医療政策や医薬品産業への理解が深かった安倍晋三元首相.再生医療についても関心を寄せた=平成25年、福岡市東区の九州大学病院 参院選の演説中に銃撃され、死去した自民党の安倍晋三元首相は医療政策の課題への理解も深く、医薬品産業を経済成長戦略の重要分野として位置づけながら改革を進めた。医療、医薬品産業界ではそのリーダーシップに感謝する声が絶えない。また、安倍氏は難病の「潰瘍性大腸炎」を長く患っていたこともあり、「患者目線で日本の医療制度改革を考えることのできる希有(けう)な存在だった」と改めてその死を悼む声もあがった。 「日本の医薬品産業がイノベーション産業として注目されるきっかけを作ってくださった方。政府が戦略的に医薬品産業を育成する流れができたのも、安倍先生のリーダーシップがあったからこそ」。元厚生労働省医政局長の武田俊彦氏はこう言って惜しんだ。 第1次政権発足時、安倍氏は所信表明演説で、経