沖森卓也(2017)『日本語全史』ちくま新書は、「学部生にリファレンスとしてとりあえず持っておいてほしい本」として抜群のコストパフォーマンスを誇る。 www.chikumashobo.co.jp が、広い分野・時代に亘って記述することの弊害か、特に、著者の直接的な専門ではない(失礼?)中世以降の文法の記述については情報が古いものが目につく*1。 そういうわけで、以下、特に文法の項目について、これは今は通説ではないとか、他にこういう説があるとか、記述が不十分であるとか、そういうことを勝手に補訂して、引くべき例もついでに引く。 外部リンクは、リポジトリのあるものはリポジトリへ、ないものは国語研DBなどへ。教科書・参考書として使っている方の、勝手なサポートページとしてもどうぞ。 [所謂上代特殊仮名遣について]通説では、このような区別をそのまま母音の違いに求め、母音が八つあったと説かれることが多い