物質の最小単位である素粒子のニュートリノと、対になる「反粒子」の反ニュートリノの性質が異なる可能性が高まったとする実験結果を、高エネルギー加速器研究機構などの国際研究グループが発表した。今後の実験で確定すれば、物質の起源や宇宙の進化の解明につながると期待される。英科学誌「ネイチャー」電子版で日本時間16日に発表した。 実験は高エネ研や東京大学宇宙線研究所など12カ国の大学や研究機関で構成する「T2K実験国際共同研究グループ」が実施した。茨城県東海村の実験施設「J-PARC」から295キロ離れた岐阜県飛騨市神岡町の観測施設「スーパーカミオカンデ」に向け、ニュートリノの一種であるミューニュートリノと反ミューニュートリノを発射。それぞれが電子ニュートリノ、反電子ニュートリノに変化する確率に違いがあり、性質が異なるのかを調べた。 2009~18年の実験の結果、スーパーカミオカンデで電子ニュートリノ