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藻谷浩介の検索結果1 - 39 件 / 39件

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藻谷浩介に関するエントリは39件あります。 毎日新聞日本政治 などが関連タグです。 人気エントリには 『時代の風:行き過ぎた円安 政治家主導のツケ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞』などがあります。
  • 時代の風:行き過ぎた円安 政治家主導のツケ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

    1米ドルが140円台後半という、極端な円安が続く。世界銀行算定の購買力平価ベースのレート(物価が同じになるように計算したレート)では、1米ドルはおよそ100円なので、円安は5割近くも行き過ぎだ。 円安は海外の商品を高くする。おかげで海外旅行は、すっかり高根の花だ。しかし、石油や石炭、天然ガスなど化石燃料の輸入は、旅行とは違ってやめるわけにはいかない。 東京電力福島第1原発事故が起きた前年の2010年と22年の財務省貿易統計の比較で、日本の化石燃料輸入量は4億4500万トンから3億9800万トンと約1割減った。再生可能エネルギーの増加に加え、低燃費車の普及などの省エネが、原発停止分をカバーしたばかりか、燃料使用の総量まで減らした。

      時代の風:行き過ぎた円安 政治家主導のツケ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
    • 時代の風:「嫌韓」とは何なのか 国益なきストレス解消=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

      もう10年近く前の話である。「日本は韓国から、年に2兆円近い経常収支黒字を稼いだ」と、ネット掲載のインタビューで語ったところ、「反日的な発言だ」とのコメントが寄せられた。どういう意味か悩んだが、「韓国が日本のためになっていると語るのは、韓国を認める行為、すなわち国益に反する行為だ」という発想らしい。「韓国を否定しない者は敵だ」という、他人にまでヘイトを強いる発想に、心が寒くなった。 時は流れたが、昨年も日本は韓国から、同じく2兆円近い経常収支黒字を稼がせてもらった。しかるに今やネットや一部雑誌には、韓国を敵視する記事があふれかえっている。ついには「表現の不自由展・その後」と題された国際芸術祭の企画展が、危害行為の予告と抗議が相次いだため中止された。日本にはアート表現に対する懐の深い態度が残っていると、五輪の前年に世界に向けて発信すべきところ、逆の結果となってしまったのである…

        時代の風:「嫌韓」とは何なのか 国益なきストレス解消=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
      • 時代の風:一線を越えた政権トップ 今だけ・金だけ・自分だけ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

        ラグビー・ワールドカップ(W杯)などの楽しい話題もあったのに、そして来年には東京五輪・パラリンピックも行われるというのに、まことに寒々とした年の暮れとなってしまった。気候ではなく、世相のことである。「目的のためには平気で一線を越える」という態度が、政権トップから世間の末端にまでまん延しているではないか。 健全な人間、健全な組織は「この一線は越えない」という自主ルールを持っている。周りがどうしているかに関係なく、また法に触れる触れないという以前に、「これはやってはいけない」「やらない」という基準が、まず自らの中にあるのだ。公職選挙法違反がささやかれる政治家や、関西電力の経営陣などは、残念ながらそういう自己基準と無縁だったとしか思えない。もし日本中の政治家や経営者が彼らと同じようなレベルになれば、日…

          時代の風:一線を越えた政権トップ 今だけ・金だけ・自分だけ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
        • 時代の風:安倍氏の政治と経済運営 “まつりごと”酔ったツケ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

          なぜ政治を“まつりごと”と呼ぶのか。「祭政一致だった古代の名残」くらいに思っていたが、安倍晋三氏が首相と元首相の間を行き来したこの15年余りで、筆者の認識は改まった。まつりごととは、「誰かをみこしに担いで、皆で祭り上げる」ことだったのだ。 信長・秀吉・家康は、自力で天下を取った。しかし後継の将軍たちを祭り上げる体制を築かなかったら、江戸時代の太平はなかっただろう。同じく明治天皇を祭り上げなかったら、維新とその後の近代化は難しかったのではないか。だが昭和天皇を祭り上げたのに、対米戦争には勝てなかった。そのため戦後改革とその後の経済成長は、無数の者たちの自立した努力が引っ張った。しかしそれが限界を迎えた時点で、またまた日本の振り子は、「誰かを祭り上げてみようか」という方向に振れたようだ。 祭り上げられるみこしにしてみれば、権威はまとえるものの、己の意に反することにまで賛同を強いられがちだ。だか

            時代の風:安倍氏の政治と経済運営 “まつりごと”酔ったツケ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
          • 世界のコロナ「危険都市・安全都市は?」藻谷氏の分析 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

            上海の浦東地区の夜景。人口2000万に以上の大都会で新型コロナによる死者は非常に少ない(2014年9月4日、筆者撮影) 新型コロナの地政学(11) 新型コロナウイルス問題は「欧米の危機」から「メガシティーの危機」へとステージを移しつつある、と言われる。そのような中で日本でも、東京や大阪などの大都市から、再度感染が拡大しつつある。この現象を世界と比較した場合、深刻さはどの程度なのだろうか? そして世界で最も安全な大都市は、どの国にあるのだろうか? 都市別・州別などで分析可能に ウイルスの感染拡大が世界的に進み始めてから5カ月。米国ジョンズ・ホプキンズ大学(JHU)のサイトでは、陽性判明者数や死者数の地方別の内訳が示される国も増えてきた。米国の場合にはカウンティ(郡)単位の細かい数字が取れるが、日本に関しても都道府県別の数字が示されているし、もう少し粗いが州別の数字が確認できる国も多い。今回は

