1.パルスオキシメーターと心電図が用いられる背景 ヒトは生後間もなく成人の血液循環となり、体循環系と肺循環系に分けられる。体循環系の血液は左心室→大動脈→小動脈→全身の毛細血管→小静脈→大静脈→右心房の順に流れ、その後は肺循環系に入り、右心室→肺動脈→肺の毛細血管→肺静脈→左心房の順で流れる。そして再び血液は体循環系に入り、約50秒で全身を一循する。血液の流れはすべて心臓のポンプ作用に委ねられる。動脈系では左心室の厚い筋肉が全身に酸素化された血液を押し出し、静脈系では右心室が左心室の駆出した血液と同量の低酸素血液を吸い上げ、肺循環に押し出す。肺循環系に入った血液は、毛細血管の内皮細胞が呼吸細気管支に付着する肺胞(上皮)細胞の基底膜と接しているため、肺胞中に二酸化炭素を出し、酸素を受け取る。それ故に呼吸循環系の合併症を持つ有病者では、肺での酸素化状態を見るパルスオキシメーターと心臓の電気的動