並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 40 件 / 98件

新着順 人気順

石川博品の検索結果1 - 40 件 / 98件

  • だいたい一年以内に刊行されたオススメの単巻ラノベ10選(石川博品抜き) - WINDBIRD::ライトノベルブログ

    ライトノベル読まない人に単巻ライトノベルをオススメしてみた。 - 本読んで、音楽聴いて という記事を読んだ女子中学生が「石川博品ばっかりじゃん!」って怒ってたので石川博品抜きで10作品ほど挙げてみる。しかし「カマタリさん」と「ヴァンパイア・サマータイム」を挙げておいて「後宮楽園球場」を挙げないのは何故なんだ。「ライトノベル読まない人」向けじゃないからか。いや「女装+後宮+野球」の分かりやすいインパクトこそライトノベル読まない人向けじゃないのか。まあいい。 後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール|スーパーダッシュ文庫 後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール (集英社スーパーダッシュ文庫) 作者: 石川博品出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/12/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (19件) を見る 結局石川博品紹介してんじゃねーかというツッコミはスルーして10作品並べて

      だいたい一年以内に刊行されたオススメの単巻ラノベ10選(石川博品抜き) - WINDBIRD::ライトノベルブログ
    • 石川博品『冬にそむく』 - Close To The Wall

      冬にそむく (ガガガ文庫) 作者:石川博品小学館Amazon『ボクは再生数、ボクは死』以来、石川博品ほぼ三年ぶりの新刊。異常気象で年中雪が降る「冬」が訪れた世界の三浦半島のある町を舞台に、冬の冷たさと雪に閉ざされた閉塞感のなかで、それでも高校生の恋人同士がデートを重ね、かまくらや小さな部屋や布団のなかで二人だけの温度を確かめ合いながら生きる理由を見つけ出す青春小説。 しばしば授業がリモートになる「冬」の設定は明らかにコロナ禍の小説的変奏で、コロナ禍を人との交流そのものは阻害されない形に変形して、見えない恐怖を雪という徐々に降り積もって歩くことすら困難にさせるものへと物質化し、諸々の困難を子供たちの閉塞感を描くために小説的に操作しやすいものにしている。初めての事態に不慣れな授業を受けざるを得ず割を食ってる世代の二人を通して、終盤の展開に直に現われているけれどもそんな子供たちのこの灰色の世界へ

        石川博品『冬にそむく』 - Close To The Wall
      • 石川博品フェアと星海社行きが決定して騒然となる石川クラスタ

        カルト的人気を誇るラノベ作家・石川博品。『後宮楽園球場』打ち切りの悲劇から一転、ファミ通文庫作品の電子化と増刷で「希望」を掴んだ石川クラスタは、驚愕のニュースを立て続けに目の当たりにする――。

          石川博品フェアと星海社行きが決定して騒然となる石川クラスタ
        • 成長物語くそくらえ - 石川博品『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』 - 魔王14歳の幸福な電波

          読んでよかったー! 「ライトノベルって何ができるの? 既存のジャンルを縮小再生産して萌えを振りかけた寄せ集めじゃないの?」って聞かれたら、今度からこの小説を突き出してやります! ひと昔も前、他のジャンルも読めるのにあえてライトノベルを読んでいたような時、私はきっとこういう作品を求めていたんだろうなと思います、ほんと。 最近は年に数冊しかライトノベルを読まなくなったので、私が本作に出逢えたのは幸運な巡り合わせだったと思います。購入のきっかけになった紹介を書いてくれた人にはお礼を言いたいくらいなのですが、肝心な記事の在処が忘却の彼方なのが残念です。あ、あと物忘れのひどい私が積読状態の本作のことを思い出して実際読むまでこぎ着けたのは、だいたいid:srpgloveさんの不定期なネルリ推しのおかげでだと思うので、こちらもお礼を言っておきます。どうもありがとうございました。 内容あらすじ。ソヴィエト

            成長物語くそくらえ - 石川博品『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』 - 魔王14歳の幸福な電波
          • 石川博品 - 「耳刈りネルリ」シリーズ - Close To The Wall

            耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫) 作者: 石川博品,うき出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2009/01/30メディア: 文庫購入: 25人 クリック: 293回この商品を含むブログ (82件) を見るこのブログでラノベ記事を上げるのは初めてだ。 嗚呼、素晴らしき3巻ラノベの世界 - ディドルディドル、猫とバイオリン アクロバットな異世界FTラノベ「耳刈ネルリ」シリーズ - Togetter 全く知らない作品、作家だったけれど、この人が面白そうに紹介していて、またどうもソ連みたいな多民族が混在する学園生活、というのが基本設定だと言うことを知り、東欧関係を調べていた時だったので俄然興味がでてきたのだった。 で、これがとても面白い。いかにもオタクな妄想トークが暴走したりするトリッキーな語りは今風なんだと思うけど、物語的にはむしろ王道の、あるいはほとんど古風な学園もの

