【お金は知っている】 東京五輪では日本の若い力の活躍でメダルラッシュ、新型コロナウイルス感染拡大の重苦しい空気を吹き飛ばす。そこで政策当局には若者に代わってもの申したい。経済無策で日本を明るくする若者たちの足をこれ以上引っ張るな、である。 五輪をテレビ観戦しながら、なぜ体験したことも、知識もないスポーツに惹(ひ)きつけられるのか、それは私たちが生きる世界の縮図なのだと考える。自由市場経済では、万人が平等に働く場やビジネスに参加する権利を持ち、公正なルールのもとで切磋琢磨(せっさたくま)する。22歳の堀米雄斗選手や、13歳の西矢椛選手が制したスケートボードのように失敗しても次の機会で挽回のチャンスが与えられる。 だが、社会に目を転じると、今の若者や働き盛りの世代は総じて恐るべきハンデを負っている。自身の才覚や努力以前に、所得を増やせる環境が貧弱になっている。 物価は悪しき政治によって押し上げ