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ブックマーク / ameblo.jp/kyupin (59)

  • 『なぜか、薬の質問をされないという話』

    僕の患者さんは、なぜか薬について詳しくは聞かない。当はもう少し聞かれても答えてあげられるのに、あまりそのような人がいないのである。 これは、最初よく説明しているから、それ以上聞かれないのでは? と思うかもしれない。ところが、それほどではない。もちろん説明しておいた方が良いと思うものは説明する。例えばラミクタールの重い中毒疹など。(参考) しかし、中毒疹なんてあらゆる薬にありえるわけで、普通は薬を飲んで湿疹が出たら止めておくようにと初診時に言う程度である。それ以降はそこまで几帳面には言わない。 向精神薬なんて、悪性症候群や突然死の可能性に至るまで説明してしまうと、誰も薬を飲まなくなるところがある(参考)。また多少体重増加がありうる薬もそうだ。やり過ぎは、精神科ではヤブヘビになるのである。 うちの病院に初診して、1~2週間以内に極端に良くなることがある。どこの病院に行ってもうまくいかなかった

    『なぜか、薬の質問をされないという話』
  • 『あれだけで良いんですか?』

    ある日、女性患者さんが初診した。主訴は広場恐怖のようなもので、そのような際にはパニック模様になるという。その他、手に汗が浮くなど自律神経系の乱れが出るようであった。 これはうまく説明できないのだけど、SSRIは彼女にはとてもじゃないが飲めないと思ったし、かといって3環系も重過ぎるように思われたので、レスキューレメディースプレーを勧めた。 こういうケースは非常に珍しい。なぜなら、レスキューレメディーを初診で、しかも単剤で勧めることはまずないからである。 これで何も効果がなかったらその方が大問題なので、決断のいる「お勧め」ではあった。(大問題というのは相当に変な病院と思われることを意味する) 彼女はよく意味が把握できないようで、ポカンとしていた。 彼女は精神科は生まれて初めてなのでびっくりしたと思うが、ひょっとしたら、初めてだけにその変さに気付かなかったのかもしれない。一応、お花の話は簡単にし

    『あれだけで良いんですか?』
  • 『広汎性発達障害の強迫性とSSRIについて』

    アスペルガーなどの広汎性発達障害の人たちの強迫性だが、いったい他の医師はどのように治療しているんだろうか?と思う。 強迫といえば、SSRIと思いがちだが、SSRIは合わないことも多いですしねぇ・・特に薬に弱い広汎性発達障害の人は。 広汎性発達障害の人たちへSSRIだが、今はほとんど処方していない。特に初診の人たちにはそうだ。ただ、転院してくる人たちはSSRIはよく処方されている。まあ定番ですし。 過去に彼らにSSRIを使ってみた時期もあった。しかし最初にいきなり脱落するか、時間が経ち、やはりこれは・・と思うようになり中止していることが多い。よく調べれば、まだ服用している人もいるかもしれない。 SSRIが既に処方されているような人で、この人には合わないと思ったら、少し無理をするがなんとか中止してみる。長く服薬している場合、凄い離脱が出ることもしばしばなので、事故が起こらないように入院させ治療

    『広汎性発達障害の強迫性とSSRIについて』
  • 『デパケンRと広汎性発達障害』

    広汎性発達障害の人には、デパケンR(バルプロ酸)が何らかの好影響を与えることが多い。 しかし、元々デパケンRは躁うつ病やてんかんの薬であり、広汎性発達障害の人への処方は適応外である。広汎性発達障害に適応がある薬物は限られている。(ADHDへのコンサータやストラテラなど) つまり広汎性発達障害の人たちへの薬物療法は、ほとんどが適応外処方である。(参考) 広汎性発達障害の人は薬剤過敏性があることも稀ではなく、デパケンRが服用できない人もいる。倦怠感やめまいなどの副作用に耐えられないとか、最初は良かったが、次第に脱毛などの珍しい副作用が明瞭になり中止せざるを得ない場合もある(参考1、参考2)。稀に元々の精神症状を悪化させることすらある。 デパケンRが有効な場合、いったい何㎎服用すれば良いのかは謎である。実際に患者さんにより必要量は幅があるようにみえる。 だから、デパケンR、つまりバルプロ酸の血中