              石川博品 - 「耳刈りネルリ」シリーズ - Close To The Wall
            • 稀代のライトノベル冒険家・石川博品 デビュー10周年万歳万歳万々歳|即席

              ※このnoteは全文無料で読めます。 あっという間にネルリ10周年イヤーだなんて、年を取るのはイヤー!(耳だけに) いきなりこんなギャグを飛ばすラノベ作家がいたとして、あなたはその著作を面白いと判断できるだろうか。私は「そういうのは間に合ってますんで……」と及び腰になってしまいそうだ。しかし、そんなあらすじでもって世に出たのが我らが石川博品だった。 僕はレイチ。元モグラ(詩的表現、元気いっぱいに!)。 今年から第八高等学校に入学する将来のモテメン(希望込み)。っていうか適当に平和にやりつつ、好きな植物でも愛でて妄想の中で暮らしていきたかったのに、クラスメイトは異文化流モラルハザードなヤツばっか! 僕はインモラル以外食さねーっつってんだろ! とくに何なの? この幼女? ネルリ? 耳刈? せっかくの高校生活、痛いのはイヤ―!(耳だけに) 第10回えんため大賞優秀賞受賞作品!だから、第一印象はそ

                稀代のライトノベル冒険家・石川博品 デビュー10周年万歳万歳万々歳|即席
              • 「反卒業小説」の傑作‐石川博品『四人制姉妹百合物帳』 - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない

                どちらが正しいというのではない。ただ、そうした大きな物語からはずれたところにしかサロンの親密さは存在しえないのだ。 石川博品、という作家がいる。 石川博品 - Wikipedia 石川 博品(いしかわ ひろし、1978年 - )は、日本の小説家。ライトノベル作家。岩手県出身。 2008年に『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』で第10回エンターブレインえんため大賞小説部門優秀賞を受賞し、翌年出版された同作でデビュー。 デビュー作から始まる「耳刈ネルリ」シリーズは、旧共産圏(ロシア及び中国)をモデルにしたと思われる架空の連邦国家に存在する全寮制の学園を舞台に、異文化の衝突と融和を主人公の少年レイチの的確且つ内省的且つあまりにも奔放な語りを通して描いた異色の異世界青春小説として、一部の読者から圧倒的な支持を得た。 以後、自他共に認める「クズ」の少年が未来人の技術によって時間を繰り返し、とある姉妹と

                  「反卒業小説」の傑作‐石川博品『四人制姉妹百合物帳』 - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない
                • 先生とそのお布団(石川博品) - カクヨム

                  底辺ラノベ作家・石川布団と人語を解する猫・先生のラノベ新企画をめぐる苦悩と法悦の日々。 (このお話はフィクションですのであまり真に受けないでくださいね) 書籍化が決まりました。ガガガ文庫さんから2017年11月17日発売予定です。

                    先生とそのお布団(石川博品) - カクヨム
                  • 平家さんって幽霊じゃね? 石川博品×nauribon - ファミ通文庫◆FB Online◆

                    本ホームページに掲載の文章・画像・写真などを無断で複製することは法律上禁じられています。すべての著作権は株式会社KADOKAWAに帰属します。 ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら。https://aebs.or.jp/

                      平家さんって幽霊じゃね? 石川博品×nauribon - ファミ通文庫◆FB Online◆
                    • 耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳  石川博品  うな(゜◎゜) - うな風呂

                      おっさんみたいな美少女と妄想垂れ流し少年の全体主義系学園ラブコメディ。 完全に奇書。 ラノベ界にたまにあらわれる「お前なに考えてこんなもん書こうと思ったんだよ」としかいいようがない奇書。 エリート官僚のぼんくら息子が王侯貴族たちの集う学園で野蛮で奇矯な姫に出会って振り回される――とまとめると、なるほど、ラノベによくあるタイプの話にも思えるが、いや、なんか違うんですよ、全然。それでいてラノベでしかできない作品なんですよ。 まずは一読して文章の異常なテンションに圧倒される。一見、うわっすべりな漫画パロやネットスラングの塊にしか見えないんだが、これがあまりにも徹底されていて、一行たりとも無駄にせずネタを入れてくる姿勢には笑いというより狂気と恐怖を感じるほど。そしてドタバタ学園コメディの態をとってはいるが、ストーリー自体はわずかな失言が命の危険につながり、誰が味方で誰が敵かわからない全体主義国家の

