京都府立医大の外園千恵教授(眼科学)らのチームは、角膜の表面にある「角膜上皮」がけがなどで作れなくなった「角膜上皮幹細胞疲弊症」の患者に、患者本人の口内の粘膜細胞を培養して作ったシートを角膜の代わりに移植する治療法を5日までに開発した。視力回復が期待できるといい、京都府立医大と国立長寿医療研究センター(愛知県)で今夏以降、移植を実施する。 角膜の移植を待つ患者は国内でも多いが、この手法では他人から角膜の提供を受ける必要がなく、自らの組織を移植するため免疫による拒絶反応も起こらないといい、外園教授は「角膜治療の可能性が広がる」としている。