最高裁に傍聴に訪れた女性。左手の薬指に母親の形見の指輪をつけてこの日の裁判に臨んだ=10日午前、東京都千代田区、小玉重隆撮影 「婚外子差別の象徴」と批判され続けてきた民法の相続規定を、司法はどう判断するのか。10日、最高裁大法廷で始まった、この規定をめぐる弁論。婚外子として生まれた人々は、判例見直しへ期待を募らせる。 婚外子規定、最高裁大法廷で弁論 「合憲」見直しか この日、最高裁の傍聴席には、裁判の当事者と同じく、婚外子で生まれた女性(60)の姿があった。「最高裁は今度こそ、相続差別規定を憲法違反だと判断してほしい」。長年の思いを胸に、弁論を見つめた。 東京都在住。妻子を持つ父と、未婚の母の間に生まれた。「相続分は婚内子の2分の1」と定めた民法の規定が、ずっと心に引っかかっていた。法律が差別を容認している、と。 幼い頃、週1回だけ「帰宅」する父は、いつもチョコレートやアイスクリー