                        耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳  石川博品  うな(゜◎゜) - うな風呂
                      • 石川博品「ボクは再生数、ボクは死」 VR世界で繰り広げる大抗争|好書好日

                        薄給にあえぐ会社員・狩野(かのう)忍、28歳。しかし一度、VR(仮想現実)世界にログインすれば、彼は「世界一カワイイ」美少女シノになる。軽自動車1台分の金額をつぎ込んだアバター(VRにおける自分の分身)をまとい、夜な夜なVR風俗に通うシノ。だが、お気に入りのVR風俗嬢・ツユソラが一晩100万円の超高級店に移籍してしまったことで、シノは彼女と再会する資金を稼ぐため、動画配信を始めることになる……。 CGやイラストで描画されたキャラクターをアバターとしてYouTubeなど動画投稿サイトで配信を行うバーチャル・ユーチューバーは、キズナアイを筆頭に、すっかりネットに定着した。VR用の美少女アバターを手に入れることを指して「バ美肉」(バーチャル美少女受肉の略)なる言葉も生まれている。 『ボクは再生数、ボクは死』はそんなVR文化が題材の作品だ。著者・石川博品(ひろし)は、旧ソ連風の全体主義国家で少数民

                          石川博品「ボクは再生数、ボクは死」 VR世界で繰り広げる大抗争|好書好日
                        • 熱狂的なファンを持つ石川博品最新作「後宮楽園球場」の続刊打ち切りの報を聞き嘆く人々 - ミグストラノート

                          後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール (集英社スーパーダッシュ文庫) 作者: 石川博品,wingheart出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/12/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (17件) を見る 『後宮楽園球場』の続きは出ません。 - 主ラノ^0^/ ライトノベル専門情報サイト によりますと,『後宮楽園球場』の続刊はでないそうです.Amazonに投稿されたレビューに,石川先生に続きが出るかメールで聞いた方がおられまして.そしたら出ないということだそう. 石川博品先生の作品はライトノベル読者の中で,高く評価されており,例えばデビュー作となった「耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳」に続くシリーズでは,ネルリストという熱狂的なファンを作り出し,その後に出した作品でも,単巻ながら高い評価を受けていました. しかし,ネルリシリーズ以降単巻が続きました.これはシリーズ物が一般的

                            熱狂的なファンを持つ石川博品最新作「後宮楽園球場」の続刊打ち切りの報を聞き嘆く人々 - ミグストラノート
                          • 石川博品のおしゃべりブログ

                            ライトノベル作家石川博品(いしかわ・ひろし)のブログ twitter:@akamitsuba メール:akamitsuba☆gmail.com(☆→@) 『海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと』コミカライズ(漫画:草葉) 1・2巻 キルタイムコミュニケーション 2023『冬にそむく』 ガガガ文庫 2023『ボクは再生数、ボクは死』 KADOKAWA 2020「たとえぼくたちの青春ラブコメがまちがっていたとしても、」(『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。アンソロジー4 オールスターズ』ガガガ文庫 2020)「その答えは風に吹かれている」(『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。アンソロジー1 雪乃side』ガガガ文庫 2020) 『夜露死苦! 異世界音速騎士団"羅愚奈落" ~Godspeed You! RAGNAROK the Midknights~』 同人誌 2018 『海辺の病院

                            • 『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』(石川博品/ファミ通文庫) 「ネルリ・オア・ダイ」 - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない

                              2009年のラノベ3大ニュースと言えば、その1「ネルリ(石川博品先生)登場」、その2「ネルリ完結」、そして三つ目は「みなさんで活動写真のおしまいのありふれた舞踏か何かを使ってご勝手にご完成をねがうしだいであります」(宮沢賢治「ビジテリアン大祭」)といった具合にネルリ一色であり、まさにネルリ元年と呼ぶにふさわしい年でした。で・し・た。そんなわけで、いやしくもラノベ読みを自認する者であれば、『ネルリ』全三巻を通読しているのが当然のたしなみ、世界の選択なわけですが、どうもどこからか「『ネルリ』って、なに?」という声が聴こえてきているような気がしないでもないので、改めて『ネルリ』シリーズについて簡単にご紹介しておきたいと思います。舞台となるのは、旧共産圏風の連邦国家にある全寮制の高校。平凡な少年レイチがそこで出会ったのは、連邦内の王国の一つシャーリックの王位継承者である少女ネルリだった。文化の違い

