※下に現代語訳と解説があります。 西村市郎右衛門『御伽比丘尼』[貞享四(一六八七)年刊] 御伽比丘尼 5巻. [4] - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 ※画像は拡大できます。 【原文】 其れが中に中老《ちうらう》の男、此の法度《ほうと》を調《とゝの》ふ。 先《ま》ず、 青《あを》き紙《かミ》を以《も》て行灯《あんどう》を貼り、燈心《とうしん》百筋《ひやくすじ》立てたり。 話一つに燈心《とうしん》一筋《ひとすぢ》づゝ灯し消ちて、百に満つれバ、座中《ざちう》 闇《やミ》となりぬるに定む。 斯《か》くて、一人/\おどろ/\しき物語、語り続けける程に、九十九になれバ、燈心 只《たゞ》一筋の光《ひかり》幽《かすか》に物悲《ものかな》しく、我《われ》かの氣色《けしき》になりて、鼠《ねづミ》の鳴《な》く聲《こゑ