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山下裕毅の検索結果41 - 63 件 / 63件

  • コード専用生成AI「WizardCoder」、米Microsoftが公開 ベースはCode Llama、高い精度を達成

    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Microsoftなどに所属する研究者らは、米Metaが最近リリースしたCode LLM(コーディング専用大規模言語モデル)「Code Llama」をベースにしたコード専用生成AI「WizardCoder」を発表した。 LLMの性能を評価するベンチマーク「HumanEval Benchmark」で、ChatGPT(GPT-3.5)やClaude2を上回る高い精度73.2%を達成し、存在感を示した。唯一下回ったのは、8月26日に同研究者らが計測したGPT-4(82.0%)のみ。ただし、3月に米OpenAIの公式テクニカルレポートが報告したG

      コード専用生成AI「WizardCoder」、米Microsoftが公開 ベースはCode Llama、高い精度を達成
    • 生成AIに“アスキーアート”入りプロンプト入力→有害コンテンツ出力 米研究者らが新手の脱獄法発見

      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ワシントン大学などに所属する研究者らが発表した論文「ArtPrompt: ASCII Art-based Jailbreak Attacks against Aligned LLMs」は、大規模言語モデル(LLM)がアスキーアートを正しく認識できないという脆弱性を利用して、LLMに有害なコンテンツを出力させる新しいジェイルブレーク(脱獄)攻撃を提案した研究報告である。 これまでにも、爆弾の作り方やIDの盗み方、人種差別的なジョーク、詐欺の方法などの有害なコンテンツをLLMに出力させる悪意ある攻撃が提案されてきた。 (関連記事:「銀行を襲う

        生成AIに“アスキーアート”入りプロンプト入力→有害コンテンツ出力 米研究者らが新手の脱獄法発見
      • コインで表か裏が出る確率は“50%ではない?” 49人の研究者が35万回投げて検証 肝は投げる親指の動き

        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2

          コインで表か裏が出る確率は“50%ではない?” 49人の研究者が35万回投げて検証 肝は投げる親指の動き
        • 他人がGPT-4とやりとりしたテキストを盗む攻撃 成功率50%以上 イスラエルの研究者らが発表

          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 イスラエルのネゲヴ・ベン・グリオン大学に所属する研究者らが発表した論文「What Was Your Prompt? A Remote Keylogging Attack on AI Assistants」は、大規模言語モデル(LLM)を活用したAIチャットbotが生成するテキスト回答を復元するサイドチャネル攻撃を提案した研究報告である。攻撃者は、AIチャットbotが応答する際の通信データを傍受することで内容を復元して他人のやりとりを盗み出すことができる。 攻撃方法としては、まずユーザーとLLMの間の暗号化されたパケット通信を傍受するところか

            他人がGPT-4とやりとりしたテキストを盗む攻撃 成功率50%以上 イスラエルの研究者らが発表
          • “HDMIケーブルから漏れる信号”を屋外から傍受→モニターの表示内容を盗み見るAI ウルグアイチームが開発

            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 ウルグアイのUniversidad de la Republica Montevideoに所属する研究者らが発表した論文「Deep-TEMPEST: Using Deep Learning to Eavesdrop on HDMI from its Unintended Electromagnetic Emanations」は、HDMIケーブルから意図せずに放射される電磁波を傍受し、AIを使用して解読することでモニターに表示されている画像を再現する攻撃を提案した研究報告である。 ケーブルを通じて信号が送られる際には、常に一定量の電磁波漏えいが

              “HDMIケーブルから漏れる信号”を屋外から傍受→モニターの表示内容を盗み見るAI ウルグアイチームが開発
            • “牛乳”でマザーボードから「金」を取り出す方法 純度90%以上金塊22カラット相当の抽出に成功

              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 スイスのETH Zurichに所属する研究者らが発表した論文「Gold Recovery from E-Waste by Food-Waste Amyloid Aerogels」は、牛乳を利用して古いコンピュータのマザーボードなどの電子廃棄物(E-waste)から金やその他の金属を抽出する方法を提案した研究報告である。 廃棄したコンピュータのマザーボードには、金やその他の重金属が豊富に含まれており、金を回収する需要は着実に増えている。これらの貴重な金属を回収するための方法が開発されており、現在の金回収方法には、活性炭を使用した吸着法などが一

                “牛乳”でマザーボードから「金」を取り出す方法 純度90%以上金塊22カラット相当の抽出に成功
              • 動いている人が見ると“モザイク”、止まると“モザイクが取れる”技術 東工大と青学が開発