                              • 『街道と犬ども』石川博品|日常の謎|webメフィスト|講談社文芸第三出版部|講談社BOOK倶楽部

                                小仏峠を越えたあたりからなぜか犬に吠えられるようになった。 このところ甲州街道を歩いている。高尾山を相模湖の方におりたとき、駅前に「甲州街道」という道路標識があるのを見て「近所を走っているあの道がここまで通じているのか」と不思議に思ったのがきっかけで、昨年日本橋から諏訪まですこしずつ歩いて踏破し、今年は二度目に挑戦中だ。 何が楽しくて歩いているのかと訊かれれば答えに窮する。舗装路が中心なのでアウトドア派の人には退屈だろう。歩いているそばをひっきりなしに車が通るので、思索に耽ろうにも集中できない。頭に浮かぶことといえば「あんよが痛いよぉ」とか「かむかむレモンおいちい」といったことくらいだ。 それでも道端に腰をおろして刈り入れの済んだ田の面を見晴るかしながら水筒の水など飲んでいると胸のすく思いがする。木の枝から鳶が二羽飛び立ち、競い合うようにして空をのぼっていく。鳶といえば翼をひろげて高い空を

                                  『街道と犬ども』石川博品|日常の謎|webメフィスト|講談社文芸第三出版部|講談社BOOK倶楽部
                                • 読もう!メロディ・リリック・アイドル・マジック(石川 博品)! - orangestarの雑記

                                  わたしをブログのネタにしたのと引き換えに、小島アジコ先生あたりコレ読んで感想書いてくれねーかなーとかちょっとだけ思ったり。— JC2システム (@srpglove) 2016年7月23日 メロディ・リリック・アイドル・マジック (ダッシュエックス文庫) 作者: 石川博品,POO出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/07/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る よんでちゃんと感想を書きたいけれども、いま、忙しくて本を読んでいる時間がないので! あと、ラノベは初動が大事ですので! ラノベは初動が大事ですので! 自分の観測範囲では面白いと評判です! あとでちゃんと読んで感想を書きます! ラノベ天狗を信じて、読んでください!

                                    読もう!メロディ・リリック・アイドル・マジック(石川 博品)! - orangestarの雑記
                                  • 『クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」成功法』ファミ通文庫11月刊に石川博品新作 - 主にライトノベルを読むよ^0^/

                                    2chライトノベル板より 611 イラストに騙された名無しさん [sage] 2011/09/26(月) 18:35:47.56 ID:J2dJz76E 2011-11-30 クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」成功法 ファミ通文庫 (著者)石川博品/(イラスト)一真 651円(本体620+税) http://www.enterbrain.co.jp/schedule/index.html 612 イラストに騙された名無しさん [sage] 2011/09/26(月) 18:41:03.33 ID:anfiaYBq 新刊じゃあ〜 613 イラストに騙された名無しさん [sage] 2011/09/26(月) 18:48:42.08 ID:tWsk+PlJ っしゃきたあああ 614 イラストに騙された名無しさん [sage] 2011/09/26(月) 18:55:14.44 ID

                                      『クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」成功法』ファミ通文庫11月刊に石川博品新作 - 主にライトノベルを読むよ^0^/
                                    • 女装少年がハーレムで野球 石川博品の怪作『後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール』 - 主ラノ^0^/ ライトノベル専門情報サイト

                                      ハーレム物ばかりと嘆かれるラノベ界でガチの後宮小説を書くのは石川博品ぐらいだろうし、さらにその後宮で野球をやらせようなんて考えるのは小説界の中でも石川博品ただ一人だろうし、そんな素っ頓狂な内容を傑作に仕上げてしまえるのは世界ひろしと言えども石川博品だけだろう。 後宮に女装して忍び込んだ少年が野球をするという改めて文字に起こしてみるとだいぶおかしな話なのだが、読み進めてみるといつのまにか設定にほとんど違和感を感じなくなる。まるで手品だ。 最初こそ女の野球を下に見る主人公だが、すぐその認識を改める。 どの登場人物も全力なのだ。味方チームも敵チームもギャラリーでさえも、誰一人として茶化すものなどいない。みな真剣に挑んでいる。皇帝の寵愛を受けるという志を胸にして…。 そしてそんなぶっとんだ設定以上に魅力的で、人を惹きつけてやまないのが、主人公である海功こと香燻である。 14才の少年である海功は、皇

                                        女装少年がハーレムで野球 石川博品の怪作『後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール』 - 主ラノ^0^/ ライトノベル専門情報サイト
                                      • 石川博品『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』 - オネミリエ

