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  • 【読書感想】「叱れば人は育つ」は幻想 ☆☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言

    「叱れば人は育つ」は幻想 (PHP新書) 作者:村中 直人PHP研究所Amazon Kindle版もあります。 「叱れば人は育つ」は幻想 (PHP新書) 作者:村中 直人PHP研究所Amazon 脳・神経科学などの知見から、著者は、叱ることには「効果がない」と語る。 叱られると人の脳は「防御モード」に入り、ひとまず危機から逃避するために行動を改める。 叱った人はそれを見て、「ほら、やっぱり人は叱らないと変わらない」と思ってしまうのだが、叱られた当人はとりあえずその場の行動を変えただけで、学びや成長を得たわけではないのだ。 そして厄介なことに、人間には「よくないことをした人を罰したい」という欲求が、脳のメカニズムとして備わっているため、叱ることで快感を得てしまうのである。 では、どうすれば人は成長するのか。本書は臨床心理士・公認心理師で、発達障害、不登校など特別なニーズのある子どもたち、保護

      【読書感想】「叱れば人は育つ」は幻想 ☆☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言
    • どうやったら連続性を維持したまま意識をアップロードできるのか?──『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』 - 基本読書

      意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く (講談社現代新書) 作者:渡辺正峰講談社AmazonSFの世界ではよく人間の意識をアップロードして肉体の縛りから解放される、「マインドアップロード」と呼ばれる技術が扱われる。実際、人間の意識とはけっきょく脳内の化学的な作用の結果生まれるものであるという立場に立つのであれば、その作用をデジタル上でも機械上でも再現できればそこに「わたし」が宿るはずである。 今はまだSFの中の話にすぎないが、現実でもBMI(ブレイン・マシン・インタフェース)技術や脳神経科学の進展もあり、徐々に現実味を増してきている──ときて、本書『意識の脳科学』はまさにそうした「意識のアップロード」をテーマにした一冊だ。著者の渡辺正峰は神経科学を専門とする東京大学大学院工学系研究科の准教授で、研究だけでなく自身でも意識のアップロードを目指すスタートアップ「MinD in a Dev

        どうやったら連続性を維持したまま意識をアップロードできるのか?──『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』 - 基本読書
      • SF小説って読み通すのに労力がいるよね - 基本読書

        qianchong.hatenablog.com こんな記事を読んだ。記事内で当ブログに言及していただいており通知が飛んできたので読んだのだけれども、内容的には「SF映画やAIや技術系の本も大好きなのに、SF小説は最後まで読み通せないものが多い」ということで、なぜなのだろう、老いなのだろうか、と疑問を呈している。率直な感覚が綴られた、良い記事だ。 SFって読み通すのに労力がいるよね SF小説を読んでいる方の人間である僕にとっても「わかる」と頷くところが多い記事だった。SF小説って、ブログ筆者の方も次のように書いているけれど(『SF小説というものは、類まれなる想像力でこれまでに我々が見たことも聞いたこともないような世界を紡ぎ出すところがその真骨頂だと思います。でもおそらく私は、その想像力が紡ぎ出す世界に自らの想像力が追いついていかないのでしょう。』)、想像力が追いつくかどうか以前に「読むのに

          SF小説って読み通すのに労力がいるよね - 基本読書
        • なぜ「科学嫌いな人」が増えているのか…専門家が知らない「深刻な理由」(読書猿)

          古代ギリシャの原子論から、コペルニクスの地動説、ガリレオの望遠鏡、ニュートン力学、ファラデーの力線、アインシュタインの相対性理論まで、この世界のしくみを解き明かす大発見はどのように生まれてきたのか? 親子の対話形式でわかりやすく科学の歴史を描き出した新刊『父が子に語る科学の話』。本連載では、26万部を超えるベストセラー『独学大全』の著者・読書猿さんによる解説をお届けする。 なぜ科学には「冷たい」イメージがあるのか? 「科学」と聞いて、思い浮かぶイメージは何だろうか? 白衣を纏い、無機質な実験室で黙々と研究に励む科学者の姿? 黒板を埋め尽くす数式や難解な専門用語? あるいは世界を変えるような画期的な発明の数々? 今日、科学を「役立たず」だと謗る人は多くない。「理解できない」と拒絶するのもはばかられる。科学はとても役に立っている。日常生活の隅々までいきわたり、我々の生活を支えている。 けれども