                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 東京工業大学と青山学院大学に所属する研究者らが発表した論文「動いている人の視線だけを惹きつけるモザイク投影手法」は、動いている人が見るとモザイクがかかったように認識され、止まっている人が見ると通常の画像として認識される視線誘導手法を提案した研究報告である。 公共スペースで歩行者に対して広告を提示する際、目指すのは、その広告の前を素早く通過する間に、立ち止まらせて視線を瞬時に指定の箇所へと導くことである。 この目的のため、研究では動いている人にのみ影響を与え、静止している人には作用しない新しい視線誘導手法を提案している。この手法は、画像の特定

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                • 毛がないのに“モフモフ” 毛並みをなでる感触を再現できる装置 東大「FurAir」開発

                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 この手法は「Pseudo-haptics」と空中超音波触覚フィードバックを組み合わせて、柔らかい毛並みの質感を再現する。Pseudo-hapticsは毛並みをなでる際の水平方向の抵抗を模倣し、これは実際の手の動きとVR環境内で視覚的に表現される動きとの間に相違を生じさせることで達成できる。 空中超音波触覚フィードバックは手に対する垂直方向の反応力をパラメトリックスピーカーの配列から発せられる超音波の刺激強度で提示。この方法により、システムの出力パターンを調整するだけで、さまざまな毛並みの触覚を多様に再現できる。 フィードバックの位置は定義の

                    毛がないのに“モフモフ” 毛並みをなでる感触を再現できる装置 東大「FurAir」開発
                  • 中国語のスマホ標準キーボードアプリでキー入力が盗まれる脆弱性 攻撃対象は“10億人規模”と試算

                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 カナダのトロント大学にある研究機関「Citizen Lab」は、中国で広く利用されているキーボードアプリに関する最新の調査報告を公開した。報告書によると、中国の主要なクラウドベースのスマホキーボードアプリに脆弱性が認められたという。この脆弱性が悪用されると、ユーザーが入力した内容(キーストローク)が盗まれる可能性があるとしている。 今回問題になったのは、中国語の入力方式として主流のピンイン(ローマ字入力)に対応したキーボードアプリだ。これらのアプリの多くは、入力した文字列をクラウドサーバに送信し、変換候補を取得する「クラウドベースの予測変換機能」を備え

                      中国語のスマホ標準キーボードアプリでキー入力が盗まれる脆弱性 攻撃対象は“10億人規模”と試算
                    • 「著作権トラップ」――生成AIに作品を“無断盗用”されたか後から証明する方法 英ICLなどが開発

                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英インペリアル・カレッジ・ロンドンなどに所属する研究者らが発表した論文「Copyright Traps for Large Language Models」は、大規模言語モデル(LLM)の訓練データに著作権所有者の作品が含まれているかを特定する方法を開発した研究報告である。これは、著者や出版社が自分の作品にさりげなく印を付け、それがAIモデルで使われたかどうかを後で検出できるようにする用途を目的としている。 LLMの学習プロセスで使用されるデータの中に、著作権で保護された内容が含まれていることが問題視されている。この状況を受け、研究者たちは特

                        「著作権トラップ」――生成AIに作品を“無断盗用”されたか後から証明する方法 英ICLなどが開発
                      • Wi-Fiからスマホの入力キーを盗む攻撃 他人のパスワード取得に成功 中国チームなどが発表

                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の湖南大学、シンガポールの南洋理工大学などに所属する研究者らが発表した論文「Password-Stealing without Hacking: Wi-Fi Enabled Practical Keystroke Eavesdropping」は、Wi-Fiハードウェアをハッキングすることなく、Wi-Fi経由でスマートフォンのキーストロークからパスワードを特定する攻撃を提案した研究報告である。 この方法は、ターゲットとなるスマートフォンと、そのスマートフォンが接続しているアクセスポイントとの間のWi-Fi信号を傍受し、その信号からキー入力

                          Wi-Fiからスマホの入力キーを盗む攻撃 他人のパスワード取得に成功 中国チームなどが発表
                        • 全スマホをタッチ決済対応にする方法 カメラでNFCリーダーを動画撮影すると決済完了

