1989年に漫画家・士郎正宗の連載が始まった『攻殻機動隊』。映像化の歴史は押井守が手がけた1995年公開の劇場アニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』から始まった。同作は日本はもちろん海外での評価も高く、続編となる『イノセンス』も含めて今なお多くのクリエーターに影響を与えている。「映像化するなら自分が向いていると思っていた」と語る鬼才が、『攻殻機動隊』の世界観をアニメーションで表現する貫いたこだわりとは? 制作時の苦労話や名シーンを巡る赤裸々な裏事情を語ってもらった。 ーー『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』や『イノセンス』を制作する過程で原作者の士郎正宗さんから意見をもらうことはありましたか? 押井守(以下:押井) 基本的には何もなかったです。映画を作る前に会いに行ったときも、「好きにやってください」と言ってもらったくらいで、内容に関する具体的な