自分の経験が読書を面白くしている? いや、むしろ今読んでいると「あ、こういう事あるなぁ」と自分の経験を重ねながら読めるので、 おのずから自分の行いに照らしながら読めるようになった、そこにまた書物の面白さを感じています。 以前、落語家の立川志の輔師匠が 「落語は年寄りが聴くものだと思っている人が多いみたいだけど、いっぱい失敗したり、冷や汗をかいて苦労した経験があればあるほど落語というものは面白くなる」 と話していましたが、読書も同じことが言えそうです。 法話から、自分の経験を省みる 『一休さん~』だと、昔はそんなもんかぁ…としか軽く考えていなかった仏法の法話なんかが妙に染みます。 小説の中盤で、僧侶の娘芳子が一休さんに相談します。 「父は船に乗っているとき、諍い事で湖に突き落とされ未だに亡骸も上がらない。仇をうちたい」と。 一休さんは「仇をうつ、というのは自己満足なだけ」と諭します。 「お前