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Courrierの検索結果361 - 400 件 / 8199件

  • ヤニス・バルファキス「資本主義は死んだ。テクノ封建制、万歳!」 | 新しい封建領主とは誰か?

    資本主義は死んだと経済学者で元ギリシャ財相のヤニス・バルファキスは言う。だが、いかにして死んだというのか? われわれはどうなるのか? 英論壇メディア「アンハード」でバルファキスが挑発的に論ずる。 一昔前、高齢のフリードリヒ・フォン・ハイエクが小粋に自分の経験談を語り、そこから社会主義の計画経済に対する厳しい批判を始めるのを聴いたことがある。 ハイエクは茶目っ気を効かせてこう語った。 「先日、ある店に入りましてね。で、店を出たとき私が手に持っていたのは、それまで自分が欲しいとは夢にも思ったことのないモノだったんですよ」 ハイエクは資本主義を擁護する人のなかでも、きわめて頭が切れる論者のひとりだ。市場を慈愛にあふれた創造主とみなし、その働きを人間が作ったシステムで再現するのは無理だと考えていた。 冒頭の小話のポイントは、市場に入るまで人は自分が何を求めているのかも知らないというところだ。それな

      ヤニス・バルファキス「資本主義は死んだ。テクノ封建制、万歳!」 | 新しい封建領主とは誰か?
    • 「何もかもが変だ」…英紙が日本半導体大手「9000億円買収」の真相を暴く | 本当に政府の「民間への介入」ではないのか

      2023年6月、日本の半導体素材大手JSRが、投資ファンドによる買収を受け入れると発表した。買収総額は推定9000億円に上る。 JSRの名を知る日本人は多くはない。だが同社は、半導体の基盤に集積回路パターンを転写するフォトレジスト(感光材)のトップメーカーで、サムスン電子や台湾積体電路製造(TSMC)、インテルなどを顧客にもつ。 フォトレジストは、半導体産業のなかで日本企業が高いシェア率を誇る数少ない分野だ。 だがJSRの買い手が産業革新投資機構(JIC)であることが判明すると、関係者はいっせいに眉をひそめた。JICは日本政府から資金提供を受ける官民ファンドで、その投資は経済産業省の監督下にある。同省は旧通商産業省の時代に企業に対して介入主義的な政策をとり、戦後日本の驚異的な経済復興を支えた。 JICが東証プライム市場に上場する株をTOB(株式公開買い付け)した後、JSRは株式を非公開化す

        「何もかもが変だ」…英紙が日本半導体大手「9000億円買収」の真相を暴く | 本当に政府の「民間への介入」ではないのか
      • 英誌が分析「トランプ当選、英国EU離脱を招いたのは日本発の量的緩和だ」 | 過剰なマネーが世界を分断した

        世界経済を根本から変えた、日本発の「量的緩和」政策 1995年9月2日、日本経済新聞は、ドイツ人エコノミスト、リヒャルト・ヴェルナーの記事を大きく取り上げた。日本は第二次世界大戦の惨禍から驚異的なスピードで立ち上がり、世界第2位の経済大国になった。しかし、1980年代に巨大な資産バブルが発生し、その崩壊後に深刻な不況に陥った。 日本が抜け出せなくなった不況の解決策として、香港の投資銀行に勤めるヴェルナーは中央銀行による信用創造を提案していた。この方法は「量的金融緩和」と呼ばれていた。 それから数十年間、彼のアイデアは形を変えて採用され、2001年の日本、2008年の米国と欧州、パンデミック中の2020年に積極的に導入された。各地の中央銀行が量的緩和政策を通じて創出した信用総額は、いまや300兆ドル(約4京5430兆円)を上回る。 量的緩和政策によって巨額の資金がもたらされたことによって、現

          英誌が分析「トランプ当選、英国EU離脱を招いたのは日本発の量的緩和だ」 | 過剰なマネーが世界を分断した
        • 日本の「シティポップ」が、香港で新たな音楽ジャンルに姿を変えていた | ノスタルジーに夢中な若者たち

          竹内まりやの「プラスティック・ラブ」をきっかけに、80年代日本のシティポップがネット上でリバイバルしたことを知っている人は多いだろう。これが姿を変え、フューチャー・ファンクという新たなエレクトロミュージックのジャンルに成長し、香港で定着しているという。「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が取材した。 なんとなく懐かしい ショウワ・シティクラブは目立たない。急速に姿を変える香港・九龍の深水埗地区の一角にある、家電量販店に隣接した地味な店だ。 店内には日本のポップカルチャーにまつわるヴィンテージ品が見られる。アニメのフィギュアの隣にラバランプやカシオのデジタル時計が置かれ、レコードの棚には、角松敏生をはじめとするバブル時代のヒットメーカーのアルバムがずらりと並ぶ。 だがこのヴィンテージ・ショップは、単なる「過ぎ去りし日の日本におけるポップカルチャーの祭壇」ではない。 ここはフューチャー・フ

            日本の「シティポップ」が、香港で新たな音楽ジャンルに姿を変えていた | ノスタルジーに夢中な若者たち
          • 米大学で意外な研究結果「スタートアップが失敗する原因は、組織にヒエラルキーがないことだ」 | フラットな組織づくりを目指す起業家は多いけれど

            組織のヒエラルキーというのは、クリエイティブさを失わせるとしてネガティブに語られがちだ。しかし、各従業員が自律的に行動するフラットな組織を追求するのは、自由な発想が重要なスタートアップにおいても危険だという研究結果が発表された。 フラットな組織は本当に成功するのか? 上司がおらず、すべての従業員が同じレベルにいるというフラットな組織作りを目指す起業家は多いだろう。しかし、ペンシルベニア大学ウォートンスクールの経営学准教授であるロニー・リーは彼らに警鐘を鳴らす。 というのは、フラットな組織構造を持つスタートアップは失敗しがちということが、リーの最近の研究で明らかになったのだ。 「“ヒエラルキー”や“管理職”という概念を嫌う起業家は多いですが、結局のところ管理職は絶対に必要です。起業家が考えるよりもずっと早い段階で組織構造について計画し、適切なヒエラルキーを設計しなくてはいけません」とリーは語

