経済が鈍化した時、政府が財政赤字を気にすることなくジャンジャン国債を増発して公共投資を増やすことで景気をテコ入れできれば、どんなにいいだろう。そして、その借金返済のためには、ジャブジャブ通貨を発行して返済に充てればいいなんて話があれば、政治家でなくても大喜びで飛びつくはずだ。 もちろん、そんなことをすれば、たちまち通貨の価値は暴落し、インフレが頭をもたげ、市民生活が破壊されるのは必至だ。少なくとも経済学の世界でそれは常識だった。だからこそ、これまでそのような政策は御法度とされ、国家の体を成していない破綻国家や独裁国家以外は、そのような政策は採用されてこなかった。 しかし、今、自国の通貨建ての国債を発行できる国はデフォルトに陥ることを気にせず積極的に国債を発行して景気刺激策を進め、借金の返済は通貨の発行で賄えばいいんだという「経済理論」が、世界中で注目されている。 それがMMT(modern