                                        耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫) 作者: 石川博品,うき出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2009/12/26メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 223回この商品を含むブログ (35件) を見る もし自分が小説を書くことができるなら、こういうものを一度は書いてみたいと思ったシリーズだった。もちろん僕にはそんな才能はないから、代わりにこのシリーズの成功(売上的にはどうか知らないけど、創作物としては紛れもない成功)をとてもめでたいことだと喜ぶ。 ネルリというキャラクターの新鮮味に魅せられた1巻、演劇と文学の記憶を心地よく掻き立てられた2巻に続いて、最終巻ではロシアで過ごしていた頃の生活と精神状態の感触そのものが思い出されてきて、懐かしくてなかなか読み進められないほどだった。もちろん小説で描かれている世界は僕の記憶とは何の関係もない虚構のもので、僕が勝手に共鳴し

                                          石川博品『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』 - オネミリエ
                                        • 石川博品の小説『メロディ・リリック・アイドル・マジック』、通称メロリリを回顧する - 忘れないために書きます

                                          この間、引越し準備のために本棚を整理していて、石川博品の小説『メロディ・リリック・アイドル・マジック』、通称メロリリを発見し、ついページをめくっていると、2年半ほど前に発売されたときに読んだ記憶がよみがえってきた。 当時、読んでいる途中に連想したのが同じ著者のネルリ2巻で(最も好きな作品だ)、歌えや踊れやのお祭り騒ぎがまどろっこしい現実をかき消すところがいかにもだった。 なによりも小説のなかに詩が埋め込まれている。これがネルリ2巻でなくてなんなのか。 実際、石川博品も言っている。 そういうわけで『ネルリ』2巻にはたいへん思い入れがあるのですが、今度の『メロリリ』はその再現といいますか、あの祝祭的なムードを日常生活の中に持ってくることを目指して書きました。 — 石川博品 (@akamitsuba) July 18, 2016 一見して、作品構造がハレムリーグやネルリシリーズに似ている。要する

                                            石川博品の小説『メロディ・リリック・アイドル・マジック』、通称メロリリを回顧する - 忘れないために書きます
                                          • ポストネルリティーズ――石川博品以後のライトノベル 石川博品『ヴァンパイア・サマータイム』(ファミ通文庫) - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない

                                            タイトルは釣りです。こんにちは。暑いですね。夏ですね。夏には夏の夏ラノベ、ということで、今回紹介するのは、石川博品の長編の単著としては五冊目、シリーズを一作とカウントするなら三作目となる『ヴァンパイア・サマータイム』です。ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)作者: 石川博品,切符出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2013/07/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る人間と吸血鬼が、昼と夜を分け合う世界。山森頼雅は両親が営むコンビニを手伝う高校生。夕方を迎えると毎日、自分と同じ蓮大附属に通う少女が紅茶を買っていく。それを冷蔵庫の奥から確認するのが彼の日課になっていた。そんなある日、その少女、冴原綾萌と出会い、吸血鬼も自分たちと同じ、いわゆる普通の高校生なのだと知っていく。普通に出会い、普通に惹かれ合う二人だが、夜の中で寄せ合う想いが彼らを悩ませていく…

                                            • Amazon.co.jp: 耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫 い 4-1-1): 石川博品 (著), うき (イラスト): 本

                                                Amazon.co.jp: 耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫 い 4-1-1): 石川博品 (著), うき (イラスト): 本
                                              • 『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』石川博品著 - 法華狼の日記

                                                一部ライトノベル界隈の絶賛評を見て、期待しながら読んだ作品。2009年に刊行された著者のデビュー作にしてシリーズ第一作。 確かに巧いとは思ったし、楽しんで読めた。 入学したばかりの学園が舞台という定石をベースに、いかにもインターネット受けしそうなパロディや、青少年の下半身を刺激するドリームが語られながら、国際政治を背景とした学園内の権力争いが展開される。 十人超のクラスメイトが個別に動き、委員会など他勢力も複雑にからみあいながら、状況はよく整理され、キャラクターごとの濃淡もはっきりしていて読みやすい。 しかし、ツッコミとドリームを交互に続ける主人公の一人称で、乱痴気騒ぎを引き起こす破天荒な少女が描かれる本筋は、オーソドックスなライトノベルそのもの。 すぐ妄想にふけりながら状況がわかりやすい一人称のバランスは巧みだが、基本はありがちなライトノベル文体であることは確か。クライマックスでシリアス

                                                  『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』石川博品著 - 法華狼の日記
                                                • 『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』石川博品著 - 法華狼の日記

                                                  『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』石川博品著 - 法華狼の日記 『耳刈ネルリと奪われた七人の花婿』石川博品著 - 法華狼の日記 これにて三部作が完結。デビュー作品をシリーズ化して、こんなにまとまりある作品にできるとは。 一種の予言書を軸にして物語がつむがれていくわけだが、はっきりと予言が外れる描写はないまま、踊らされたり反発したりする人々を時にコミカルに、時にサスペンスフルに描く。そうして予言を足がかりにして未来が作中世界に確かにあるのだと感じさせ、主人公達の将来へも自然と興味がいくよう読者を導いていく。 学園物において、卒業して数年後の後日談や、子供達の未来図が描かれる作品は、まれにある。だが、別離と成長の痛みを感じさせながら、将来の可能性を開いたままにしていると感じさせて終わった作品は、滅多に見ない。 やや展開が単調だった第一作とは異なり、伏線的な描写が機能していて物語にうねりがあって