              米大学で意外な研究結果「スタートアップが失敗する原因は、組織にヒエラルキーがないことだ」 | フラットな組織づくりを目指す起業家は多いけれど
            • 韓国「いじめ処罰」厳格化へ 「あなたのいじめ歴、大学入試でも就職でも一生ついてきます」 | 与党が法案提出を準備

              韓国の与党が、学校でのいじめの加害記録を永久に残す法案の提出へ向けて準備を進めている。この法案が可決すれば、いじめをしたことのある人が大学入試や就職活動で困難な状況に直面する可能性がある。 与党「国民の力」の政策委員会の上級専門家であるキム・ヨングンは4月6日、「深刻な校内暴力の記録が残る期間の延長」を求めていると語った。 韓国の英字紙「コリア・ヘラルド」によると、競争率の高い大学への進学では、高校の成績や課外活動などが重視されている。だが、このいじめ防止に関する法律が制定されれば、大学や雇用主は高校の懲戒記録をより詳しく調べることができるようになる可能性がある。 5日に開かれた与党の政策委員会で議長を務めたパク・デチュル議員は、声明でこう述べた。 「学生時代に校内暴力の被害者になった経験は、大人になってもトラウマになるなど、人生全体に悪影響を及ぼす」 パクは、いじめ対策は最優先課題だと強

                韓国「いじめ処罰」厳格化へ 「あなたのいじめ歴、大学入試でも就職でも一生ついてきます」 | 与党が法案提出を準備
              • チョムスキー「ロシアはウクライナでイラク戦争時の米国より人道的に戦っている」 | 和平交渉を拒否し、自国の利益を追求しているのは西側

                和平交渉を拒否し、自国の利益を追求しているのは西側 チョムスキー「ロシアはウクライナでイラク戦争時の米国より人道的に戦っている」 2004年の米軍の攻撃によって破壊された自宅を見て泣くイラク人の少年。2023年に開戦から20周年を迎えたイラク戦争では、18万6000~21万人の民間人が亡くなったと推定される Photo by Scott Peterson/Getty Images

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                • ユヴァル・ノア・ハラリ「ロシアのウクライナ侵攻を地球上のあらゆる人が懸念すべき理由」 | 悲劇が繰り返されるかは、人間の選択にかかっている

                  ※ この記事は英誌「エコノミスト」で2022年2月9日に掲載されたものです。 歴史は永遠に繰り返されるのか ウクライナ危機の核心にあるのは、歴史と人類の本質に関する、「変化は可能か」という根本的な疑問だ。人間は自らの行動を変えられるのか、それとも歴史は永遠に繰り返され、過去の悲劇は再現されるのか。 ある学派は、「変化」の可能性をきっぱりと否定する。世界はジャングルのようであり、強者は弱者を餌食にする。彼らの主張は、ある国が別の国を食い物にするのを防ぐには軍事力しか手段がないということだ。これまでもそうであったし、これからもそうであろう。弱肉強食の法則を信じない者は自らを欺き、自分の存在自体を危険にさらしていることから、長くは生き残れないという。

                    ユヴァル・ノア・ハラリ「ロシアのウクライナ侵攻を地球上のあらゆる人が懸念すべき理由」 | 悲劇が繰り返されるかは、人間の選択にかかっている
                  • 大反響! 「ティックトック父さん」との擬似テレビ電話で性犯罪から身を守れ | もしも、タクシーで恐怖を感じたら

                    10代の娘を持つあるお父さんのアイディア 非常に便利ではあるが、事件も少なくない配車サービス。米「ウーバー」が2019年末に公表した報告書によると、同社のサービス中に運転手や利用客が関わった性的暴行事件の報告数は、アメリカ国内で年間3000件以上にのぼる。 報告があった性的暴行のうち、乗り合わせた乗客が関与したケースが56%を占め、運転手が関与した比率もこれに近いと、米メディア「ブルームバーグ」は報じている。 とはいえ、夜遅い時間の帰宅ともなると、アメリカでは公共のバスや電車を使うよりも、配車サービスの方が安全だと捉えられている節がある。

                      大反響! 「ティックトック父さん」との擬似テレビ電話で性犯罪から身を守れ | もしも、タクシーで恐怖を感じたら
                    • スタジオジブリのアニメは、欧米による「日本の見方」を変えてきた | 敵ではなく、夢を見せる国としての日本

                      犯罪率が低く、モノづくりによって成長を遂げた経済大国であり、いまは少子高齢化が止まらない国──世界は日本に対してそんなイメージを抱えているだろう。 だが、世界の「日本」に対する印象に大きく関わってきたのは結局、アニメや漫画などの「ファンタジー」なのかもしれない。なかでも80年代、スタジオジブリが欧米の若者に与えた影響について、英メディア「アンハード」が報じた。 日本は「夢の工場」だった インターネットの登場以前、米国のティーンがアニメを見るには「違法な手段」に訴えるしかなかった。海賊版ビデオカセットはファンのあいだで、まるで「見るドラッグ」みたいに流通していたのだ。 新しいアニメの発見は、小さな啓示みたいだった。未知の国に一歩足を踏み入れたようだった。彼方の国である日本について私が知っていたことといえば、祖父の語る戦争の話と、夕方のニュースで流れる暗い話に限られていた。 80年代は、日本と

                        スタジオジブリのアニメは、欧米による「日本の見方」を変えてきた | 敵ではなく、夢を見せる国としての日本
                      • 大量の「有害な投稿」を15人だけで管理することになったツイッターで起きている問題 | 【Eye Spy】スパイがツイッター社内に紛れ込む可能性も

                        日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回取り上げるのは、イーロン・マスクが買収を完了させたことでいま世界を騒がせているツイッター社について。 ツイッターから追い出された「砦」 世界一の大富豪であり、“お騒がせ”起業家であるイーロン・マスクが、ツイッターの買収を完了させた。ツイッター社内の変革が進められるなか、いち民間企業の買収騒動が連日、世界的な大ニュースになっている。 というのも、タイミングが絶妙だったからだ。アメリカでは、ツイッターのあり方が「ポリティカル・コレクトネス」と「表現の自由」という二つの視点から議論されることが多い。 ツイッター上の過激な発言や、トランプ支持者的な陰謀論が蔓延しているとして、左派はコンテンツの規制を求