              世界のコロナ「危険都市・安全都市は?」藻谷氏の分析 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
            • コロナの死亡率「世界でこんなに違う」藻谷氏の考察 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

              世界中からの観光客でにぎわっていた米国ラスベガス中心街。現在の陽性判明者数は当市と周辺だけで日本全体を上回る(2018年4月7日、筆者撮影) 新型コロナの地政学(10) 国ごと、地域ごとの感染状況に著しい差のある、新型コロナウイルス。加えて注目されるのが、死亡率(=陽性判明者数に対する死亡者数)にも、場所によって極端な違いがあることだ。このウイルスの、本当の怖さはどのようなものなのか。 「Go To キャンペーン」は大丈夫か 新型コロナウイルスの感染は、地球規模で拡大中である。毎日新たに陽性と判明する人の数は、20万人を超えるようになった。ちなみに、その3分の1にあたる6万人以上が米国民だ。日本国内でも、これまでで最悪だった4月中旬と同程度まで再び増加している。 そんなところに、東京都の発着を除くとはいえ、「Go To キャンペーン」など仕掛けて大丈夫なのだろうか。官邸の発想を代弁すれば、

                コロナの死亡率「世界でこんなに違う」藻谷氏の考察 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
              • 時代の風:菅政権1カ月 民主主義の本質は議論=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                菅政権が発足して1カ月余り。新聞の「首相動静」欄に、ぎっしりと文字が詰まるようになった。新首相は広範に話を聞き、得失を冷ややかに計算して決断するという点で、存分にすごみを発揮している。 政府の「Go Toキャンペーン」で、「トラベル」の対象を東京に拡大しての継続しかり。「イベント」で横浜スタジアムの席を段階的に満席まで埋める社会実験しかり。どちらも「新型コロナウイルスの感染拡大は、大筋で『密集×飲酒×大声での会話×換気の不全』が重なったところでしか起きていない」と見切った上での政治判断だろう。筆者は結論には賛同するが、その判断経緯を説明しないのはいかがなものか。「議論すれば反対が増えて実行できなくなる」という開き直りなのか、単に説明が苦手なのか。 福島第1原発から出る汚染処理水を海洋放出する方針も、腹の据わった話だ。確かに汚染水に含まれるトリチウムは放射性物質だが、自然界にも存在し、各人の

                  時代の風:菅政権1カ月 民主主義の本質は議論=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                • 時代の風:コロナ禍と安倍元首相銃撃 不合理改められぬ日本=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                  国際協力機構(JICA)の派遣講師として、ジョージア(旧ソ連のグルジア)を訪れた。コーカサス山中にある、緑の美しい小国だ。大相撲の黒海や栃ノ心の出身地でもある。 カタールの首都ドーハで乗り換えたのだが、現地時間の午前3時台に、アラブ、欧米、インド、東南アジアやアフリカからの乗り継ぎ客で、広大なターミナル内はごった返している。ゼロコロナ墨守の中国は海外に観光客を出していないし、日本からのフライトもガラガラだったのだが、世界は中国と日本がなくとも十分に回っていたのだった。 ウィズコロナ覚悟で日常を取り戻している世界の多くの国々と、「第7波」で萎縮する日本。どちらが正気なのか。

                    時代の風:コロナ禍と安倍元首相銃撃 不合理改められぬ日本=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                  • 「共存に向かうのか? コロナと人間」藻谷氏の考察 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

                    新型コロナの地政学(12) 長梅雨の7月が終わった。もし東京オリンピックが開催されていたら、意外な涼しさと前評判以上の湿度の高さに、来日客は驚いたかもしれない。行事なき4連休に漂った喪失感に加え、感染者急増の新型コロナウイルスへの不安で、すっかり落ち込んでいる方もおられよう。だが最新の数字に向き合う筆者には、いつまでも土砂降りの雨が続くとは思えない。 新規陽性判明者数と死亡者数の関係 そもそもの疑問は、「6月下旬からの陽性判明者再増加にもかかわらず、なぜ7月半ばを過ぎても日本の死者数は増えないのか」ということだった。そのうちに、同じ事態は日本以外でも起きていると気付いたのである。 図の四つのグラフはいずれも、3月以降の毎日の、新規陽性判明者数を赤線で、死亡者数を青線で示している。前後7日間の移動平均とすることで細かい変動を消し、かつ4月ごろの最初のピークの最高点が同じ高さになるように、左右

                      「共存に向かうのか? コロナと人間」藻谷氏の考察 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
                    • 「県別コロナ感染者数の差は何を示す?」藻谷氏の視点 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