                                                    『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』石川博品著 - 法華狼の日記
                                                  • サークル石川博品、夏コミ当選! 石川妹「コミケ効果で2倍、はらさんファン殺到でさらに2倍、そこにいつもの3倍の回転を加えれば……よし、1200万部刷ろう!」

                                                    『海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと』コミカライズ(漫画:草葉) 1・2巻 キルタイムコミュニケーション 2023 『冬にそむく』 ガガガ文庫 2023 『ボクは再生数、ボクは死』 KADOKAWA 2020 「たとえぼくたちの青春ラブコメがまちがっていたとしても、」(『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。アンソロジー4 オールスターズ』ガガガ文庫 2020) 「その答えは風に吹かれている」(『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。アンソロジー1 雪乃side』ガガガ文庫 2020) 『夜露死苦! 異世界音速騎士団"羅愚奈落" ~Godspeed You! RAGNAROK the Midknights~』 同人誌 2018 『海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと』 KADOKAWA 2018 『あたらしくうつくしいことば』 同人誌 2017 『先生とそのお布団』 ガガガ文庫 20

                                                    • 石川博品『ヴァンパイア・サマータイム』 - オネミリエ

                                                      ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫) 作者: 石川博品,切符出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2013/07/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (31件) を見る 確かネルリが出たときに、こんなマニアックな設定ではなくてもっと普通の高校生の学園恋愛物が読んでみたい、みたいな声がちらほらあった気がするが、その答えがこれなのか。これまでの作品(と言っても2作くらいしかないが)ではうまく抑制されていた恋愛のドキドキ感の描写が今回は全開。直球すぎて甘ったるくて、代わりにユーモアは控えめ、という意味では親しみにくいデザインになっているのだろうけど、その代わりに夏を描く上で必要な皮膚感覚的な季節感や時間感覚にじっくり集中することが出来るのだろう。というわけで、今回もまたテーマと文体が調和がうまくて、ストーリー的に小さくまとまったけどおもしろかった。 中学生になって初めて中間

                                                        石川博品『ヴァンパイア・サマータイム』 - オネミリエ
                                                      • 石川博品 - メロディ・リリック・アイドル・マジック - Close To The Wall

                                                        メロディ・リリック・アイドル・マジック (ダッシュエックス文庫) 作者: 石川博品,POO出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/07/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る久しぶりに出てすぐの石川博品の新作を読めた(なお一月遅れ)のでざっと書いておきたい。アイドル、というのは意外な方向から来たな、と思ったけれども、読んで見るとまさしく石川博品としか言いようのない、しかしこれまで以上にポップな作品になっていて、既に言われているようにとても入りやすい、そして石川作品としても相当上位という出来になっている。 パンクな抵抗精神と、さまざまなネタを突っ込むコミカルかつ繊細な文体、女性キャラが総じて攻めのセリフを吐きまくるヒロインの魅力などとともに、懸隔のある二人を描くラブコメの手法、親との関係など、これまでの石川作品にもあった要素がそれぞれバランス良く取り込まれた、非常に

                                                          石川博品 - メロディ・リリック・アイドル・マジック - Close To The Wall
                                                        • Amazon.co.jp: 後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール (スーパーダッシュ文庫): 石川博品 (著), Wingheart (イラスト): 本

                                                            Amazon.co.jp: 後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール (スーパーダッシュ文庫): 石川博品 (著), Wingheart (イラスト): 本
                                                          • 石川博品『耳刈ネルリ拾遺』 - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない

                                                            かつて、ネルリがあった。 『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』(石川博品/ファミ通文庫) 「なんで大賞じゃねえの?」 - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない 『耳刈ネルリと奪われた七人の花婿』(石川博品/ファミ通文庫) 「なんで『あっち』の方が注目されてんだろ」 - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない 『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』(石川博品/ファミ通文庫) 「ネルリ・オア・ダイ」 - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない 『僕らはネルリストという幻想で繋がった世代なのだから』 「ネルリが幻想だと言うのか!」 「バカな」 「ファーストネルリスト(作者)自らが、何故そのような事を言う!?己を幻と定義するなら、この同人誌への反響はどう説明する!?」 『それは、僕にある力によるものだ』 「その力こそ、ラノベの革新、ネルリストと呼ばれる力ではないのか?」 『そう