    『デパケンRと広汎性発達障害』
  • 『広汎性発達障害に非定型抗精神病薬は適切なのか?』

    うーん・・難しい問題。 まず、何をターゲットにしているかで違う。重要なことは、広汎性発達障害の人は薬に敏感なことも稀ではないので、例えばジプレキサで劇的に太る事態が予測できること。 おそらく、合わずにすぐに中止になる確率は統合失調症の人に比べずっと高い。 まず、うつ状態、希死念慮、厭世観、意欲の低下などが前景の人は、非定型抗精神病薬は最初からは使われない。SSRIやSNRI、あるいは3環系、4環系抗うつ剤でいろいろやってみて、やはりうまくいかない時、抗うつ作用を期待されて非定型抗精神病薬が選択される。 また、広汎性発達障害の人に幻視、幻聴が伴うとか、あるいは激しい興奮がある場合、自然な流れでリスパダールやジプレキサのような抗精神病薬が処方されることもある。 広汎性発達障害の人に処方される場合、抗精神病薬の中で最も可能性が高く余計なことをしない薬はルーランの少量だと思う。ルーランは体重増加が

    『広汎性発達障害に非定型抗精神病薬は適切なのか?』
    pub99
    pub99 2009/11/13
    「広汎性発達障害の人は脳の成熟という元々の治癒過程がある」
  • 『重度の統合失調症の人は年齢がわからない』

    何十年も精神科入院中の統合失調症の患者さんは相手の年齢がよくわからない人もいるようである。(もちろん、わかる人もいるが) 長年、精神科病院で入院している人で、全く疎通性がない人がいる。もちろん会話も成立しない。話しかけても勝手になにやら独語している。ほとんど注意を向けない人もいる。このような人は真に荒廃した統合失調症の患者さんである。 緘黙状態に見える人は、実は昏迷ないし亜昏迷という場合もあるが、長い期間患っている人はそうでないことの方が多い。もう少し軽く、会話ができるが、破瓜型の陰性症状が目立ち幻覚妄想もあるような人。 このような人は、例えば20歳代の人に「私の年齢は?」と聞かれると、「56歳」などと答えたりする。 一瞬、 冗談で言ってるのか? と思うほどだが、それなりに真面目に答えているのである。たぶん。 健康な人は、相手の年齢を予測する際に、その人の顔の張りや艶、皺の多寡、頭髪の量な

    『重度の統合失調症の人は年齢がわからない』
  • うつ状態に最初に選択される薬はジェイゾロフトらしい|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

    現在、うつ状態に最初に選択される薬はジェイゾロフトという話(頻度として)。 パキシルは桁違いに使われていることもあり、離脱が多いだの催奇形性だの、いろいろニュースが出るため、最近はジェイゾロフトが選ばれているのであろう。 ジェイゾロフトとパキシルではまだ売り上げに相当な差があるが、何年かするとジェイゾロフトとパキシルの売り上げ比は変化してくるかもしれない。 うちの病院で数年前にパキシルを処方され、今はすっかり落ち着いている人は(今も通院中の人)、 ① そのままパキシルが処方されている。 ② ジェイゾロフトに変更している。 ③ 他の抗うつ剤に変更(デプロメール、3環系、4環系)。 ④ 抗うつ剤を止めてしまった。 のどれかだが、若い女性でSSRIが望ましい人たちはジェイゾロフトに変更して経過が良い人が多い(過去ログ参照)。 無理して変更せず、パキシルのままの人たちは嘘みたいに落ち着いており、S

    うつ状態に最初に選択される薬はジェイゾロフトらしい|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
  • 『医学部はなぜ6年制なのか?』

