自分の小説のあとがきとして、自前の解説文を書く作家がいる。 わたしはこうした理由をもって、この小説を着想した。本作のテーマは○○である。そのためにこんな分野の方々に取材して、こんな種類の資料をたくさん読んで、これだけの苦労を重ねながら、本作を書き上げた。さあ読者諸君よ、この○○を描いたわたしの力作を十分堪能してほしい。 そういうことをぺらぺら書いちゃう作家が、いる。たとえ作品そのものが大好きであっても、手前で手前の解説文を書くという無粋で傲慢な態度が、どうも好きになれなかった。「この作品は、こんなふうにいいんだぞ」と言葉を補わないといけない作品は、本質的にダメなんじゃないかと思っていたし、いまも変わらずそう思っている。 ほぼ日のあたらしいロゴができあがり、そのロゴについてデザイナーの佐藤卓さんと糸井重里さんが語り合う、というコンテンツがスタートしたとき、一瞬だけ不安に思った。 「わたしたち