                      新型コロナの地政学(9) 国内の新規陽性判明者数は、ゴールデンウイーク明けから1日100人を切っていたが、6月末より再び100人を超えている。だがあわてる前に、全国の数字だけでなく、地域別の数字も確認してみてはどうだろうか。 日本をひとくくりで考えると間違う 北九州市と広島市。ともに人口100万人前後の工業都市で、新幹線なら50分の距離だ。海沿いの狭い平地に、工場と繁華街が集積し、住宅が丘陵地をはい上る都市構造も似ている。しかし7月6日現在の新型コロナウイルス陽性判明者数の累計は、北九州市が252人に対して広島市が86人と、3倍近く違う。同じウイルス、同じ国内でなぜ差が出るのか。 筆者のような医学が専門ではない者がコロナ問題を分析することに対し、いろいろ批判をいただく。だがむしろ、感染症の知識だけで、個別の地域特性に対する知見なしに、国内外双方で地域差の大きいコロナ禍の現実を読み解くことは

                        「県別コロナ感染者数の差は何を示す?」藻谷氏の視点 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
                      • 時代の風:経済政策の効果検証 議論は客観的数字で=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                        当欄への寄稿を拝命してから3年、毎回飽きもせずに同じことを書いている。「皆の大合唱をうのみにしない方がいい。数字と現場から何が『事実』なのか論理的に判断しなくては」という話だ。しかし微力という以上に無力で、現実の日本には、思い込みの暴風が吹き荒れるばかりである。 たとえば日本の国際競争力。前回の繰り返しだが、2018年の日本の輸出は81兆円と史上最高であり、経常収支黒字19兆円はドイツに次いで世界2位だった。いずれもバブル期の1989(平成元)年の2・2倍である。「日本株式会社」の売り上げや経常利益は、円高が進んだ平成の間に倍増したわけだ。しかし、その稼ぎは一部大企業や株主にため込まれるだけのようで、輸出企業の従業員を含めた大多数に好景気の実感は乏しい。つまり日本経済の問題は資金循環の不全(いわば循環器系障害)なのだが、皆が「日本は円高で世界から稼げなくなった(いわば摂取栄養不足だ)」と間

                          時代の風:経済政策の効果検証 議論は客観的数字で=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                        • 異次元との決別:壮大な社会実験、失敗 賃上げで個人消費増加必要 藻谷浩介・日本総研主席研究員 | 毎日新聞

                          日銀が3月、「異次元の金融緩和」に見切りをつけて政策を転換した。大規模緩和を軸とした経済政策「アベノミクス」に対し、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さん(59)は「日本経済の価値を下げる亡国政策だった」と憤りを隠さない。以前から異次元緩和を批判してきた藻谷さんが考える、日本経済にとって本当に必要な対応策とは何か。【聞き手・竹地広憲】 ――異次元緩和の結果をどう見ていますか。

                            異次元との決別:壮大な社会実験、失敗 賃上げで個人消費増加必要 藻谷浩介・日本総研主席研究員 | 毎日新聞
                          • 「コロナ禍で露呈した日本人の共同主観」 地域エコノミスト・藻谷浩介 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]

                            モノの集約と経済の効率と成長に待ったをかけた新型コロナウイルスは、世界のあり様を一変させました。withコロナ時代には、経済も社会生活も、新しい価値を見いだすことが求められています。私たちがこれから迎える「新たなる日常」を生きるヒントを各界のパイオニアたちに聞く「ニューノーマル白書」。今回は、地域エコノミストの藻谷浩介さんに、日本人の「共同主観」(いわば思い込みの共有)のあり方について聞きます。小学4年生の時に自治体の人口変化に興味を持ち、大学時代には自転車で日本一周、社会に出てからも政府系銀行員でありながら数字(エビデンス)で事実を読み解き続けてきた藻谷さんの目から、コロナ禍の日本はどう見えるのでしょうか。 議論は「事実」ベースで行われなければならない ――コロナウイルスの感染拡大が起きてから、「数字で事実を読み取る」エコノミストとして、藻谷さんは何をお考えになっていましたか? 「みんな

                              「コロナ禍で露呈した日本人の共同主観」 地域エコノミスト・藻谷浩介 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
                            • 「欧州の西側にコロナ死者が多いわけ」藻谷氏の考察 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

                              新型コロナの地政学(2) 人口100万人当たりの死者数(死亡率)の動向をみることで、新型コロナウイルスの感染状況の違いがクリアになる。死者数は感染拡大から1カ月程度遅れる「遅行指標」だが、検査率の大小はあまり影響しない。東アジア・東南アジアの先進・中進国に比べて、なぜ欧米では極端に死者数が多いのか。 累計死者数と直近の死者増加率 おおむね人口3000万人以上の国に、日本人になじみの深い国々をいくつか加えて分析した。 図の縦軸は、5月11日までの人口100万人当たりの累計死亡者数、横軸は5月4日時点と5月11日時点の累計死者数を比べた増加率(直近1週間の死者増加率)である。上にいくほど人口の割に多くの死者が出た、つまり感染が深刻だった国になる。右にいくほど、これまではともかく直近に感染が急拡大している国になる。

                                「欧州の西側にコロナ死者が多いわけ」藻谷氏の考察 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
                              • 時代の風:菅政権の統治機構 幕末思わせる機能不全=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                放射性物質のトリチウムを含む「処理水」のタンクが、東京電力福島第1原発の構内を埋め尽くしつつある。現政権は、2年後をめどに、これを国の排出基準の40分の1を下回る水準に薄めて海に流すこととした。 「処理水」は、放射線で汚染された冷却用の水や地下水を、多核種除去設備(ALPS)に通し、トリチウム以外の放射性物質を取り除いたものだという。残るトリチウムは自然界にも普通に存在する物質で、体内に入っても蓄積されずに排出され、実際に日本や中国や韓国を含む世界中の原発からも、日々海洋に放出されている。だからこそ菅義偉首相は、同原発訪問の際、東電側との間で「処理水を飲んでいいのか」とのやりとりを交わした。しかし、実際には飲まなかった。なぜか…

