奈良県の電源装置メーカー、ヤマトクリエイトは1月15日、奈良地方裁判所から自己破産手続の開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債総額は2023年6月期末時点で約4億2200万円だった。 ヤマトクリエイトの取引先企業の多くは驚きを隠さない。関西地方のある取引先の社長は「寝耳に水だった。誠実そうな社長だったので、何事かと驚いた」と明かす。 実際、主要販売先には産業用電気機器を手がける複数の大手メーカーが名を連ねていた。光源用電源装置などを主体に、医療機器や印刷機器に用いる電源装置も製造していた。その多くは開発から生産まで一気通貫で請け負うカスタムメイドで、海外の安全認証にも対応しているのが強みだった。 脱・下請けを志したが… 最終的にはコロナ禍で苦境に陥った企業向けの実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が22年から始まる中で資金繰りに窮して自己破産した。「コロナ関連倒産」にも見