                          大量の「有害な投稿」を15人だけで管理することになったツイッターで起きている問題 | 【Eye Spy】スパイがツイッター社内に紛れ込む可能性も
                        • イスラエルの歴史学者がピケティを痛烈批判「資本主義によって格差は飛躍的に改善した」 | 社会主義の掲げる「人類みな平等」こそ幻想だ

                          ──あなたは「人間は平等という左派の主張は神話にすぎない」と指摘しています。平等な社会を実現しようとする左派の試みは幻想でしかないのでしょうか? 左派の場合は、「合理的思考」と「信じすぎるがゆえに現実をゆがめる信念」が混ざり合っています。大いなる思想は例外なくそういうものです。世界を変えようと思ったら、理屈だけでなく「神話」が必要です。神話は右派だけでなく、左派にもあります。 ──「平等の神話」を生み出したことこそ、全世界の左派が成し遂げた最大の功績だとあなたは言っています。 左派はあらゆる社会に平等の理念を刻み込みました。ファシズムやナチズムでさえ、平等の神話から得るものがありました。民主主義も左派とのつながりがあります。 人民の名において議論し、その内容を選挙によって実践しようとするのが民主主義です。その一方で、民主主義は全体主義にもなりえます。地球上で最も全体主義的な国である北朝鮮も

                            イスラエルの歴史学者がピケティを痛烈批判「資本主義によって格差は飛躍的に改善した」 | 社会主義の掲げる「人類みな平等」こそ幻想だ
                          • バラク・オバマ「私はドナルド・トランプよりチンギス・ハンに敬意を抱いている」 | 第44代アメリカ大統領ロングインタビュー

                            異例づくしの大統領回顧録 バラク・オバマが私に説明していたのは、戦争犯罪のイノベーターであるモンゴル帝国皇帝チンギス・ハンの都市攻めの仕方だった。 「与えられた選択肢は二つでした。『いま門を開くなら、男たちはすぐに殺すが、女子供の命は助けてやる。ただし女は連れ去り、子供は奴隷にする。一方、抵抗するなら、お前たちは油でじっくり釜茹でにされ、皮を剥がされることになる』」 これがトランプ政権時代を振り返ってのオバマの総評だった、というわけではない。少なくとも、直接的にはそのような意味が込められていたのではない。そもそもドナルド・トランプよりチンギス・ハンに敬意を抱くのがオバマなのである。 チンギス・ハンの話を出したのも、いかにもオバマらしい、具体的な指摘をしたかったからだ。もしいまの世界が残酷だと思う人がいるなら、800年前の中央アジアの草原の世界に思いを馳せればいいというわけだ。 オバマは言う

                              バラク・オバマ「私はドナルド・トランプよりチンギス・ハンに敬意を抱いている」 | 第44代アメリカ大統領ロングインタビュー
                            • 中国発の激安EC「Temu」の“危ない経営”を財務データから読み解く | 謎多き「注目企業」

                              「謎」多きECサイト 彼女が手にした商品はすべて、Temuの親会社である中国企業PDDホールディングスから送られてきたものだ。PDDのビジネスはサードパーティが出店するアマゾンのマーケットプレイスに類似しており、買い手と売り手を結びつけて取引手数料を徴収し、出店者側にはプラットフォーム上に広告を出すことを求める。 同社の目標は、より速く安価に商品を提供するためにビジネスモデルを進化させ、これまでの「買い物の在り方」を変えることだという。すでに約50の国と地域にTemuのサービスを拡大したPDDは、いまや「最も野心的な小売企業」と目されている。 そんな同社の戦略はさまざまな層に向けた広告を打つことで、欧米ユーザーをアプリに誘導するという案外使い古されたものだ。AIによってユーザーの消費動向を予測するTemuは、中国の工場から配送料ゼロの直送方式で出荷することで低価格販売を可能にしている。 中

                                中国発の激安EC「Temu」の“危ない経営”を財務データから読み解く | 謎多き「注目企業」
                              • 海外メディアは「EVに出遅れて過去最高益を出したトヨタ」をどう報じたか | 必要だったのは自社戦略への自信?

                                遅いEVシフトに相次ぐ批判も 2023年5月、英誌「エコノミスト」はトヨタをはじめとする日本の自動車メーカーが電気自動車(EV)へのシフトに出遅れていると指摘した。同誌は取材に応じた環境経営コンサルタント、村沢義久のコメントを掲載している。 「日本のメーカーは、世界で起きていることを見ようとしません。まるで江戸時代の鎖国のようです」 世界最大の自動車メーカーであるトヨタですら、2022年の総販売台数およそ1050万台のうちEVが占めるのは2万4000台ほどに過ぎなかった(対するテスラは130万台)。環境保護NGO「グリーンピース」は、世界トップ10に名を連ねる自動車メーカーのなかで、トヨタ、そしてホンダと日産は脱炭素化の取り組みにおいて最低の部類に入るとランク付けた。

                                  海外メディアは「EVに出遅れて過去最高益を出したトヨタ」をどう報じたか | 必要だったのは自社戦略への自信?
                                • スラヴォイ・ジジェク「欧州は難民に対する“二重基準”という醜さを曝け出した」 | ヨーロッパを守るとはどういう意味か

                                  スロベニアの哲学者スラヴォイ・ジジェクがメディア「プロジェクト・シンジゲート」に「ヨーロッパを守るとはどういう意味か?」と題した記事を寄稿。難民対応へのダブルスタンダードを批判し、ヨーロッパを守るための最善の方法について、ロシアや中国よりも良い選択肢を提供できると他国に示すことだ、と論じている。 二重基準「誇りと恥」 ロシアのウクライナ侵攻を受け、スロベニア政府は即座に20万人のウクライナ人難民を受け入れる用意があると宣言したと、現地メディア「トータル・スロベニア・ニュース」などが伝えている。 このニュースについてジジェクは「私はスロベニア国民として、誇りに思うと同時に恥ずかしくも思った」と記し、スロベニア政府が、アフガニスタン難民の受け入れを拒否し、ベラルーシからポーランド国境に大勢の移民が押し寄せる「移民危機」が起こった際にはヨーロッパが攻撃を受けていると主張して、排除を支援した事例と

