19世紀末、アメリカで自転車ハイウェイの建設が計画されていたのをご存じだろうか。自転車が都市に与えるインパクトは、いま改めて問うべき課題だ。10月10日に開催される「WIRED CONFERENCE 2014」にも登壇するイノラボ所長、渡邊信彦が見据える、2020年に実現しうる自転車都市の姿とは。(『WIRED』Vol.12より転載) 1964年のオリンピックが東京にもたらした最も大掛かりなインフラは「首都高速」だった。59年に首都高速道路公団が誕生し、64年10月10日の開会に向けて、建設が急ピッチで行われた。東京が世界に名だたる都市へと成長するための、それは不可欠なビッグプロジェクトだった。 それから半世紀。再び開催される2020年のオリンピックを控えて、50歳をとうに超えた「東京」の若返り施策は急務となる。コンパクトでエコロジカルなオリンピックを謳っている以上、開催都市もまたそうした