いつ「有事本番」が起きてもおかしくない国際政治の現実 世界がコロナ対策に気を取られている最中、尖閣諸島では中国の活動が活発化している。5月に入って連日、日本の領海への中国船の侵入が続いており、中国公船が日本の漁船を追尾する事案も発生している。 もちろん、中国船の日本の領海への侵入はそれ以前からも続いていたのであるが、最近になって活発化しているのは、3月に米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」の艦内で新型コロナウイルスの感染者が発生し、太平洋上での監視活動の一時中断を余儀なくされたことも関係していると見られる。 国際政治において、「力の空白」が発生すると、すぐにそれを埋めようとする勢力が現れるのは、世界中を覆うパンデミック(疫病の世界的大流行)の最中でも全く変わらない。 シビリアン・コントロールの要としての国家安全保障会議 私は、第2次安倍政権における外政担当内閣官房副長官補として、2014