                                  時代の風:菅政権の統治機構 幕末思わせる機能不全=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                • 「スウェーデンの集団免疫戦略は失敗か」藻谷氏の検証 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

                                  新型コロナの地政学(8) 新型コロナウイルスの毎日の陽性判明者数が、最悪時でも人口100万人当たり5人で、5月中旬以降、6月中までは1人を切っていた日本。一時期80人に迫っていた欧州の旧西側諸国や、最近100人を超えてしまった米国に比べて、封じ込めに成功した結果、国内に免疫はいきわたっていないと考えられる。対極が北欧のスウェーデンで、「集団免疫」の獲得を目指し、同じ数字が100人を超えても一貫して経済活動を止めない。これは正しい選択なのだろうか? 介護施設の高齢者が犠牲に 感染から回復して免疫を持つ人が一定割合を超えると、その後の感染拡大は自然に封じられる。これが「集団免疫」だ。同国のストックホルム大学の試算では、新型コロナウイルスの場合、この水準に達するのは40%だというのだが、スウェーデン当局はその獲得を目指す戦略を取り、他の欧州諸国が行ったような厳格なロックダウンは実施してこなかった

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                                  • 時代の風:政治の劣化という国難 慣用句の陰、本質見よう=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                    「野党には政権担当能力がない」という決まり文句。初めて聞いた10代に思った。「そうだとしても『与党に政権担当能力がある』という話にはならないよね」。「パリピ」(パーティーなどに集まって楽しむ人)と化したような自民党議員の多さに、私と同じような感覚の人は、40年を経て増えているのではないか。 「悪夢の民主党政権」と叫んでいた安倍晋三首相(当時)。聞きながら50代の筆者は「アベノミクスこそ後世、悪夢の愚策と指弾されかねないぞ」と思った。日銀の異次元緩和の結果、極端な円安が日本経済の価値を下げる中、筆者が抱いた懸念を理解してくれる人が10年を経てようやく増えているのではないか。 要注意なのは、世の慣用句だ。安直な二分法や、口になじむフレーズは、多くが本質からずれている。「Aは×」だとしても「Bは〇」とは限らない。AもBも×かもしれないし、△かもしれない。AとBの区分自体が、そもそも怪しい。

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                                    • 藻谷氏が考察「日本に欧米経由コロナなぜ広がった?」 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

                                      新型コロナの地政学(3) 欧米の旧西側諸国に比べて、新型コロナウイルスによる100万人当たりの死者数が数十分の1から数百分の1の水準にとどまる日本。しかし、他の東アジアや東南アジア、さらにオーストラリア(豪州)、ニュージーランド(NZ)も加えた「西太平洋諸国」の数字を確認していくと、違う評価になる。日本は「アジアのリーダー」どころか、かなりの“劣等生”と言えるのではないか。 欧米西側と「西太平洋諸国」の差 この特別連載の第1回掲載から、はや2週間。初回に示したグラフに、その後の経過を加えて、欧米の旧西側諸国の死者数の多さを再度示そう(図1)。もう一つ、今回新たに加えたグラフ(図2)では、死者数を日本以下の水準に抑えつつ、しかも感染を収束させたように見える諸国を並べた。両図から、世界の両極端の間にある日本が見える。 図1のように、欧米諸国と比べると、日本は死者数の抑止に突出して成功している。

                                        藻谷氏が考察「日本に欧米経由コロナなぜ広がった?」 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
                                      • 時代の風:アベノミクス大合唱の中で 消費なくして成長なし=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                        みんながなんとなく聞き込んで、なんとなく信じ込んでいる話ほど、根拠が怪しかったりする。「日本の国際競争力は地に落ちた」という風説はその典型だ。 仮に「民間企業の競争力」という話であれば、真っ先に確認すべき基本の数字は、売り上げと経常利益の額の推移だ。会社ではなく一国の国際競争力を語るのであれば、売り上げの代わりに輸出を、経常利益の代わりに経常収支をみるのが、基本中の基本だろう。 輸出とは、日本国内で作られ、海を越えて海外で売られた商品の販売額だ。海外に移転した工場の生産はここには入らない。

                                          時代の風:アベノミクス大合唱の中で 消費なくして成長なし=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                        • 時代の風:絶えぬ殺りくの応酬 生きる権利、国は奪えぬ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                          「内憂外患」の時代だ。 だが筆者は当欄で努めて「内憂」への対処を促してきた。自国の誤りを放置して他国のせいにする風潮は自滅の伴奏曲だからだ。自省せず、口を開けば他責に終始する人が多いほど、チームの成果は遠ざかる。しかし、ロシア対ウクライナ、ハマス対イスラエルと続く殺りくの応酬にはさすがに一言申さねばと感じた。 第二次世界大戦のマニラ市街戦(1945年2~3月)で、日米の戦闘に巻き込まれ、10万人もの地元民が亡くなった。パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘はその悪夢の再現にも思える。