                                                            • 石川博品『ヴァンパイア・サマータイム』ファミ通文庫 - 旧tototo

                                                              ネタばれ。 ここんところの流れから切り口変えてきた新作・・・にも関わらず結果として「いつもの感じ」になってるのが、時代に愛されてる、、、のかなあ? 読んで、あまりの時事性の高さに眩暈がしましたよ。 耳狩ネルリ1作目で提示された「作家性」を発見するとすると、とりあえず「一過性の流行言葉や時事ネタを絶妙に掬い取ってる」「小説ならではの言葉あそび」「ラノベならではのジャンルのお約束を逆手にとってジャンルを解体してみせる主題構築力」となるか。 「流行や時事ネタ」としてはネルリやカマタリさんではケータイ小説のテキストを掬い取るセンスやサッカー代表ネタ等々。 「言葉遊び」としてはやはり古文やフォント遊びの、小ネタのようでいてリズム感絶妙のテキスト感覚。 前作までは、特にそっち方面を掘り下げてたと思うんですが。 今回は、「ジャンルのお約束を逆手に取る」のほうですね。 ネルリ1作目は、ファンタジーで、なお

                                                                石川博品『ヴァンパイア・サマータイム』ファミ通文庫 - 旧tototo
                                                              • Amazon.co.jp: 四人制姉妹百合物帳 (星海社文庫 イ 4-1): 石川博品 (著), まごまご (イラスト): 本

                                                                  Amazon.co.jp: 四人制姉妹百合物帳 (星海社文庫 イ 4-1): 石川博品 (著), まごまご (イラスト): 本
                                                                • Amazon.co.jp: クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 (ファミ通文庫): 石川博品 (著), 一真 (イラスト): 本

                                                                    Amazon.co.jp: クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 (ファミ通文庫): 石川博品 (著), 一真 (イラスト): 本
                                                                  • 明日の狩りの詞の by 石川博品 - 基本読書

                                                                    主にライトノベル・レーベルで活躍する石川博品さんだが同人誌で出した四人姉妹百合物帳を星海社文庫から出したことが縁になったのか、星海社から続けて本を出すことになったようだ。それが本書『明日の狩りの詞の』。なんと宇宙人が地球にやってきた以後の世界で、外来宇宙生物のハンティングを描く近未来「青春狩猟」物語。 著者ブログによるとこれも既に書き上げたもののどこも拾い上げてくれなかったのを星海社が拾ってくれたパターンなので石川博品のおしゃべりブログ: 新作が発売されます 書き下ろしではなさそうなのだが、百合の次がSFと随分挑戦的なラインナップだ。 明日の狩りの詞の (星海社FICTIONS) 作者: 石川博品,まごまご出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/05/15メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るhuyukiitoichi.hatenadiary.jp 簡単なあらす

                                                                      明日の狩りの詞の by 石川博品 - 基本読書
                                                                    • 『耳刈ネルリと奪われた七人の花婿』(石川博品/ファミ通文庫) 「なんで『あっち』の方が注目されてんだろ」 - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない

                                                                      まあ、ネタ的にキャッチーだからだろうな、うん(自己完結)前作『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』は、ひとつの奇跡だったのだと思う。正統派の異世界学園ものを描き切るだけの筆力がありながら、敢えてそこから距離を置いてネタとパンツに走るストイックさ。現在のラノベでは極めて稀なその態度こそを、自分は愛したのだと思う。残念ながらそうした特殊性は、理由は分からないが、続編ではやや抑えられたようだ。その結果どうなったかというと、真っ当な友情があり、真っ当なLOVEがあり、真っ当な学園祭が描かれ、真っ当に盛り上がり、真っ当に締めて、真っ当に次巻に繋げる、真っ当な傑作に成り下がってしまった。これは、まったく残念なことだ。ああ残念だ!(口元に浮かぶ隠しようのない笑み)ただでさえ12人のメインキャラが、朝から全員そろって飯を食うような仲良しクラスなのに、お題が学園祭(正式には演劇大祭)とくれば、これはもう作劇の常

                                                                      • Amazon.co.jp: 耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫): 石川博品 (著), うき (イラスト): Digital Ebook Purchas

                                                                          Amazon.co.jp: 耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫): 石川博品 (著), うき (イラスト): Digital Ebook Purchas
                                                                        • Amazon.co.jp: アクマノツマ: 石川博品 (著), エビ桃 (イラスト): Digital Ebook Purchas

                                                                            Amazon.co.jp: アクマノツマ: 石川博品 (著), エビ桃 (イラスト): Digital Ebook Purchas
                                                                          • ライトノベルの大化の改新ネタ : 石川博品『クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門』、野﨑まど『ファンタジスタドール イヴ』 - 猫は太陽の夢を見るか:番外地