                                    スラヴォイ・ジジェク「欧州は難民に対する“二重基準”という醜さを曝け出した」 | ヨーロッパを守るとはどういう意味か
                                  • 中世の「貴族の食卓」に肉料理は並んでなかった? 歴史の通説を覆す“人骨研究”の結果 | 貴族も肉より「パンや野菜を食べていた」

                                    貴族が「肉をよく食べていた」証拠はない これまで中世のアングロサクソンの王様や支配階級の人々は、農民やその他の人々がなかなか口にできない、肉料理が中心の贅沢な食事をしていたと信じられてきた。 だが、この説を覆す研究結果が4月末に発表された。その最新の調査結果によると、王や支配階級は、実際のところはそれほど肉を口にしておらず、振舞われていた食材自体は平民たちとほぼ同じ。パンを主食に、野菜やスープを食べていたという。 この研究はイギリスの考古学者や歴史学者らによって行われたもので、彼らが導き出した結果は、5世紀から11世紀にかけてイギリスで埋葬された2000体以上の人骨の分析に基づく。

                                      中世の「貴族の食卓」に肉料理は並んでなかった? 歴史の通説を覆す“人骨研究”の結果 | 貴族も肉より「パンや野菜を食べていた」
                                    • 「低成長」と「安定」は強み… 英紙が「日本経済は復活しつつある」と考える理由 | 「最大の景気回復」が起きるのはいつ?

                                      日経平均が連日高値を維持し、有名投資家ウォーレン・バフェットが日本株買いを進めるなか、「日本経済復活」への期待が海外投資家の間で高まっているという。なぜいま景気が上向いているのか、この傾向は今後も続くのか──気になる日本経済の行方を英紙がアナリストらに取材した。 2023年5月18日の午後、世界中の投資家が「日本の日の出」と題された調査報告書を受け取った。 富裕層向けに金融サービスを提供する、シンガポール銀行のチーフエコノミストによって書かれたものだ。久しぶりに日本に関心が戻っていると、投資家たちは口をそろえる。 日本経済の復活が囁かれ、また失望するというパターンがこれまで何度も繰り返されてきた。だが、今回こそは違うかもしれないと彼らは考えている。日本経済はついに、その勢いを回復しつつあるようだ。問題は、この状況がいつまで続くかだ。 低成長と安定は強み 現時点に限って言えば、日本買いの勢い

                                        「低成長」と「安定」は強み… 英紙が「日本経済は復活しつつある」と考える理由 | 「最大の景気回復」が起きるのはいつ?
                                      • 女性兵士は「玩具」で「二級市民」──なぜ韓国軍は性暴力の温床になったのか | セクハラを苦にした「自殺事件」が相次いで発生

                                        韓国で性的暴行を受けた女性兵士の自殺事件が立て続けに起きている。その背景には、女性を「モノ扱い」し、不祥事は徹底的に隠蔽しようとする韓国軍の歪んだ体質があると米紙「ニューヨーク・タイムズ」は指摘する。 今年3月2日の夜、兵士たちは夕食を終え、韓国空軍の基地に車で向かっていた。後部座席では、副士官のイ・イェラムが同僚の男性兵士チャン・ドンフンに性的暴行をやめるように繰り返し頼んでいた。 「お願いですから、どうかやめてください」──車載カメラに記録されていた会話のなかで彼女はそう訴えていた。 国防部の調査員によれば、チャンにキスをされ、体を触られたとイが告発すると、上官らはその訴えをもみ消そうとしたという。軍がチャンを正式に告訴したのは、まだ23歳だったイが事件のおよそ2ヵ月後に自らの命を絶った後だった。チャンはその後、性的暴行の罪を認めた。 韓国では、女性兵士が性的暴行を受けたと報告した後に

                                          女性兵士は「玩具」で「二級市民」──なぜ韓国軍は性暴力の温床になったのか | セクハラを苦にした「自殺事件」が相次いで発生
                                        • 退職は夢のまた夢… 働かざるを得ない日本の高齢者たちの「厳しい老後」 | 生きるためには働くしかない

                                          世界のどこよりも急速に高齢化が進む東アジアの国々では、若い世代が減少する一方、70歳を超えても働かざるを得ない人が大勢いる。彼らの厳しい暮らしぶりと高齢者を取り巻く労働市場を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。 オオナミ・ヨシヒトの望みはただ一つ、仕事を辞めて疲れ切った体を休めることだった。 だがそうする代わりに、73歳のオオナミは毎日深夜1時半に起床し、車で1時間かけて東京湾に面した青果市場へ向かう。キノコ、ショウガ、サツマイモ、ダイコンなどの野菜を車に積み込む過程で、7キロくらいある箱を持ち上げることもしょっちゅうだ。腰には相当な負担がかかる。 それが終わると、都内を車で走り回り、レストランへの配達をこなす。回るのは1日に多くて10軒ほどだ。 ある朝、彼はクリップボードでその日の注文を確認しつつ、市場をせかせかと歩きながらこう言った。「体がいうことを聞く限り、働き続けなくてはな

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                                          • 英誌が警告、「ハイブリッド車ブーム」に満足している企業は競争に負ける | トヨタは「最終的な勝者」ではない

                                            欧米ではEVの販売が低迷する一方、ハイブリッド車の売れ行きが好調だ。各メーカーともEVに専念するのをやめ、ハイブリッド車を作る戦略に切り替えている。しかし、そのブームは一時的なものに過ぎないと、英誌「エコノミスト」が警鐘を鳴らす。 高まるハイブリッド車人気 自動車業界はいま、ガソリン車から、バッテリーで稼働する電気自動車(EV)への転換を通じてCO2の排出をなくそうとしている。しかし、そのどちらも欲しがる消費者が増えつつあり、プラグインハイブリッド車(PHEV)の売り上げが爆発的に伸びている。 PHEVはEVの価格が高すぎる、あるいは充電スタンドの配備が不充分だと考える消費者に人気だ。2023年、バッテリー式電気自動車(BEV)の世界的な売り上げは、PHEVに対して2倍だったが、その差は急激に縮まってきている。投資調査会社バーンスタインによると、2024年上半期、PHEVの売り上げは前年同

