今回はリアルタイムOS(RTOS)の老舗というか元祖というか、現在流通しているRTOSの中では最も古くから使われている「VxWorks」をご紹介したい。VxWorksは以前に執筆した記事でも簡単に取り上げているが、まずはその起源から見ていこう。 ⇒連載記事「リアルタイムOS列伝」バックナンバー 「VxWorks」のベースになった「VRTX」とは VxWorksの元になったのは、「VRTX(Versatile Real-Time Executive)」というRTOSである。これを開発したのはジェームス・レディ(James Ready)氏(2017年末に逝去)で、彼とコリン・ウォールズ(Colin Walls)氏が立ち上げたHunter & Readyという会社の最初の製品であった(というか、むしろVRTXを売るためにHunter & Readyを立ち上げたというべきか)。 最初は8ビットMC