークの映画運動「Dogme 95」に関わる映画製作者たちは、映画製作の純化を目的としたマニフェストを導入した。 最初の数本の映画は世界

映画の歴史 その16 1980年代 1980 年代には、家庭用ビデオデッキで映画を見る視聴者が増えました。 その10年の初めに、映画スタジオは著作権侵害としてビデオデッキの家庭所有を禁止する訴訟を起こしたが、失敗に終わった。 最終的に、ホーム ビデオでの映画の販売とレンタルは、映画上映の重要な「第 2 の会場」となり、映画産業の追加の収入源となりました。 ビデオ直販（ニッチ）市場では、通常、テレビや劇場公開の一般視聴者にはあまり適していないと考えられる、低品質で安価な作品が提供されていました。 ルーカスとスピルバーグのコンビは、1980 年代の大部分で「ハリウッド」映画を支配し、多くの模倣をもたらしました。 『スター・ウォーズ』の続編が 2 作、『ジョーズ』が 3 作、『インディ・ジョーンズ』の 3 作がヒットしたことで、成功した映画の続編に対する期待がこれまで以上に高まりました。 ルーカ

映画の歴史 その15 1970年代 ニュー ハリウッドは、1950 年代から 1960 年代にかけてスタジオ システムが衰退し、プロダクション コードが廃止された後の時代でした (1968 年に MPAA 映画評価システムに置き換えられました)。 1970 年代、映画製作者はますます露骨な性的コンテンツを描写し、血なまぐさい死の生々しい映像を含む銃撃戦や戦闘シーンを上映しました。その顕著な例は、ウェス・クレイヴンの『左の最後の家』 (1972 年) です。 ポストクラシック映画とは、ニューハリウッドのプロデューサーによるストーリーテリングの手法の変化です。 ドラマと人物描写の新しい方法は、古典期/黄金時代の時代に得られた視聴者の期待に基づいて行われます。物語の時系列は混乱する可能性があり、ストーリーラインには不安を引き起こす「どんでん返し」が特徴であり、主人公は道徳的に曖昧な方法で行動する

映画の歴史 その14 1960年代 1960 年代、ハリウッドのスタジオ システムは衰退しました。その理由は、多くの映画が他国でロケを行ったり、英国のパインウッドやローマのチネチッタなどの海外のスタジオ施設を使用したりするようになったからです。 「ハリウッド」映画はまだ主に家族視聴を対象としており、スタジオの最大の成功を生み出したのは、より古風な映画であることが多かった。 『メリー・ポピンズ』（1964 年）、『マイ・フェア・レディ』（1964 年）、『サウンド・オブ・ミュージック』（1965 年）などの作品は、この 10 年間で最大の収益を上げた作品の 1 つでした。 独立系プロデューサーや制作会社の成長、個々の俳優の力の増大も、伝統的なハリウッドのスタジオ制作の衰退に貢献しました。 この時期、アメリカでは外国語映画に対する意識も高まりました。 1950 年代後半から 1960 年代にか

映画の歴史 その13 アジア映画の黄金時代 1940年代に第二次世界大戦が終結すると、続く10年間、1950年代は非英語世界の映画、特にアジア映画にとって「黄金時代」を迎えた。 小津安二郎監督の『東京物語』（1953年）、サタジット・レイ監督の『アプー三部作』（1955～1959年）と『ジャルサガル』（1958年）、溝口健二監督の『雨月』（1954年）、『山椒』など、史上最も高く評価されたアジア映画の多くがこの10年間に制作された。 執行官（1954）、ラージ・カプールの『アワーラ』（1951）、成瀬巳喜男の『浮雲』（1955）、グル・ダットの『ピヤーサ』（1957）、『カーガズ・ケ・プール』（1959）、黒澤明監督の映画『羅生門』（1950）、『生きる』（1952）、 『七人の侍』（1954年）と『血の玉座』（1957年）。 1950 年代の日本映画の「黄金時代」には、黒澤明監督の『羅生