                                            時代の風:絶えぬ殺りくの応酬 生きる権利、国は奪えぬ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                          • 時代の風:異次元緩和、評価の蓋然性 円安、歓迎するのは誰か=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                            誰一人マスクをしていない、早朝から大混雑のイスタンブール空港で、この記事を書いている。新型コロナウイルスが騒がれ続ける日本と、世界とのこの空気感の差はいつ埋まるのか。 そんな思いを世の多くに訴えるには、SNSでの発信が早道だ。だが新聞記事の場合には、表現の妥当性や、数字の正確さなどを、担当記者と校正者というプロがチェックしてくれるので、うそや勘違いを書かずにすむ。影響力よりも正確さを重視する筆者は、だからいまどき、SNSのアカウントを持っていない。 新聞の存在意義は、「思い込みや誰かの誘導を排し、事実に迫る」ことだ。何が事実なのか押し付けはしないが、どの程度事実なのかという度合い=蓋然(がいぜん)性は判断する。多数が無視していようとも蓋然性が高いものは載せ、多数の支持があっても低いものは排する。それが新聞の機能だ。

                                              時代の風:異次元緩和、評価の蓋然性 円安、歓迎するのは誰か=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                            • 時代の風:次期首相の課題 継承してはならぬもの=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                              安倍晋三首相の辞任表明から半月が過ぎた。3年前に「国難突破選挙」というスローガンを掲げて大勝した同じ人物が、新型コロナウイルス禍という本当の国難の最中に重責を投げ出した形だ。だが直後から、政権の支持率は急上昇しているという。 病院や保健所や介護施設でも、業績悪化にあえぐ企業や店舗でも、トップや現場は歯を食いしばってコロナ対応に当たっている。働かなければ食べられないからと、危険な仕事をこなしている人も無数にいる。そんな中で、コロナ対応に迷走を続けた首相が先に辞めることに、多くの日本人は寛容だ。そこには病気をいたわる「情」が満ちているが、「理」はあるだろうか。 第2次安倍政権での首相は、強さではなく弱さ、リーダーシップではなく助けてあげたくなる物腰で、確固たる支持層を獲得してきた。不勉強ぶりや脇の甘さが、逆に感情移入の対象となったのだ。その点は「そういうものなのか」と理解するしかないのだが、困

                                                時代の風:次期首相の課題 継承してはならぬもの=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                              • 時代の風:言葉遊びと本当の自衛 「9条改正」は自滅の道=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                                ウクライナで大量殺人と生活の破壊が続いている。「戦争なので仕方ない」と思う人は、今の日本にどのくらいいるのだろう。「1人殺せば悪党で、100万人だと英雄だ」と叫んだのは、作中のチャプリンだったが、これは今でも正しいのか。 確かに20世紀半ばまで、人類の歴史は戦争の歴史だった。しかし21世紀の今、物質文明が国境を超え、複雑な分業の上に成り立つようになって、戦争に実利はなくなった。食料やエネルギーは、買うか自製する方が早くて安全だ。住民のいる場所を侵略しても、統治に手を焼くだけである。 それでもまだ、宗教やイデオロギー、権勢欲、身勝手な筋論や被害妄想に駆られて、戦争を起こす者はいる。ロシアのプーチン大統領はその最新の例であり、米国によるイラク侵攻などもそうだっただろう。

                                                  時代の風:言葉遊びと本当の自衛 「9条改正」は自滅の道=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                                • 時代の風:政権交代望めぬ自民政治 脱・既得権、地方の手で=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                                  統一地方選挙と、国会の補欠選挙が終わった。表だけ見れば岸田政権は、宏池会(岸田派)伝統の穏当路線に期待する層から、軍拡バンザイの層までを取り込む姿勢により支持を固めた。 だが「旧民主党さえつぶせば安泰」などとは、もはや自民党関係者でも思っていないのではないか。「政治は自民党」「首長や議員は高齢男性」などの発想から卒業する人が、アンチリベラル層や無党派層にも増えているのは間違いない。 変化はすでに、昨年7月の参院選比例代表の政党別得票数に表れていた。開票後、本紙に掲載された鼎談(ていだん)でも指摘したが、日本維新の会の得票が294万票増えたのに対し、自民党の増加は54万票にとどまった。しかもそのうち52万票は、表現の自由を訴えた漫画家・赤松健氏の個人票だ。保守的だが既得権優先の政治には不満な層が、すでに自民党を離れ始めていたのだ。

                                                    時代の風:政権交代望めぬ自民政治 脱・既得権、地方の手で=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                                  • エルサレム「聖墳墓教会」で悟った欧州世界の成り立ち | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

