実験棟「夢天」を搭載し、中国南部・海南島の発射場から打ち上げられた長征5号B(10月31日)=新華社AP 【クアラルンプール=安田信介】フィリピン海軍は21日、中国が10月に打ち上げたロケットの残骸とみられる物体を南シナ海で回収した後、中国海警局の船に奪われたと発表した。 【写真】実験棟「問天」を搭載し、中国南部・海南島の発射場から打ち上げられたロケット 発表によると、現場はフィリピンが実効支配するパグアサ島の西約700メートルの海域。20日午前、比海軍が海上を浮遊している物体を発見し、回収した。その後、中国海警局の船が接近して進路を妨害。物体を引いていたロープを切断し、持ち去ったという。 地元メディアの報道によると、比軍の報道官はこの物体について、10月31日に中国が打ち上げた大型ロケットの残骸とみられるとしている。ロケットは、中国独自の宇宙ステーション建設用に開発された「長征5号B」(