            なぜ「科学嫌いな人」が増えているのか…専門家が知らない「深刻な理由」(読書猿)
          • 「本を読んでも身に付かない」はどう解消する? 七つの“読書術”を岩瀬義昌が伝授 - エンジニアtype | 転職type

            NEW! 2024.07.16 スキル 岩瀬義昌 書店を覗いたりSNSを眺めたりすると、目に飛び込んでくる技術書の数々。周りのエンジニアたちの「読了」ポストに刺激されて、読書に勤しんでいる人もいるだろう。 「一生勉強」と言われるエンジニアにとって、技術書は取り入れやすいインプット手法の一つ。しかし「頑張って読んでるのに、いまいち身になっている気がしない」「本の内容が頭に入ってこない」という事象に悩まされてはいないだろうか? せっかく読んだ本の内容をしっかりと身に付けるためにはどうすればいいのかーー。 そんな疑問に「記憶力の問題じゃなくて、本の読み方に工夫が必要」と答えるのが、技術書の翻訳に数多く携わり、読書の達人として知られるiwashiさんこと岩瀬義昌さんだ。 本を読む「工夫」とは一体何か。岩瀬さんに聞いた。 NTTコミュニケーションズ株式会社 『Generative AI プロジェクト

              「本を読んでも身に付かない」はどう解消する? 七つの“読書術”を岩瀬義昌が伝授 - エンジニアtype | 転職type
            • 哺乳類の歴史をたどることで、われわれ(人間)の本質へと迫る傑作ノンフィクション──『哺乳類の興隆史──恐竜の陰を出て、新たな覇者になるまで』 - 基本読書

              哺乳類の興隆史――恐竜の陰を出て、新たな覇者になるまで みすず書房Amazonこの『哺乳類の興隆史』は、その名の通り哺乳類の歴史を追った一冊である。今地球上では、クジラや犬や猫やカンガルーや人間など、数多くの哺乳類が地上で、海で、繁栄している。その数なんと6000種類以上だ。昆虫などと比べれば少ないが、それでもけっこうな数とはいえる。しかし、歴史を振り返ればより多様な──現代の地球環境からすれば想像もつかないような──哺乳類たちが存在していた。 毛むくじゃらの巨大なゾウもいたし、バカでかい枝角を持ったシカも、車ほどの大きさのアルマジロもいた。短い後肢と長い前肢でウマとゴリラをかけ合わせたような体だったカリコテリウム類もいたし、大型化する前のミニチュアプードルほどの大きさのゾウがいた時代もあった。哺乳類は現代のものよりも小型だった時代も大型だった時代もある。それは、周辺の環境や競合の存在によ

                哺乳類の歴史をたどることで、われわれ(人間)の本質へと迫る傑作ノンフィクション──『哺乳類の興隆史──恐竜の陰を出て、新たな覇者になるまで』 - 基本読書
              • がんリスクから食べ物の消化、運動のパフォーマンスまで、身体のあらゆる側面に関わる体内時計について──『体内時計の科学:生命をつかさどるリズムの正体』 - 基本読書

                体内時計の科学:生命をつかさどるリズムの正体 作者:ラッセル フォスター青土社Amazon大半の人は朝になると目がさめて、日中は活動し、夜になると眠くなって朝まで眠る。こうした一日の中で体内では様々なホルモンの分泌量が変化しているわけだが、このリズムのことを体内時計や概日リズムという。 本作はこうした体内時計・概日リズムについてまるっと書かれた一冊だ。体内時計だけで一冊書けるの? と思うかも知れないが、意外とこれが奥深い概念、事象で、がん発生のリスクから運動のパフォーマンス、体重の増減など、身体のあらゆる側面に関わってくる。だから、体内時計を整え、特質を理解することの恩恵は莫大なのだ。 たとえば、午後の遅い時間から夕方の早い時間にかけては、休息しているときでも早朝と比べて10%多くカロリーが消費される。また、筋力や筋細胞の呼吸は、午後の遅い時間から夕方の早い時間にかけてピークを迎える。その

                  がんリスクから食べ物の消化、運動のパフォーマンスまで、身体のあらゆる側面に関わる体内時計について──『体内時計の科学:生命をつかさどるリズムの正体』 - 基本読書
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