中央自動車道の笹子トンネルの天井板が崩落した事故。そのとき、現場をたまたま通行していて、奇跡的に脱出した記者がいます。 事故が起きた瞬間にその場にいた「当事者」として、事故そのものと、そして遺族とも向き合ってきました。 「生き残ったからこそできることとは、いったい何なのか」 悩み続けた記者の背中を押したのは、遺族の言葉でした。 (聞き手 NHK記者 高橋大地) 笹子トンネル事故 2012年12月2日午前8時3分、山梨県大月市の中央自動車道・笹子トンネル上り線でつり下げられた天井板が長さ約140メートルにわたって崩落。走行中の車4台が巻き込まれ、うち3台が下敷きになり、9人が死亡、3人がけがをしました。