興平2年(195年)7月 徐州 下邳 「ぐっ、何をする?!」 「ヘヘヘ、ケガしたくなかったら、おとなしくしな!」 泣きついてきた呂布一味との宴席の最中、ヤツがいきなり俺の首に腕を回し、刃物を突きつけてきた。 それを見た配下が一斉に立ち上がり、俺の周りに集まってくる。 その中から関羽が進み出て、呂布を詰問した。 「一体、なんのつもりだ? 呂布!」 「はっ、見て分かるだろう。俺は劉備ちゃんを人質に取ったんだよ。こいつの命が惜しければ、武器を捨てな」 「ぐぬっ……何が目的だ?!」 「さあな。さすがに俺もこのまま、徐州牧に成り代われるとは思っちゃいねえ。最終的には金や食料で、手を打つかもな。だけどすげなく俺の願いを断った劉備ちゃんには、お灸(きゅう)をすえなきゃなぁ」 「おのれ、なんたる恩知らずな!」 「へっ、なんとでも言え」 そう言って呂布は、ヘラヘラ笑っていた。 おそらくこいつは本当に、深く考