目が覚めると? いや、気が付くとピンクの空が視界に広がっている。 薄い桃色のようなピンク色。 そして、パッションピンクの象が大きな耳で羽ばたいて飛んでいるのが見える。 俺はピンク色だらけの世界に、横たわっていた。 ここはどこだ? 近くには清らかそうな小川が流れていて、メルヘンチックな雰囲気いっぱいの世界。 草も木も雲も、何もかもが、もともとの色にピンク色を帯びている。 まだまだ、夢なのか。 起き上がって、小川と反対方向に歩いてみる。 さっきまでいたゴブリンは消えていて、本当に孤独状態だ。 トボトボ、トボトボ……ただ、ピンク色を帯びた石や木や草が生えてる空間を歩く俺。 家の中にいたのに、さっき貰った高校の時の靴を履いている。 そのお陰で足の裏は痛くない。 さっき、履物を手に入れておいて正解だった。 母に感謝……と思っているのも束の間……。 どこからともなく声がする。 『モルフェウスの世界へよ