中国で、男性同士の恋愛を描いたボーイズ・ラブ(BL)作品が人気を集めている。どのように検閲を潜り抜けているのか。『BLと中国』(ひつじ書房)を書いた立命館大学政策科学部の周密助教に、ジャーナリストの高口康太さんが聞いた――。(後編/全2回) 中国BLは「ネットの掲示板」から生まれた 中国BLの起点は1990年代にさかのぼる。 CLAMPの『聖伝』『東京BABYLON』などのマンガが中国に入り、1999年には雑誌『耽美季節』が創刊された。この雑誌は日本のBL作品を翻訳、紹介する内容だったが、同じく1999年に中国のBL作品も誕生している。 ネット掲示板で発表された「世紀末,最後的流星雨」(世紀末、最後の流星雨)が初の作品と言われる。「スラムダンク」の流川楓と仙道彰を主人公とした二次創作作品だ。 『BLと中国 耽美(Danmei)をめぐる社会情勢と魅力』(ひつじ書房、2024年。以下、『BLと