かつて恋物語のメインは「身分違いの恋」でした。決して結ばれてはいけない二人が恋に落ちてゆく様はドラマチックです。ロミジュリです。ところが現代日本を舞台にした作品ではこの「結ばれてはいけない二人」が難しいです。格差社会と呼ばれ経済差はあるようですが、イギリスのように厳格な社会身分差は固定されていないからです。 ですが、同性愛ならそれが成立します。社会的に許されない愛。ここに百合の面白さがあります(同じことはBLにも言えますが詳しくないためふれません)。 さて、「結ばれてはいけない二人」のハードルは2段階あります。 ①二人が受け入れる ②社会が受け入れる 必ずこの順です。でないとドラマ的に面白くないので。そして②が成り立たないから①を難しくしている構造です。 多くの百合作品は①に重きを置きます。どころか①で完結するものが主流です。ドラマ的に①の方が面白いというのもありますが、物語的に②のハード