新疆ウィグル自治区ウルムチ市の暴動を伝える報道は、中国の少数民族政策に関心を寄せる者にとっても衝撃的でした。西部開発計画をはじめ貧困と経済停滞に悩む少数民族地区の救済を念頭に入れた中央政府の様々な開発政策による一定の経済的底上げにもかかわらず開発の進行によって富はむしろビジネスを主導する漢族に集中してしまい、格差の増幅や少数民族地域へ流入する漢族人口の増加に中央・地方官僚の汚職横行も重なって少数民族側のフラストレーションは緩和されていないということは、多くの中国研究者によって指摘され中国外マスメディアによって報道もされてきました。 報道で見る限り、おそらくは6月の広東省韶関にあるオモチャ工場での民族衝突に抗議するウイグル学生の平和的デモが今回の暴動の発端だったようですが、衝撃的だったのはウイグル族のデモ隊が漢族らしき男性を公衆バスから引き摺り下ろして暴行を加える映像やウイグル族暴動の翌日