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                                            • 日本に世界有数の「高級スキーリゾート」を造ろうと奔走する外国人 | 米経済メディアが現地取材

                                              日本のバブル時代に栄えたスキーリゾート地を再開発し、そこに海外からの富裕層を呼び込もうと画策する未公開株式投資会社の社長に、米経済メディア「ブルームバーグ」が取材する。 東京から北西に約240キロ離れた、日本海へと至る白銀の谷に、妙高高原と呼ばれるひっそりとしたスキーリゾート地がある。1980年代のバブル時代には、若いスキー客が押し寄せ、街の通りもネオンがきらめいて活気があったこの地域は、いま寂れている。 だが、シンガポール政府系投資ファンド「GIC」の日本支社代表を務めたケン・チャン(56)はこの先数年で、約14億ドル(2080億円)を投じて、妙高をアスペン(米国)やウィスラー(カナダ)、サンモリッツ(スイス)と張り合える豪華なスキーの楽園に変えようと目論んでいる。 チャンの投資会社はこの2年間、周辺の土地を円安のおかげで安く買い進めてきた。2026年までに、国際展開している高級ホテルや

                                                日本に世界有数の「高級スキーリゾート」を造ろうと奔走する外国人 | 米経済メディアが現地取材
                                              • 琉球王朝の美術品が米退役軍人の家から発見! 美術館に売ろうとしたが… | 第二次世界大戦中に「消えた」王家の宝

                                                第二次世界大戦最後の数ヵ月、日本の沖縄諸島は凄惨な戦場となり、かつて当地の支配階級だった王族は戦火を逃れて避難した。その戦闘のさなか、米軍兵士の一団がその王族の御殿を占拠した。御殿の財産管理人は後年、「終戦後に御殿に戻ると、そこに王家の宝物はなかった」と証言している。 沖縄戦から80年近く経過した2023年1月、これらの宝物の一部がマサチューセッツ州の退役軍人宅の屋根裏部屋で発見された。米連邦捜査局(FBI)は2024年3月15日に会見を開いたが、退役軍人の身元は明かさなかった。 退役軍人の男性は2023年に死去している。遺族が屋根裏部屋に遺品整理のために入ると、色鮮やかな絵画や陶器が出てきた。いまにも壊れそうな大きな掛け軸や、精緻に描かれた絵地図も見つかった。遺族はFBIの盗難美術品捜査官チームに通報した。 現場に派遣されたFBIボストン支局盗難美術品部門主任のジェフリー・ケリー特別捜査

                                                  琉球王朝の美術品が米退役軍人の家から発見! 美術館に売ろうとしたが… | 第二次世界大戦中に「消えた」王家の宝
                                                • 中国と国境を接する極東ロシアで、いま何が起きているのか? ロシア崩壊後の国際社会は? | ロシア出身の歴史家アレクサンドル・エトキントが予測

                                                  ロシアに対する「復讐」もあり得る ──最初に分離独立運動が始まる地域はどこになりますか。 まずはコーカサスで始まり、そこから東へ拡大していくのではないでしょうか。それがどこまで広がるのかは、現段階ではわかりません。 ロシア帝国の未来の鍵を握るのはシベリアのはずです。ロシアの原油と天然ガスの大半は、ハンティ・マンシ自治管区とヤマル半島の西シベリアの2地域から出ています。これらの2つの自治管区が、湾岸諸国のように、自分たちの資源を自分たちで運用したいと考え出す可能性があります。そうなってしまうと、中央の権力は、生命保険を失ったも同然です。

                                                    中国と国境を接する極東ロシアで、いま何が起きているのか? ロシア崩壊後の国際社会は? | ロシア出身の歴史家アレクサンドル・エトキントが予測
                                                  • 古代ローマ人は「去勢された永遠の少年」をどう見ていたのか? | 彼か彼女か、それとも…

                                                    なぜ古代世界には「去勢」の風習があったのか? 去勢された者はどんな存在と見られていたのか? 古代ローマ世界での場合を中心に、イスラエル紙「ハアレツ」の考古学記者が深掘りする。 世界で初めて故意になされた雄の去勢が何だったかは、永久に不明のままだろう。現代の歴史家たちは、去勢は畜産から始まったと示唆している。それは、望ましくない繁殖を減らし、より穏やかで、より肥えた牛や豚を生み出すためだったというのだ。 人間の男性の去勢はどうやら、罰の一種として最初に導入されたようだ。古代の史料は、誰が最初にそれを始めたのかを明快に語っている。これほど倒錯したことを思いつけるのは、女しかいないだろうと──。 ギリシャの歴史家ヘラニコス(前5世紀末に著述活動)は、アケメネス朝ペルシア(前550〜前330年)の王妃アトッサ(在位前520〜前486年)が最初の宦官を生み出したとしている。古代ローマ後期、ローマの住

                                                      古代ローマ人は「去勢された永遠の少年」をどう見ていたのか? | 彼か彼女か、それとも…
                                                    • なぜメトロポリタン美術館に第二次大戦中の「日本のプロパガンダ写真」が大きく掲げられたのか | 米紙が辛口批評「性別を理由に無闇に称賛していないか」

                                                      抑圧された生きづらい社会を生き抜いて活躍した女性たちの姿を見ると、勇気づけられるものだ。だが女性という「性別」だけにとらわれ、残した功績の裏側にある歴史を見落とすことは本末転倒なのではないか──男性優位の写真の分野で活躍した日本人女性、笹本恒子の作品が展示されたことを受け、歴史家が米紙「ワシントン・ポスト」に寄稿している。 2021年7月2日~10月3日にかけて、「カメラの背面に立つ新しい女性(The New Woman Behind the Camera)」と銘打った特別展がニューヨークのメトロポリタン美術館(MET)で開催された(現在はワシントンのナショナル・ギャラリーに巡回中。会期は2022年1月30日まで)。これは、20世紀前半に活躍した重要な女性写真家の作品を紹介した写真展になる。 ニューオーリンズの黒人コミュニティで写真スタジオを開いて成功した女性写真家たちをはじめ、世界各地で

