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ボーアとアインシュタインに量子を読む――量子物理学の原理をめぐって 作者: 山本義隆 出版社: みすず書房 発売日: 2022/9/12 山本義隆さんといえば、毎日出版文化賞と大仏次郎賞をダブル受賞した『磁力と重力の発見』をはじめ、『十六世紀文化革命』や『世界の見方の転換』など、浩瀚な科学史の著作がまず頭に浮かぶ。だから、このたびの『ボーアとアインシュタインに量子を読む』も、量子物理学の歴史の本なのだろうと予想して手に取った。 ところがページを開くなり、その予想はハズレたことを知った。山本さんは「はじめに」の冒頭で、こう宣言していたのだ。 本書は、物理学の書です。記述は歴史的でもあり、時に哲学者の言説にも触れていますが、しかし量子力学史ではなく、ましてや科学哲学の書でもなく、基本的には量子物理学の原理的な理解のための書です。 「あ、そうなんだ。物理学の本なんだ」と、わたしは頭を切り替えてペ
(みすず書房・1980円) 技術と経済成長、戦後神話の呪縛 原発事故とコロナパンデミックという二つの体験から、多くの人が大量消費と一極集中に象徴される成長主義への疑問を持つようになったのではないだろうか。 物理学を学んだ科学史家として近代日本を科学技術を切り口として批判の眼(め)で見てきた著者もその一人である。そして今後の社会の構築にあたり、科学技術立国を謳(うた)い、世界での競争に勝つことを求めて進めてきた不合理なプロジェクトの見直しが重要であると指摘する。その象徴として取り上げたのが、リニア中央新幹線計画だ。評者も以前からこの計画には技術と発想に問題を感じていたのだが、本書で実態を知り多くを学んだ。技術、自然環境、経済、社会、政治と検討は多岐に渉(わた)る。 「超電導磁気浮上式高速鉄道」であるリニアは、時速500キロが可能な世界初の鉄道ということを唯一の利点とし、他は問題山積と指摘され
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