    なぜ6年制なのか?と言うのも変だけど、学生の頃のエピソード。 医学部はずっと以前、いつからか知らないが6年制である。これは学ぶことが多いからだろうと思っていた。当時、学費は安く奨学金もその分少なかったので、金銭的に余計にかかるといった感じではなかった。年額が変わらないので在学年数が延びるだけである。(参考) 友人と僕の話だが、医学部は無駄に教養部を2年過ごし、なおかつその2年には医学の教科がほぼなかったので、もし4年制であったとしても、問題なかろうという結論になった。しかも、その2年で酒や悪い遊びを憶えるので、かえって有害な期間になりうると考察を進めた(もちろん真面目な話ではない)。 実際、教養部で多くの留年者が出ており、毎週1科目、週休6日制の無駄な期間を過ごすのは、人生トータルを考えても損失以外のなにものでもない。むしろ国費の無駄遣いとすら言える。(参考) しかし、医学部を4年制にして

    『医学部はなぜ6年制なのか?』
  • 『MR認定証』

    最近、東京の写真を時々アップしている。今回の東京旅行の目的の1つは友人に会うことであった。彼とは付き合いが長くもう20年近い。かれはその間、3回以上転勤になっている。 彼とは以前は結構年齢差があると感じていたが、付き合いが長くなると年齢差は次第に縮まる感じになる。彼はある製薬会社のMR(Medical Representatives)さんである。MRは日語では医薬情報担当者と訳されている。現在「MR認定証」なる業界の資格があり、これがないと大きな病院(大学病院など)を訪問できない。だから、この試験は彼らにとって必須というか、ある意味、大学入学試験と同じくらいの重さがあるといえた。 実際、この試験が始まり、ある地方の支社長?くらいの役職の人が落ちたため、左遷のようになった話も聞いた。この資格がないと病院を訪問できないのは大変な制約である。ずっと以前だが、彼が試験を受けるというので、何回か質

    『MR認定証』
  • 『パキシル、社会不安障害の適応を取得』

    先週金曜日(2009年10月16日)、パキシルに「社会不安障害」の適応が追加承認されている。今までもこのような症状でパキシルを処方されていた人はいたと思われるが、晴れてこの診断で処方できるようになった。 過去ログの「パキシル」のエントリでは、以下のように書いている。 効能・効果は、うつ病、うつ状態、パニック障害、強迫性障害となっているが、デプロメール(フルボキサミン)で認められている社会不安障害の適応はない。社会不安障害に対してももちろん効果があるが正式な適応がないということである。ひょっとしたら、現在の売り上げを見ると、社会不安障害に対しても、むしろパキシルの方が多く処方されているのかもしれない。パキシルは海外では社会不安障害の適応が認められている国もある(多いかどうかまでは詳しくない) この部分の記事は先週金曜日から変更になる。既にパキシルは社会不安障害の適応を100カ国以上で取得して

    『パキシル、社会不安障害の適応を取得』
  • 『どういうメールが来るかなど』

    このブログでは僕の方針として、ほとんどメールでの相談内容について触れていない。たまにアップする程度で、今まで1~2回あったかどうかだと思う。 昨夜、メールというか久々にお便りを貰ったのでここでアップしたい。(人にも了解を取っている) 差出人 日付 2009年10月15日 23:35 件名 セロクエル お忙しいところ失礼致します。 以前、統合失調症の認知障害に効く薬についてメールを頂いた者です。 先生のおっしゃるようにセロクエルを処方してもらいました。よく眠れるようになった為か、今まで深く根を張っていた不安感が消え、気分がとても良いです。ただ、半減期が短いのでジプレキサは止めれませんでした。 今までの処方 ルーラン5㎎ ジプレキサ0.625㎎ぐらい 今の処方 ルーラン4㎎ ジプレキサ0.625㎎ぐらい セロクエル12.5㎎ こんなにも不安感の無い生活は楽しいものなのですね。 先生当にあり