                                                        なぜメトロポリタン美術館に第二次大戦中の「日本のプロパガンダ写真」が大きく掲げられたのか | 米紙が辛口批評「性別を理由に無闇に称賛していないか」
                                                      • 英王室が「誘拐した」エチオピアの王子 彼の遺骨はいまも「人質」にとられている | なぜ王室は遺骨の返還を拒むのか

                                                        19世紀、マグダラの戦いに勝利した英国は、エチオピアから若き王子を英国へ連れ帰った。アレマエフ王子はヴィクトリア英女王に気に入られ、幸せな生活を送ったとされるが、歴史家の見解は違うようだ。 アレマエフの遺骨はいまも英王室のウィンザー城に眠っているが、エチオピア政府は「誘拐された」王子の遺骨返還を強く求めている。 7歳で英国へ渡る 彼は英国王室の寵児だったのか、それとも戦争捕虜だったのか──。 エチオピアの若き王子が、故郷の東アフリカから8000キロ以上離れた英国のウィンザー城に埋葬されるに至った経緯は、いまだにその波紋を広げている。王子の遺骨の返還を拒んだ英王室は批判にさらされ、英国は再び植民地時代の過去に向き合うことを余儀なくされている。 ディジャズマッチ・アレマエフ王子は、アビシニア(現在のエチオピア)の王位継承者だった。1868年、彼の父で皇帝だったテオドロス2世は、英国軍との「マグ

                                                          英王室が「誘拐した」エチオピアの王子 彼の遺骨はいまも「人質」にとられている | なぜ王室は遺骨の返還を拒むのか
                                                        • 西洋美術史は「ストレートの白人男性色が強い」から「廃止」への違和感 | 名門イェールの決定はポリコレによる文化破壊か

                                                          アメリカの名門イェール大学が、美術史学科の「西洋美術の入門(概説)コース」の廃止を発表した。その理由に「行き過ぎではないか」との声が挙がっている。 学生から人気のコースだったのに… たとえば、米国では祝日である「コロンブスデー」を「先住民の日」に変更するという動きがある。これは、ヨーロッパ的(入植者)な見方に偏った歴史解釈を正そうという動きのひとつ。 1492年にクリストファー・コロンブスが「新世界」アメリカを「発見した」というのは、また、その日からアメリカの歴史は始まったとして祝うのは、言うまでもなくヨーロッパ的な見方に偏重したものだ。実際は、南北アメリカ大陸にはすでに何千万もの人たちが暮らしていたことが判明している。 さて、これと同じ流れの話ではあるが、「さすがに行き過ぎではないか」との声が挙がっているのが、アメリカのイェール大学の美術史学科の「西洋美術の入門(概説)コース」の廃止発表

                                                            西洋美術史は「ストレートの白人男性色が強い」から「廃止」への違和感 | 名門イェールの決定はポリコレによる文化破壊か
                                                          • 「私はメタバースにログインしてからたった60秒で、集団レイプ被害に遭った」 | 仮想現実でも止まらない性犯罪

                                                            仮想現実でも止まらない性犯罪 「私はメタバースにログインしてからたった60秒で、集団レイプ被害に遭った」 ログインして60秒でレイプ被害に メタバースにアクセスできるアプリ「Horizon」をメタ社が公開してからわずか2ヵ月後、メタバースの研究をしている心理療法士のニナ・ジェーン・パテル(43)というユーザーから、集団レイプを受けたとの報告があった。 パテルは自分の経験をオンラインプラットフォーム「Medium」に公開している。英紙「インディペンデント」などが報じるところによれば、経緯は次の通りだ。 「ログインして60秒後に、暴言と性的な嫌がらせを受けました。3~4人の男性アバターが私を取り囲み、自撮りしながら私のアバターをまさぐり始めたのです。離れようとしましたが、彼らは笑ったり叫んだりしながら後を追いかけてきました。彼らは執拗で、『本当は気持ちいいんだろ』『この写真でオナニーでもしろ』

                                                              「私はメタバースにログインしてからたった60秒で、集団レイプ被害に遭った」 | 仮想現実でも止まらない性犯罪
                                                            • ウクライナ“ティンダー”戦争──戦時下のマッチングアプリで何が起こっているのか? | ロシアでSNSが禁止されたいま、ティンダーの役割が増している

                                                              今回のウクライナ戦争では、マッチングアプリ「Tinder」が本来の目的を超えて大活躍している。英メディア「アンハード」の記者が、主要SNSが禁止されたロシアの人々や、戦火のウクライナにいる人々とTinderで繋がってみると……。 SNSがダメならTinderで 自分の街のパートナー候補に満足できない人にとって、Tinder(ティンダー)の機能はおあつらえ向きだ。月18ポンド(約2900円)払えば、自分がそこにいなくても、世界中のあらゆる街に住む人々と繋がることができる。 すでに報道されてきたように、今回の紛争ではソーシャルメディアが大きな役割を果たしている。ウクライナの人々はスマホを使い、ロシア軍による恐ろしい体験を世に広めてきた。 しかしロシアでは、Facebook、Twitter、TikTok、Instagramのすべてが禁止され、ほとんどの市民にはフェイクニュースとプロパガンダだけが

                                                                ウクライナ“ティンダー”戦争──戦時下のマッチングアプリで何が起こっているのか? | ロシアでSNSが禁止されたいま、ティンダーの役割が増している
                                                              • 中国の「琉球ブーム」を英誌はこう見た─沖縄をめぐって展開される「中国のいつものやり方」 | 習近平の“意味深発言”の意図は?