                                                    イスラエル編(7) エルサレム旧市街を一回りして、北西側の新門から出てきたのは夕方6時前だった。最後の方で、南西のアルメニア人地区と北西のキリスト教徒地区の間にある、ダビデの塔の前を通る。エルサレムを守ってきた城塞(じょうさい)であり、嘆きの壁の上にあったユダヤ神殿と対を成す施設だが、午後4時閉門なので入れなかった。 物価は高いが食べ物はおいしい 新門から旧市街を出た筆者は、LRT(次世代型路面電車)で西に、ホテルまで戻った。昼過ぎに、近くのマハネ・イェフダ市場を歩いた際に目星をつけていた、若いユダヤ人が切り回す地ビール屋で、夕食にクラフトビール2杯とサラダなどをいただく。食料安保に熱心なイスラエルでは自国産の農産物が多く、そのせいか物価は高いのだが食べ物の味はおいしい。 筆者のテーブルの向かいは干し果物屋だったが、まったく客が来ない。ふと目が合ったパレスチナ人の店主が、大ぶりのなつめやし

                                                      エルサレム「聖墳墓教会」で悟った欧州世界の成り立ち | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
                                                    • 藻谷浩介さん「信州は世界に通用する」 コロナで再考された地域資源:朝日新聞デジタル

                                                      ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                        藻谷浩介さん「信州は世界に通用する」 コロナで再考された地域資源:朝日新聞デジタル
                                                      • 暴動の米国「ミネアポリスでコロナ拡大」藻谷氏の検証 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

                                                        ニューヨーク・サウスブロンクスの地下鉄駅。ブロンクスはニューヨークのなかでも特に死者数が多い(2017年10月5日、筆者撮影) 新型コロナの地政学(5) 緊急事態宣言の解除で、緩んだ空気が流れ始めた日本。一方、テレビの画面からは、米国の街頭での暴力沙汰の映像が流れてくる。人口3億3000万人を数えるこの巨大国家の新型コロナウイルス感染状況は、いまどうなっていて、これからどうなっていくのか。主要大都市圏の数字を分析してみると事態は深刻で、収束もまだまだという実態が見えてくる。 4大プロスポーツの本拠地を見る 米国は50の州からなる連邦国家だ。各州は多数のカウンティ(郡)に分かれている。それに対し市・町・村は、歴史的経緯や、その地域の実情に合わせて置かれていて、どの市町村にも属さず郡だけに属する地域も多い。 そのような米国は、経済面や生活面では、州ではなく大都市圏の集合体ととらえた方が実態に合

                                                          暴動の米国「ミネアポリスでコロナ拡大」藻谷氏の検証 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
                                                        • 時代の風:無策・無反省続ける政府 有権者は今、目覚めよ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                                          情報のあふれかえるネット時代。それゆえに、かえって肝心な情報が共有されにくくなっていないか。 自分で1次データを読み取らず、「世の空気はこうだ」「ネットではこう言われている」という2次情報だけを仕入れていると、押さえるべきポイントを見落としがちになる。 東京都議選に関して、自民党の議席数が予想を大きく割り込んだ原因が、いろいろ推測されている。「楽勝ムードが広がっていた」「ワクチン対応の迷走が与える影響を軽視した」といった分析だ。 だが、本当のポイントは、「有権者の1割程度の投票しか得られなかった自民党は、衆院選までに何を改めるのか」ではないのか。

                                                            時代の風:無策・無反省続ける政府 有権者は今、目覚めよ=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                                          • 今週の本棚:藻谷浩介・評 『政治家の覚悟』=菅義偉・著 | 毎日新聞

                                                            (文春新書・880円) 「ごもっとも」に欠けた視点 毎朝腹筋100回と40分のウオーキングを続け、酒もタバコも口にしない菅首相に、健康面での問題はないだろう。ということで掲題書を読み、「国民としての覚悟」を固めることとした。日本学術会議を巡るゴリ押しにも明らかなように、それは、「何もかもが政治的に色分けされて分断されていく」という、「政治化への覚悟」でもあろう。 本書の中核は、2012年出版の単行本(全4章)の第一、二章部分だ。第1次安倍内閣の総務大臣だった06~07年と、それ以前の副大臣時代や国土交通政務官時代などの政治判断の回想が、3分の2以上を占める。原作の第三、四章部分の割愛は批判されたし、第2次安倍政権の官房長官時代に関する記述も少ない。だが時事芸人のプチ鹿島氏も指摘している通り、残された部分だけでもたいへんにドスが利いていて、読者の覚悟を誘う…

                                                              今週の本棚:藻谷浩介・評 『政治家の覚悟』=菅義偉・著 | 毎日新聞
                                                            • 時代の風:五輪中止論のはざまで 開催は感染防止策次第=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                                              地方での行事の主催者の求めに従い、羽田空港で新型コロナウイルスの検査を受けた。抗原検査が1800円、PCR検査が1900円、両方なら3000円だ。前者は鼻の奥を綿棒でこするだけで、15分で結果が出る。後者は唾液の検査で、3時間後にメールで結果の通知が来た。筆者は両方とも陰性だったが、陽性の場合、ネットでの予約時に登録する、かかりつけ医に連絡が行くという。 2種の検査の結果は99%以上一致するそうなので、簡単な方の抗原検査だけでも、駅やオフィス街、学校、イベント会場、宿泊施設などで広く実施できないものか。関係の公的機関に今以上の負担をかけないよう、民間企業やコロナ患者を受け入れていない病院などを委託先とすればいい。ちなみに山口県ではすでに、全高校生と教職員を対象に一斉PCR検査を実施中だが、他所でも同様の工夫が増えてほしい。 …

