2023年6月、ひとりの川崎フロンターレサポーターが、自転車で川崎~神戸間の約600kmを完走した。しかしゴール直前、台風2号の影響により、目当てにしていた神戸での試合は中止に。ロードムービーのような“感動の結末”が各所で話題を呼んだ「チャリ神戸」の当事者は、どんな思いでペダルを漕ぎ続けたのか。本人を直撃し、過酷な旅路の内幕を語ってもらった。(全2回の2回目/前編へ) 川崎Fのユニフォームが支えになった 川崎育ちの小野田治矢さんが、川崎フロンターレのサポーターになったのは2019年のことだ。 味の素スタジアムで観たFC東京との多摩川クラシコ(2019年7月14日/第19節)で、完璧とも言える内容で3-0の完勝。会心のゲームにハートを撃ち抜かれた。 「その試合が最高に面白かったんですよ。完全にハマって、すぐに後援会に入りました。3点目を決めた阿部ちゃん(阿部浩之/現・湘南ベルマーレ)のユニフ