吉田氏はソニーブランドの流線形のクーペタイプの電気自動車(EV)を紹介し、過去10年間で携帯電話が進化したことを引き合いに、「次のメガトレンドはモビリティーだ」と述べた。70年以上の歴史を持つソニーが自動車産業への参入を表明した瞬間だった。 自動車が自律走行し、電動化し、インターネットに接続されるようになるにつれ、さまざまな異業種企業が参入をもくろむようになった。特に米アップルは、3兆ドル(約400兆円)の自動車市場を破壊するのに必要な技術を持っているとして同市場に賭けている。ソニーもその仲間入りを果たした。 ビッグテックの挑戦に既存の自動車メーカーは恐怖や反発を感じているが、吉田氏の「宣言」は日本で思いもよらないファンを獲得した。当時、ホンダの本田技術研究所社長だった三部敏宏氏だ。 日本の自動車メーカーの中で、ホンダは最もEV販売に積極的で、2040年までに全ての車をEVなどのゼロエミッ