「女性に劣らず男性にとっても外見は大事なもの」。そんな時代を映す制度改正が2月以降に相次ぐ。労働災害では、顔に傷痕が残った男女で異なっていた補償額が同じに。自動車損害賠償責任(自賠責)制度などでも見直しが加速する。 きっかけは、作業中に顔などに大やけどを負い、2004年に労災補償の認定を受けた京都府内の男性が、「女性より男性が低い障害等級に認定する基準は違憲」として処分の取り消しを求めた裁判だ。昨年5月、京都地裁が補償に男女差があるのは違憲だと判断した。 国は控訴を断念。厚生労働省が補償額の基準となる障害等級の見直しを進めていた。補償が手厚かった女性に男性を合わせる形で労災保険法施行規則を改正。2月1日に施行される。 顔の傷を含む後遺障害だけで年間7万件近くの支払い実績がある自賠責制度でも、見直し作業が始まっている。補償はすべて一時金で、現在は重傷なら男女の差が827万円で、女性が5