2021年10月8日、『カムイ伝』などで知られる漫画家の白土三平が死去した。また、9月24日には劇画家のさいとう・たかを(『ゴルゴ13』ほか)も亡くなっており、この2人の訃報は、多くの漫画ファンに“ひとつの時代の終わり”を否応なく感じさせるものであった。 というのは、この白土、さいとうに、手塚治虫、石森章太郎(※)、水木しげるを加えた5名こそが、日本の青年向け漫画誌の草分け的存在である「ビッグコミック」(小学館)創刊号の執筆メンバーであり、つまり、今年の10月の白土の死去によって、その全員が鬼籍に入(い)ったということになるからだ。 (※)石森章太郎は1985年に「石ノ森」に改名しているが、本稿では「石森」で通す。 そこで本稿では、あらためて、「ビッグコミック」という雑誌の功績について、考えてみたいと思う。 新しい世代の漫画読者の誕生 「ビッグコミック」が創刊されたのは1968年。まだまだ