    『どういうメールが来るかなど』
  • 『マンションのメリット』

    過去ログで、種々の事情でマンションにしか住むつもりがないといった記事をアップしている。最初のマンションは卒業して3年目に買ったが、70㎡ほどの広さで、チンタラ払っていても埒が明かないので、後に繰上げ返済をし、今はもうローンは残っていない。 ただ、あちこち県外の病院を回っている間、人に貸していたので結局1度も住むことはなかった。タイミングが合わないのである。今はそのマンションから歩いて5分以内ほどの距離に住んでいるが、とりわけこの地域が好きというわけではない。たまたまここにマンションが建ったので買っただけなのである。 結果的に、今の場所は街にも病院にも近く、便利なのでもう10年以上住んでいる。自分のよく行く範囲のちょうど真ん中にある。自分のマンションは駅から5分以内だし、銀行、郵便局、セブンイレブン、散髪屋なども300m以内にある。ただ、コンビニはそこまで使わない。 広さは80㎡弱。やはりマ

    『マンションのメリット』
    pub99
    pub99 2009/10/14
  • 『パニック、過食症、抗うつ剤』

    パニックに過症を伴う患者さんがいた。彼女が最も困っていたのはパニックだったので、一般的な診断はパニック障害なのかもしれない。 僕は内因性、特に統合失調症を重視しており、脳内はこれが中心に廻っているので、このような神経症圏内の疾患はあまり重視していない。結果的に良くならない人などいないからだ。 彼女は当初、ソラナックスくらいでスタートしたが、スッキリしなかったので、ある期間、SSRIを投与していたことがある。 一般にパニックはSSRIを投与するように言われているが、実際にはアンプリットやアナフラニールなどの旧来の抗うつ剤も有効である。彼女の場合、アンプリットやアナフラニールはどうしても重く、かといって、パキシルやジェイゾロフトも違う意味で重かったので、仕方なくデプロメールを処方していた。 実はこれは良くあることなのであるが、彼女はパキシルは副作用で服用できないが、まだアンプリットは少量なら

    『パニック、過食症、抗うつ剤』
  • 『病院には来れば来るほどそれに比例して良くなる』

    これって、意外に言われていないと思う。 過去ログで1週間ごとに来る人とか1ヶ月ごとに来る人の話をしている。稀に3日ごとに来るような人もいる(毎日点滴に来るような人は別)。 1週間ごとに来る人と、1ヶ月ごとに来る人のうち、どちらが良くなるかといえば、もちろん1週間ごとに来る人である。ずいぶん落ち着いていて、3ヶ月ごとでも良いような人でも当は1ヶ月に1度くらいは顔を見せに来た方が良い。 クリニックの場合、待合室が狭く、また待っている人が多すぎて長時間待つような場合は、かえって悪い空気にやられて、そんな風にならないかもしれない。 パキシルなどは実は処方に上限がない。だから極端なことを言えば3ヶ月分でも処方可能だ。だが、上に書いたようにそれは良くないのである。

    『病院には来れば来るほどそれに比例して良くなる』
  • 『広汎性発達障害とクオリア、SSRI』

    クオリアとは日語では「感覚質」と訳されているが、この言葉を知らない人も多いのではないかと思う。過去ログの「知覚変容発作」ではREMのDaysleeperを取り上げ、(以下抜粋) R.E.M.のDaysleeperという楽曲は、彼らの昼夜逆転生活について語っている。当時、彼らは全員、夜にぶっ通しで仕事をして朝から寝ていたらしい。だから彼らはみなDaysleeperなのである。朝、これから寝る時に朝刊を読む。マイケル・スタイプは、 I see today with a newsprint fray と表現しているが、なんだか笑ってしまった。確かにその通りだ。これこそ、体調による感覚変化なんだと思う。僕も朝、徹夜明けで新聞を読むと、なんだか新聞紙がいつもと違って、いかにも再生紙のように見えて、擦り切れた表面の荒れみたいなものを感じる。 という記事を書いているが、この「新聞紙がいつもと違って、い