                                                                時代の風:五輪中止論のはざまで 開催は感染防止策次第=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                                              • 時代の風:コロナ禍の最適解 「ゼロか100か」を脱しよう=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                                                7月下旬の4連休、年末まで閉鎖された某大学のキャンパス近く。客の姿のない飲食店内に、頭を抱えて座る店主を見た。 片やスポーツ大会に学園祭に修学旅行、果ては大学の講義までをも中止する教育界。片や感染再拡大の最中に旅行需要喚起策「Go Toトラベル」キャンペーンを行う政府。まさに「ゼロか100か」だが、間のどこかに最適解はないのか。東京都民は政府補助の対象外となったとはいえ、閉鎖中の大学の教員や職員が、この際だからと地方旅行にでも出かけていたら、これほどの皮肉はない。 新型コロナウイルスの場合、パンデミック(ウイルスの感染爆発)の程度は、毎日発表される数字から推論できる。しかし世論はワイドショーにあおられ、実態無視のインフォデミック(恐怖心の感染爆発)が真っ盛りだ。厚生労働省の試算によると、20代以下の陽性判明者の死亡率は0・0%、重症者割合も0・0%なのに、キャンパスを閉鎖し各種行事を中止す

                                                                  時代の風:コロナ禍の最適解 「ゼロか100か」を脱しよう=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                                                • 日本社会は「ファクト無視」の言い逃れ体質の克服を、藻谷浩介氏の提言

                                                                  賢人100人に聞く!日本の未来 コロナの感染拡大は一時より落ち着きを見せていますが、経済や社会の先行きははっきりしません。そこで今回、日本と世界を代表する識者100人に未来を語ってもらいました。日本企業はどうなる!?株価は上がる!?国際情勢は?といった疑問に答え、医療から政治、教育、文化、宗教まで幅広い分野の羅針盤を4週間にわたり紹介します。ぜひ、賢人たちの声に耳を傾け、変化と行動の指針としてください。 バックナンバー一覧 特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#35では、コロナ禍であらわになった私たちの思考の限界を指摘する。モデル的思考にこだわるあまり、目の前の状況変化が見えなくなっている。必要なのは、現実を見る反証主義だ。経済問題でもそれは同じだと藻谷浩介氏はいう。(ダイヤモンド編集部論説委員 小栗正嗣) 日本に今必要なのは 現実を見る反証主義 コロナ禍ではっきりした問題

                                                                    日本社会は「ファクト無視」の言い逃れ体質の克服を、藻谷浩介氏の提言
                                                                  • 時代の風:昭和の旧弊、一掃のとき 「東京一極」意識転換を=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                                                    激震と大事故で、正月気分は吹っ飛んだ。犠牲となられた方々へのお悔やみ、被害を受けられた皆さまへの連帯の思い、元日から救援に身をささげる方々への感謝と敬意を、冒頭に申し述べたい。その上で以下、昨年末に書いた原稿の掲載をお許し願いたい。 数えれば「昭和99年」にあたる今年。まだ残る旧弊を一掃し、満100年をもって「昭和にサヨナラ」できないものだろうか。 公共空間での喫煙や各種のハラスメントは、さすがに野放しにはされなくなった。多様性を認めず一律の行動を強いる、不祥事に際しまずは情報隠しに走る、といった昭和的な組織文化にもメスは入りつつある。だがなお残るのは「強い立場の者が、自ら改めるべきを改めようとせず、その傍らで弱い立場の者が、筋の通らない我慢を強いられる」という社会構造だろう。

                                                                      時代の風:昭和の旧弊、一掃のとき 「東京一極」意識転換を=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                                                    • 時代の風:東日本大震災10年に思う ずれた課題認識と現実=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                                                      東日本大震災から10年がたつ。マグニチュード9・0と、観測史上最大級だったこの地震が突きつけた課題に、日本に住む我々はどこまで対応できてきただろうか。この10年間を思い起こしながら自問自答すると、「課題の認識、目標の設定の両方が、そもそも震災の突きつけた現実からずれていた」ケースが多いことに気がついた。 例えば政治。震災を契機に多くの国民が「日本の課題は、首相が毎年交代するような政治の不安定だ」と感じ、「安定政権ができれば、日本の問題は解決に向かっていく」と考えたように思う。だが、そこにはチェックとバランスという発想が欠けていた。結果として、安倍晋三前首相とそのチームに日本はあまりに長く一任を与えすぎた。

                                                                        時代の風:東日本大震災10年に思う ずれた課題認識と現実=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                                                      • 「日本にコロナ第2波は本当に来る?」藻谷氏の考察 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

                                                                        人口当たりの陽性判明者数を低位に抑えているオーストラリア(メルボルンの都心商店街、2018年12月20日、筆者撮影) 新型コロナの地政学(7) 新型コロナウイルスの毎日の陽性判明者数がおおむね60人程度と、4月中旬の10分の1になった日本。入院中の患者数も最悪期の10分の1となったが、一方で「秋以降の“第2波”到来に備えて」と多くの人が口にするようになった。はたして日本に“第2波”は本当に来るのか。世界各国の対応を見ながら、この問題を考える。 寒くなると再び流行するのか この特別連載の第3回で紹介した国立感染症研究所の調査「新型コロナウイルス SARS-CoV-2 のゲノム分子疫学調査」によると、1月に中国人観光客が持ち込んだウイルス(中国経由・第1波)は2月中に封じ込められたが、3月に欧米から帰国した日本人の持ち込んだウイルス(欧米経由・第2波)が感染拡大した。 欧米経由のウイルスは、中