                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 香港理工大学に所属する研究者らが発表した論文「MagCode: Bringing NFC Feature to All Smartphones」は、近接無線通信(NFC)に非対応のスマートフォンでも、カメラでNFCリーダーを動画撮影するだけで決済が可能なシステムを提案した研究報告である。 NFCはスマートフォンでの支払いの主流技術となっている。この技術はApple PayやGoogle Payなどのスマートフォンと、店舗の決済端末との間で短距離のデータ交換を行うもので、非接触型クレジットカードの普及と共に多くの店舗でのNFC利用が増えている

                            全スマホをタッチ決済対応にする方法 カメラでNFCリーダーを動画撮影すると決済完了
                          • “数学特化”の大規模言語モデル「WizardMath」 米Microsoftなどが開発 Llamaモデルを強化

                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Microsoftと中国科学院に所属する研究者らが発表した論文「WizardMath: Empowering Mathematical Reasoning for Large Language Models via Reinforced Evol-Instruct」は、数学的推理能力を強化するモデルを提案した研究報告である。このモデルは、オープンソースの事前学習済み大規模言語モデル(LLM)である「Llama-2」に対して適用することで実現する。 米MetaのLlamaモデルシリーズは、オープンソース革命を引き起こし、クローズドソースのL

                              “数学特化”の大規模言語モデル「WizardMath」 米Microsoftなどが開発 Llamaモデルを強化
                            • 30秒以内に部屋の“隠しカメラ”をスマホで見つける技術 発見精度95%以上 中国などが開発

                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の武漢大学やシンガポールの南洋理工大学などに所属する研究者らが発表した論文「LocCams: An Efficient and Robust Approach for Detecting and Localizing Hidden Wireless Cameras via Commodity Devices」は、スマートフォンを使用して、隠しワイヤレスカメラの検出と位置特定を行う手法を提案した研究報告である。 ユーザーはスマートフォンを検出器として、体の正面に両手で固定して持ち、約5秒間静止した後に右方向に回転する動作を4回実行する。こ

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                              • LLMが別のLLMを何度も改善 より良い回答を出す最適化手法をAIが発見する技術 Sakana AIなどが開発

                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 AIベンチャーのSakana AI(東京都港区)やFLAIR、英ケンブリッジ大学、オックスフォード大学に所属する研究者らが発表した論文「Discovering Preference Optimization Algorithms with and for Large Language Models」は、人間の介入を最小限に抑えて新しい最適化アルゴリズムをAIによって発見する手法を提案した研究報告である。 この手法では大規模言語モデル(LLM)がLLMを利用して自己改善し進化していくことを提案しており、研究者らは「LLM^2」(「LLMの2乗」

                                  LLMが別のLLMを何度も改善 より良い回答を出す最適化手法をAIが発見する技術 Sakana AIなどが開発
                                • 道路標識に「人に見えないレーザー」照射 自動運転車を欺く攻撃 米国と日本の研究者らが発表

                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米カリフォルニア大学アーバイン校、米フロリダ大学、米Toyota InfoTech Labs、電気通信大学に所属する研究者らが発表した論文「Invisible Reflections: Leveraging Infrared Laser Reflections to Target Traffic Sign Perception」は、赤外線レーザーを用いて交通標識にスポット光を照射し、自動運転車の認識システムを誤認させる攻撃を提案した研究報告である。 自動運転車では、車に設置したカメラが捉えた映像を深層学習モデルで分析し、道路標識を識別する。

                                    道路標識に「人に見えないレーザー」照射 自動運転車を欺く攻撃 米国と日本の研究者らが発表
                                  • 「素数」はランダムではない 出現周期に現れる“偏り”とは? 2016年発表の論文を紹介

                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 米スタンフォード大学と米タフツ大学に所属する研究者らが2016年に発表した論文「Unexpected biases in the distribution of consecutive primes」は、長年、ランダムだと考えられてきた素数の出現パターンに、予想外の規則性が存在することを発表した研究報告である。 素数は、1と自身以外で割り切れない数であり、他の全ての数は素数の積で表現できるため、数論の基礎を理解する上で極めて重要である。しかし、ある数が素数であるかどうかを予測する方法は存在

                                      「素数」はランダムではない 出現周期に現れる“偏り”とは? 2016年発表の論文を紹介
                                    • “ビールは冷やす”となぜうまい? 中国の研究者らが調査 アルコール度数と温度の関係に迫る

                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 酒は数千年前から人類が愛する嗜好品の一つだ。キリンホールディングスによると、最古の酒の一つとされうワインは約7000年前から、ビールは約5000年前から作られているという。これらのアルコール飲料の主成分はエタノールと水である。 さまざまな種類があるアルコール飲料だが、白ワインやビールは冷やして飲み、中国でつくられる白酒は温めて飲むのが一般的だ。これは長い歴史の中で経験則として人類の中で引き継がれているが「なぜビールは冷やすとおいしいのか?」のように、度数と温度の関係についての科学的な説明には曖昧な部分が多かった。 そこで研究チームでは度数と温度の関係に

                                        “ビールは冷やす”となぜうまい? 中国の研究者らが調査 アルコール度数と温度の関係に迫る
                                      • 生徒「筆記試験にChatGPTを使ってもよいですか?」 教授「いいよ」 ブラジルの大学が検証 結果は?

