猫が死んだ。 まだ実家にいた頃、夏の雨の夜に裏庭の網戸越しに必死にないて助けを求めにきた。野良猫ではなさそうな毛の長い種類の猫で背骨がゴリゴリと痩せていた。既に猫を2匹飼っていたので持っていたネコエサをすぐにあげたがガリガリなのにいくらも食べずに、フミはただ人恋しがって撫でてくれと必死にせがみ続ける愛情に飢えた猫だった。 その1〜2年後、以前、絶対に人に可愛がられていたであろう人懐こい野良猫を、職場からうちに招いた。職場で子を産み、子をそれぞれで引き取ったが、子を取られたにゃおはとても悲しがって見ていられなかったから。にゃおは感情表現が豊かで、私が帰ってくると、玄関の土間でばったんばったんと身体をくねらしぐうぐう言いながら喜びを全身で表現した。私が他の猫を撫でていると不機嫌な顔をしながらパンチで追い払い、私を独り占めしようとする嫉妬深さも人一倍だった。 歳を取ったこの2人は毎日寄り添って寝