群馬大学医学部附属病院で腹腔鏡手術を受けた患者8人が、相次いで死亡していた。 2014年、読売新聞のスクープ記事から、医学界を揺るがす大スキャンダルが明らかになる。亡くなった患者・8人の手術は、いずれも早瀬(仮名)という40代の男性医師が執刀していた。院内調査によって、開腹手術でも10人が死亡していたことが発覚した。 死刑に参加した刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 この一連の取材によって新聞協会賞を受けた読売新聞の高梨ゆき子論説委員の著書『大学病院の奈落』は刊行直後から大きな話題を集め、2023年春に文庫化されて再び読者を広げている。一方、「現場」となった群馬大学医学部附属病院は、第三者委員会の提言などを受けて改革への道を歩んでいる。 「その後」の大学病院の変化を見つめる高梨氏の特別レポート。 患者不在の医療がまかり通った「白い巨塔」から、患者ファーストを