                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 この研究では、2023年にブラジルのラヴラス国立大学で行われたHCI(Human-Computer Interaction)の筆記試験において、ChatGPTの使用が許可されたことが背景にある。このHCIコースでは、5年以上にわたり筆記試験で教科書やスライドなどの資料を参照することが許されている(オープンブック試験)。研究の目的は、筆記試験においてChatGPTを学生支援ツールとして使用することの利点と欠点を探求することである。 研究では、試験中に学生がどのようにChatGPTを利用し、それが学生の学習プロセスや理解度にどのように影響を与え

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                                        • 空気中の“1点”だけに音を生み出すスピーカー 中国の研究者らが開発

                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の清華大学や上海交通大学などに所属する研究者らが発表した論文「Meta-Speaker: Acoustic Source Projection by Exploiting Air Nonlinearity」は、超音波を使って何もない空気中の1点だけにに音を作り出すスピーカー・システムを提案した研究報告である。このシステムでは、音が鳴る範囲や場所をきめ細かくコントロールできる。 音場を操作する方法として、音波の動きを制御する方法が存在する。この操作は通常、空間に配置された複数のスピーカーを必要とする。音波の組み合わせを工夫することで、1つ

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                                          • ワイヤレス充電器を乗っ取り、スマホを過剰加熱→破損させるサイバー攻撃 米研究者らが開発

                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米フロリダ大学とセキュリティ企業CertiKに所属する研究者らが発表した論文「VoltSchemer: Use Voltage Noise to Manipulate Your Wireless Charger」は、電源アダプターからの電圧ノイズを悪用してワイヤレス充電器を乗っ取り、充電中のスマートフォンや周囲のデバイスに対してさまざまな攻撃を行う手法が提案した研究報告である。スマートフォンへの過剰な加熱を引き起こし、それによってデバイスを破損させることもできる。 ワイヤレス充電器は、電磁場を利用して一方のデバイスから別のデバイスへエネルギ

                                              ワイヤレス充電器を乗っ取り、スマホを過剰加熱→破損させるサイバー攻撃 米研究者らが開発
                                            • “どの次元”でも車輪のように転がる“球以外の図形” カナダの数学者らが発見 体積は常に球より小さい形状

                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 カナダのマニトバ大学などに所属する研究者らが発表した論文「Small volume bodies of constant width」は、どんな次元でも一定の幅を保ちながら、球よりも小さい体積を持つ図形を発見した研究報告である。 「定幅図形」とは、円や球のように転がした時に高さが変わらない(どの方向から見ても幅が同じ)図形である。円や球とは別の例として、曲線の辺を持つ「ルーローの三角形」が挙げられる。またイギリスでは、20ペンスや50ペンス硬貨の形状として知られる正七角形の曲線版も同様の特性を持つ。定幅図形であることにより、これらの硬貨はどの方向から挿

                                                “どの次元”でも車輪のように転がる“球以外の図形” カナダの数学者らが発見 体積は常に球より小さい形状
                                              • AIが生成する画像を「ネコ」にするサイバー攻撃 絵師らを守る技術「Nightshade」 米シカゴ大が開発

                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米シカゴ大学に所属する研究者らが発表した論文「Nightshade: Prompt-Specific Poisoning Attacks on Text-to-Image Generative Models」は、生成AIモデルの無断学習を抑止するために、学習されても予期せぬ動作をAIモデルに生成させる毒入りデータに画像を変換するツールを提案した研究報告である。 この攻撃は「Nightshade」と名付けられ、約200枚の細工画像をモデルの学習データに紛れ込ませるだけで、特定の単語に関連する画像生成を高確率で操作できてしまう。 攻撃者は特定の単

                                                  AIが生成する画像を「ネコ」にするサイバー攻撃 絵師らを守る技術「Nightshade」 米シカゴ大が開発