今回は、膀胱の機能およびその障害を総論的に述べてみたいと思います。膀胱の働きは、大まかに二つの機能を持っています。腎臓で作られ、尿管を通って流れ込んできた尿を、苦痛なく、ある量を貯めておく働き(蓄尿)と、貯めた尿を一定量以上になったところで、”おしっこをしたい”と感じ、気持ちよく排出する働き(排尿)です。膀胱にいろいろな異常が起こると、この一連の作用が破綻し、いろいろな症状が現れてきます。 まず、普通ならまだ蓄尿している時間中に、膀胱内圧が急に上昇することが起こる(排尿筋不随意収縮)と、おしっこが我慢できなく(尿意切迫)たびたびトイレに行くようになり(頻尿)、時に、トイレに間に合わず、漏れてしまう(切迫性尿失禁)ことになります。最近は、原因のいかんにかかわらず、これらの症状があったら、過活動膀胱と呼んでいます。原因がはっきりしないものが多いようですが、特殊なものとして、尿道の閉塞疾患(前立