関連する2本の映画批評原稿を書きました。 園子温『ヒミズ』と塚本晋也『KOTOKO』についてです。 【第一原稿】 ―――――――――――――――――――――― 「震災後のポストモダン」試論 〜園子温『ヒミズ』〜 ―――――――――――――――――――――― 【アントニオーニ『欲望』と鈴木清順『殺しの烙印』】 ■先日、私が主催する私塾において、二本の映画--ミケランジェロ・アントニオーニ『欲望』(1966)と鈴木清順『殺しの烙印』(1967)--を見て表現と時代の間の関係を探るという企画を立て、朝から夜まで議論した。なお参加者は大多数が二〇歳台前半である。 ■選んだ理由は二本の映画に共通するものにある。一口で言えば〈社会〉についての告げ知らせということになろう。『欲望』の原題は"Blow Up"(引き伸ばし)。若い世代のために言うと、ネガフィルムを透過した光を印画紙に拡大投影して焼き付ける作