                                                                            思いつきメモ。 “大化の改新 645年中大兄皇子が中臣鎌足らの協力をえて蘇我氏を打倒して開始した政治改革。孝徳天皇のもとで中大兄が皇太子として実権をにぎり、大化の年号の制定、難波宮への遷都、646年の改新の詔の発布を行った。皇族・豪族による土地・人民の私有と氏姓制度による官職の世襲を打破して、唐の律令制度を模範とする公地公民の中央集権国家をめざした。” (日本史用語研究会『四訂 必携日本史用語』実況出版,2009年,29頁) 2ちゃんねるやTwitterで『走れメロス』や『山月記』がしばしばコピペ的にパロディになるように、ライトノベルにおいても、学校の授業に出てくる内容というのはネタにされやすい。 だいたいどの教科書にも載っていて、かつ学校の試験によく出るたぐいの知識というのは多くのひとの(とくにその主要読者である中高生の)共通の了解が得られやすいからだ。 たとえば日本史を習えば必ず出てく

                                                                              ライトノベルの大化の改新ネタ : 石川博品『クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門』、野﨑まど『ファンタジスタドール イヴ』 - 猫は太陽の夢を見るか:番外地
                                                                            • 四人制姉妹百合物帳 (星海社文庫) by 石川博品 - 基本読書

                                                                              これは面白かった。 ただ……表現しづらい面白さだ。面白いのは確かだが、ぼかぁいったいこれのどこにこれほどの感銘をうけたのだろうか、それがいまいちわからない。いや、「どこに」なら正確にわかっていると言えるのかもしれない。本書は職業小説家である石川博品が書き上げたものの出版社からは出版を断られ、結果的に同人小説として発表したものを星海社が拾い上げ文庫として出版しなおした小説作品である。職業作家があえて同人小説として出す以上、しかもそれが最初は出版社から断られた作品とあっては、マーケットを意識しない趣味的な部分が強く押し出されていると考えるのが、本書の内容からいっても妥当だろう。 内容は書名にほとんど現れているが、「四人姉妹」と「百合」である。あともう一個重要な要素があるけれどレベルが跳ね上がるので後述するとしよう。四人姉妹とはあるものの実際の姉妹ではない。架空の高校に存在する架空のクラブのよう

                                                                                四人制姉妹百合物帳 (星海社文庫) by 石川博品 - 基本読書
                                                                              • 石川博品『先生とそのお布団』がいろいろと刺さりまくったので感想を書く - 明晰夢工房

                                                                                先生とそのお布団 (ガガガ文庫) 作者: 石川博品 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2017/11/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (4件) を見る 泣けるだけの小説なら世の中にはいくらでもあるし、この『先生とそのお布団』も、ラストに泣ける部分はちゃんと用意されている。 でも、この作品をたんにお涙頂戴の物語としては紹介したくない。 これは、小説を書きたい人、書いている人、いや、およそ何かを「創る」ということに関心を持っている人、そんな人の心に深い爪痕を残す作品です。 このラノベがすごい!2019にもランクインしたこの作品にぜひ、触れてみてほしい。 kindle版なら試し読みが増量中です。 先生とそのお布団【「このラノ」2019ランクイン作品試し読み増量版】 (ガガガ文庫) 作者: 石川博品 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2018/12/28 メディア:

                                                                                  石川博品『先生とそのお布団』がいろいろと刺さりまくったので感想を書く - 明晰夢工房
                                                                                • 『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』(石川博品/ファミ通文庫) 「なんで大賞じゃねえの?」 - 高度に発達した気遣いは、気違いと区別がつかない

                                                                                  第10回えんため大賞優秀賞。同時受賞の『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』が、世間の評判の割にピンとこない作品だったので、これにもあまり期待してなかったのだが、とんでもない掘り出し物だった。旧共産圏風連邦国家の学園を舞台に、描かれるのは十人以上のキャラの恋と友情と政治劇。という、聞くからに頭良さそうな内容で、実際、世界観の緻密さや「文化の衝突」というテーマ設定、ついでに後書きで挙げられた参考作品などを見ると物語的な教養と知性が大量に注ぎ込まれた(端的に言うと、馬鹿には書けない)作品であることは明らかだ。これだけでも、一風変わった異世界ファンタジーとして十分水準以上のものになっているのだが、しかし、この作品の真の価値は、注ぎ込んだ知性と教養をドブに捨てるかのように、全編を主人公の妄想的な語りで覆ってしまったところにこそある。これが、凄い。油断すると、すぐ「パンツ」とか言い出す。異世界が舞台のは