    『広汎性発達障害とクオリア、SSRI』
  • 『カタプレス』

    一般名;塩酸クロニジン カタプレスは日では高血圧しか適応がないが、精神科では向精神作用を期待して時々処方される薬物である。このブログの過去ログにも、いくつか経過中にこの処方が出ているが、その意味についてほとんど説明していない。カタプレスは効果がはっきり目視できるほどの向精神作用が認められる。基的にカタプレスは切れ味鋭いと思う。 僕が精神科医になった頃から、カタプレスは既に向精神薬として処方されていた。当時、最も処方された疾患はたぶんトゥレット障害およびチックの患者さんだと思う。またMBD(minimal brain dysfunction)の患者さんの多動、衝動にも使われていた。その後、少しずつ処方範囲が広がり、遅発性ジストニアやジスキネジアなどの抗精神病薬の副作用や強迫などにも補助的に処方されるようになった。 当時の邦の精神科雑誌ではいろいろな疾患への処方経験などが掲載されており、

    『カタプレス』
  • 『リフレックスの処方状況』

    リフレックス(レメロン)は発売されてまだ1週間であるが、もう10名前後に処方している。最初の感想を書き留めておきたい。(リフレックス=ミルタザピン) 実は、昨日、友人としこたま酒を飲み帰ってきて寝てしまっていた。今さっき目覚めて、まだ朝ではないことに驚いたのである。このあたりで水分を補給しないと明日動けない。しこたまとはいえ、たいした量ではないのであるが・・ リフレックスはあくまでここ1週間だけの話であるが、思っていたよりずっと忍容性が高い。眠くて続かない人が予想より少ないからである(実際、ほとんどいなかった)。しかも効果(抗うつ)は3~4日には既に出現している。 睡眠に関しては初日から改善する。また抗不安作用もまあまあのように思われる。 僕は当初、ルジオミールを処方しているような人を優先して切り替えるようにしていたが、元々ルジオミールを飲んでいるような人は4環系の眠さに強いのであろう。だ

    『リフレックスの処方状況』
  • 『ちょっとオカルトの話(前半)』

    今回は、ある薬の紹介をするための前置きで、ちょっとオカルトの話。オカルトの話なのに、前半と後半に分かれているのがなんとも・・まあ、興味ある人だけ読んでくれ。 いつだったか、ホーム&アウェーの話をしたことがある。サッカーではホームとアウェーでは大違いという記事である。それに擬えて精神医療、特に自分の病院かあるいは他の病院かでは少し薬の効き方に違いがあり、治療成績も変わってくるのではないかという話をしている。(過去ログ参照) 医療をする現場としては、 ① 自分の病院 ② リエゾン先の総合病院 ③ 外勤先、中枢病院での治療 ④ 医療観察法の鑑定での治療(稀だし期間も1ヶ月以内と短い) ⑤ このブログのメールでのアドバイスなど などが挙げられる(④⑤はあまり精神医療とはいえないけどね)。 今回のエントリはオカルト的ではあるが、精神医療、特に薬物治療の謎にかかわる重要な話である。 過去ログで、自分の

    『ちょっとオカルトの話(前半)』
  • 『精神科は主観的所見を解釈していく科』

    リエゾンをしていてよく感じるのは、やはり内科や外科は検査所見や画像診断など客観的所見を重視していく科ということ。だから、検査の数字や画像診断を重視しているうちに、その人を診るという基的なことがおろそかになってしまう。 これは整合性のある結果が揃わない時、医師が納得できるまで、徹底的に検査するという医療的強迫性にも繋がっている。 精神科はもともとそうではない。主観的所見を解釈していく科なのである。信頼性とかそういう次元ではない。日頃の診察の習慣が非常に関係している。 精神科の場合、人が痛いとか、あるいは奇妙な感触があると言えば、何も証明されなくても、多分そうだろうと思うわけ。 患者さんから、小太りの妖精を見たとか、姉の顔を見ていたら、急に宇宙人の顔に変わったと言われて、 そんなはずないだろ~ という精神科医はいない。(参考1、参考2) 例えば何らかの感覚がおかしいとか、そういうものだった

    『精神科は主観的所見を解釈していく科』