将棋は「指す」、囲碁は「打つ」。間違えがちな動詞の使い分けだが、長らく将棋ファンにとって将棋は「指す」ものであった。ところが、最近では自分ではまったく将棋を指さず、もっぱらプロの対局を「観る」専門のファンが増えている。 いわゆる「観る将」の誕生だ。 ネット配信やモバイル中継、SNSの発展にともなって、「観る将」という言葉はますます一般的になりつつある。そんな「観る将」を自認しているのが、ともに“級位者”のライター・岡部敬史さんと漫画家の「さくらはな。」さん。二人が高野秀行六段に素朴な疑問をぶつけるスタイルが大好評だった『将棋「初段になれるかな」会議』の第二弾として、『将棋「観る将になれるかな」会議』がこのほど発売された。 「観る将」の“好物”は棋士の所作や服装、食べ物、趣味、師弟関係など多岐にわたるが、もちろん盤上の勝負から目をそらすことはない。勝負の行方を見守るために参考になるのが解説だ