                                                                6月、習近平国家主席が琉球について言及したのを機に、中国では琉球の帰属をめぐるメディアの報道が増えつつある。この状況を作り出した中国側の意図を、英経済誌「エコノミスト」が専門家の意見を交えながら解説する。 なぜいま、琉球なのか 6月初め、習近平は北京の史料展示研究施設である国家版本館を訪れた。それは一見、通常の視察のように思われた。中国の最高指導者である習は、動物の骨に刻まれた古代文字や宋朝(960-1279年)の天文図など、興味を引かれたさまざまな展示物についてコメントした。 だが最も注目されたのは、明朝(1368-1644年)の古文書についての発言だった。その古文書には、中国の福建省と独立国であった琉球王国(後に日本の沖縄県となる島々)の古い絆に関する記述があった。 この書物は「重要な政治的役割を担っています」とスタッフは説明した。習はそれを受けて、福建省で高官を務めた経験から、この交

                                                                  中国の「琉球ブーム」を英誌はこう見た─沖縄をめぐって展開される「中国のいつものやり方」 | 習近平の“意味深発言”の意図は?
                                                                • 銀行化する航空会社─マイルはこうして「大金を使う人」のものになった | マイレージプログラムの歴史と裏側

                                                                  日々の買い物も航空会社提携のクレジットカードで決済し、特典航空券のためにこつこつと「マイル」を貯める、航空会社の「ステータス」を維持するために、高い年会費を払ってカードを持つ──あなたの周りにも一人や二人、こういう人がいるのではないだろうか。 米ヴァンダービルト大学ロースクール教授のガネッシュ・シタラマンは、マイレージプログラムの進化が航空会社を「片手間に飛行機を飛ばす金融機関のような存在」に変貌させたと語る。 米デルタ航空は9月、マイレージプログラム「スカイマイル」のサービスに変更を加えると発表した。これまでの利用金額と飛行距離の組み合わせに応じたステータス(上級会員資格)の付与から、利用金額のみに基づいた付与に切り替え、ステータス取得に必要な利用金額を引き上げる。 つまり、スカイマイルは「頻繁に飛行機を利用する人」ではなく「大金を使う人」のプログラムとなるのだ。この変更による衝撃はあま

                                                                    銀行化する航空会社─マイルはこうして「大金を使う人」のものになった | マイレージプログラムの歴史と裏側
                                                                  • 「週4日労働」が地球を救う──気候危機を止めるために労働時間を短縮すべき理由 | もっと休んで、もうちょっと「貧しく」

                                                                    先進国の労働者たちは実によく働き、よく生産し、よく消費し、よく排出してきた。その結果、気候変動との戦いはいよいよ厳しさを増してきている……。この危機を人類が乗り越えるため、英紙「フィナンシャル・タイムズ」のコラムニスト、サイモン・クーパーは「週4日労働」を提案する。 「気候変動を食い止めるため」と、人々に生活を変えるよう訴えかける文句はいつもひどい。 「飛行機に乗るな」、「車を運転するな」、「衣服やコーヒー、休暇などにお金を使うな」。「そうすれば100年後の地球は、人が住めなくなるほどにはならないかもしれない」。そう言っているも同然だ。これではウケが悪いのも無理はない。苦行は誰も好まないものである。 有権者の生活が少しでも不便になるやいなや(エネルギー価格が高騰しているいまはまさにそうだ)、政府は気候変動対策を放り投げ、地球を温め続けようと躍起になる。政治家は国内総生産(GDP)を毎年増や

                                                                      「週4日労働」が地球を救う──気候危機を止めるために労働時間を短縮すべき理由 | もっと休んで、もうちょっと「貧しく」
                                                                    • 日本の女性議員は「権力ある男性政治家」に取り入らなければ当選できない | 政界に蔓延するセクハラと性差別

                                                                      衆院選を前に、セクハラや性差別に苦しむ日本の女性政治家を英紙「ガーディアン」が取材。「日本の政界ではガラスの天井がむしろ補強されてきた」と、男性優位の与党・自民党の体質を批判している。 日本の女性政治家はセクハラの標的 安田真理は自分のSNSを確認するのが怖くなった。テレビ番組が、今週おこなわれる衆議院選挙の「注目すべき候補者」として彼女を紹介すると、「女性は国会議員に立候補すべきでない」と信じる人たちから匿名のコメントが寄せられたのだ。 「彼らは、私が出世のために権力者の男性と寝ていると非難したり、事務所に誹謗中傷の電話をしてきたりします。男性から、私の容姿についての感想やデートのお誘いメールも届きます」と安田は言う。彼女は野党・立憲民主党に属し、兵庫県の議席を争う。 セクハラは、日本で公職選挙に立候補する女性にとって避けられないものだ。日本における女性の政治参加は世界最低レベルにある。

                                                                        日本の女性議員は「権力ある男性政治家」に取り入らなければ当選できない | 政界に蔓延するセクハラと性差別
                                                                      • 日本のヤクザや世界の独裁者をも支援──こんなに黒かったクレディ・スイスの実態 | 救済された金融機関の不祥事だらけの深すぎる闇

                                                                        米シリコンバレー銀行の破綻に続き、スイスの金融大手クレディ・スイスも経営危機に陥った。救済のため、3月19日、スイスの金融最大手UBSが同グループを買収すると発表した。 チューリッヒ大学でスイスの金融史を研究してきた現代史教授トビアス・シュトラウマンは、「この買収で市場は落ち着く」と、スイス紙「ル・タン」に述べる。彼は、クレディ・スイスの問題は、「不祥事を繰り返し、それに伴って損失を何度も出してきた。しかし、問題への対応が遅かった」ことだと指摘する。 独裁者を助けてきたクレディ・スイスの闇 では、クレディ・スイスはどんな不祥事を引き起こしてきたのだろうか。スイス紙「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」によると、まず、同行は、世界の独裁者や犯罪組織などの不正資金を長年受け入れてきた。

                                                                          日本のヤクザや世界の独裁者をも支援──こんなに黒かったクレディ・スイスの実態 | 救済された金融機関の不祥事だらけの深すぎる闇
                                                                        • ロシア国営通信が「勝利記事」の予定稿を誤送信! その署名記事でバレた「プーチンの真の狙い」 | RIAノーボスチ通信のフライング記事の中身とは