                                                                          「日本にコロナ第2波は本当に来る?」藻谷氏の考察 | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
                                                                        • 今週の本棚:藻谷浩介・評 『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない』=田中信一郎・著 | 毎日新聞

                                                                          (現代書館・1870円) 日本再建へ 令和の“建白書” 最初に、掲題書の唯一最大の難点を指摘せねばならない。『政権交代が必要なのは……』という書名が、本の中身を示していないのだ。 政治スローガンとしては悪くはない。論理的な政権批判を、「総理が嫌いなのだろう」と感情論として片付けようとする者がいることは確かだし、「人間はみな好き嫌いで動いている/好き嫌いで動いて良い」という、彼らの人生観には虫唾(むしず)が走る。だが書名の与える印象に反し、この本は「安倍晋三政権の退陣を求める本」ではない。いみじくも本書で、著者は以下のようなことを述べる。「政権を交代させれば、あとは何とかなるという考え方は、エリート主義、パターナリズムであり、それこそが乗り越えなければならない壁です。政治を変えるだけでは社会は変わりません」と。評者もその通りだと思う。 ではこの本には何が書かれているのか。「なぜ今の日本政治は

                                                                            今週の本棚:藻谷浩介・評 『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない』=田中信一郎・著 | 毎日新聞
                                                                          • 時代の風:民主主義国のトップとは 首相は番頭から脱皮を=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞

                                                                            昨年12月中旬。ある地方紙に「菅政権は100点満点で何点か」と聞かれ、以下のようなことを書いた。 「50点をスタートにして加点するなら、前政権のような公私混同はないことに期待して10点。経済産業省出身の官邸官僚の影響力を弱めたことに10点。ネット右翼と距離を置いたことに10点。脱炭素社会の実現など環境問題に取り組む姿勢に20点。以上で100点となったが、今度は減点を。 法秩序を壊し言論を萎縮させる日本学術会議への人事介入にマイナス20点。官僚機構やマスコミを抑えつける姿勢に同20点。あらゆる決定について判断理由を説明しないことに同25点。例えば(観光支援策の)GoToトラベルについても、事業継続や停止の判断基準を一切語っていない。これで結局、採点は35点となってしまった。

                                                                              時代の風:民主主義国のトップとは 首相は番頭から脱皮を=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
                                                                            • 鉄道は赤字なら廃止? 「里山資本主義」の藻谷浩介さんが芸備線の未来を語る 「ガソリン税を鉄道に回して上下分離方式で」  | IRAW by RCC

                                                                              鉄道は赤字なら廃止? 「里山資本主義」の藻谷浩介さんが芸備線の未来を語る 「ガソリン税を鉄道に回して上下分離方式で」 国土交通省は今月、JR芸備線の一部区間の存続か廃止かについて議論する「芸備線再構築協議会」の設置を決めました。議論の対象となるのは、芸備線の備後庄原から岡山県新見市の備中神代までの区間です。協議会には広島市なども加わって、広域的な観点から広島から備中神代までの区間についても議論されるということです。 鉄道を残すためにはどうすればいいのか考えようと、地元の市民グループが庄原市にエコノミストの藻谷浩介さんを招いて勉強会を開きました。 西城川が流れ、風情ある町並みで知られる庄原市西城町。存続か廃止か、議論の対象になっている芸備線沿線の町です。 訪れたのは、「里山資本主義」などのベストセラーで知られるエコノミストの藻谷浩介さんです。鉄道を残すためにはどうすればいいのか、地域振興に詳

                                                                                鉄道は赤字なら廃止? 「里山資本主義」の藻谷浩介さんが芸備線の未来を語る 「ガソリン税を鉄道に回して上下分離方式で」  | IRAW by RCC
                                                                              • 香港のLRT「軽鉄」に“鉄チャン”藻谷氏が乗ってみた | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」

                                                                                香港・軽鉄と長大架橋の旅編(1) 初めて香港を歩いた2009年。地下鉄路線図の左上隅に、碁盤の目のような路線網が小さく書き込まれているのに気づいた。注釈には「軽鉄(Light Rail)」と書いてある。香港にもLRT(次世代型路面電車)があったのかと感動し、それ以来乗る機会を探っていたが、19年5月、イスラエルからの帰路に立ち寄り、ようやく念願をかなえた。 MTRを2回乗り換えて屯門地区へ テルアビブからのキャセイ航空便は、朝の5時半に香港国際空港に着いた。機中で合計6時間ほど寝たが、体内時計は真夜中なので、頭は重い。 コロナ禍ではなかったこの当時、入国手続きゲートはひどく混んでおり、そこを抜けて荷物を預け、機場(Airport)駅の電車に乗ったのは午前7時近かった。だが次に乗る羽田行きは午後なので、十分に時間はある。 東京特別区と横浜市を足したくらいの面積に、750万人ほどが住む香港特別

                                                                                  香港のLRT「軽鉄」に“鉄チャン”藻谷氏が乗ってみた | 藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」 | 藻谷浩介 | 毎日新聞「経済プレミア」
                                                                                1

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