                                                                          ロシア国営メディアがなんとウクライナ侵攻についてあらかじめ準備していた記事を誤って配信していたことが発覚。すぐに削除されたが時すでに遅し。この大失態と、その内容から読み取れる「プーチンの頭の中」を、NHK『国際報道』前キャスターの池畑修平氏が読み解く。 侵攻48時間で「勝利宣言」のはずだった メディアで働く者にとって、予定稿の誤送信や誤掲載は、悪夢だ。 予定稿とは、たとえば選挙での当選確実の報せなど、これから起きるとわかっている事象に備えてあらかじめ書いておく記事のこと。迅速な報道のために予定稿の準備は必要不可欠だが、ごく稀に、何らかの手違いで「フライング」が発生してしまう。 つまり、その事象がまだ起きていないのに、記事が出回ってしまうのだ。洋の東西を問わず、担当者たちの責任問題になる。 ロシアによるウクライナ侵攻が世界を揺るがせている真っただ中に、ロシア国営メディアで起きた誤配信が、はか

                                                                            ロシア国営通信が「勝利記事」の予定稿を誤送信! その署名記事でバレた「プーチンの真の狙い」 | RIAノーボスチ通信のフライング記事の中身とは
                                                                          • 富裕層が集まる「アジアのスイス」シンガポールの不安定化が止まらない | 1500億円の資金洗浄が暴く“国際都市の歪み”

                                                                            不安定化する国内情勢 今回の資金洗浄事件が国内のみならず世界中で話題になっているのは、規模の大きさや中国マネーとのつながりだけが理由ではない。「国際的な競争や分断が進むなかでシンガポールは国家の再構築を試み、その結果として生じたリスクが明らかになったからだ」と、政治学を専門とするシンガポール国立大学の荘嘉穎(チョン・ジャ・イアン)准教授は指摘する。 「シンガポールは、『特別なビジネス』のための『特別な場所』でした。つまり(一定の課税が軽減もしくは免除され、タックス・ヘイブンと言われている)ケイマン諸島やモーリシャスとは異なり、流入したグローバル資本が再投資されるような場所でありたいと考えているのです。ところが今回の資金洗浄の摘発は、シンガポールのこのやり方に重大な欠陥があることを示しました」 貿易に依存し、外資に対して開放的な同国の経済は、世界的な保護主義の高まりやサプライチェーンの分散化

                                                                              富裕層が集まる「アジアのスイス」シンガポールの不安定化が止まらない | 1500億円の資金洗浄が暴く“国際都市の歪み”
                                                                            • 独経済学者が解説 日本経済を世界4位に転落させた「自滅行為」とは | 政府も企業も自ら「衰退」を選んだ

                                                                              低成長を続ける日本経済が回復する兆しはなかなか見えず、世界3位を維持してきた名目GDPも2024年2月にドイツに抜かれた。欧州議会の顧問などを務める経済学者ダニエル・グローは日本経済低迷の原因を独自に分析し、欧州諸国に「同じ失敗をするな」と警鐘を鳴らす。 日本はもっと、よくなっていいはずだ。 労働者の教育レベルは高く、かつよく訓練されているし、社会全体としての投資額は多くの先進諸国を上回っている。たとえば日本における研究開発費はGDPの3.3%を占め、最近まで米国よりも高かった。にもかかわらず、日本経済は相対的に低迷しつづけている。 ドイツ人経済学者で欧州政策策定協会の所長でもあるダニエル・グロー。欧州各国の政府や中央銀行の顧問を経て、現在は欧州議会の顧問を務める。米シカゴ大学で経済学の博士号を取得。専門は金融・財政政策、為替レート、気候変動など Photo: Puramyun31 / W

                                                                                独経済学者が解説 日本経済を世界4位に転落させた「自滅行為」とは | 政府も企業も自ら「衰退」を選んだ
                                                                              • 「もう力尽きた…」中国・三峡ダムの“悲劇”と日本排除の“黒歴史” | 危機を脱したのは本当? 日本は“不幸中の幸い”だった?

                                                                                中国では、6月初旬から2ヵ月近く降り続いた豪雨が、各地に大洪水をもたらした。とりわけ長江流域の四川省、湖北省、安徽省、江西省などで被害が大きく、湖北省宜昌市にある三峡ダムも決壊するのではないかと心配された。 世界最大(水力発電総量)の重力式コンクリートダムである三峡ダムは、総貯水量が約393億立方メートルで、黒部ダムの約200個分あり、湛水面積は琵琶湖の約1.6倍、距離にして約570キロメートルあり、東京から姫路まで達するほど。これひとつで、東京電力の家庭用の総発電量に相当する能力を持つというから、想像を絶するほどの巨大さだ。 その三峡ダムが、豪雨のピーク時には警戒水位を最大16メートル越え、放水量が毎秒6万1000トンに達しても、なお雨水の貯水量に追いつかないという事態が数日続いた。今にも決壊するか、越水するのではないかと不安視されるのも当然だろう。結果的には、7月末に豪雨が止み、なんと

                                                                                  「もう力尽きた…」中国・三峡ダムの“悲劇”と日本排除の“黒歴史” | 危機を脱したのは本当? 日本は“不幸中の幸い”だった?
                                                                                • アップルの「エアタグ」悪用報告が続くなか、ついにストーカーによる殺人事件が発生 | 追跡タグをしのばせた動機は「彼の浮気疑惑」

                                                                                  昨年、アップル社が発売した持ち物追跡タグの「AirTag(エアタグ)」。 「鍵や財布を見つけるのに便利」「紛失防止に役立つ」として人気だが、一方で、軽量かつ500円玉ほどのサイズである同商品は、発売以来、ストーカー行為にも悪用されていることが、各国で報じられてきた。 エアタグは、ストーカー行為をかつてないほど容易にしているとの指摘もある。そんななか、アメリカでついにストーカー殺人事件が起きてしまった。

                                                                                    アップルの「エアタグ」悪用報告が続くなか、ついにストーカーによる殺人事件が発生 | 追跡タグをしのばせた動機は「彼の浮気疑惑」