〔政治・経済部門〕 牧野 百恵(日本貿易振興機構アジア経済研究所開発研究センター主任研究員) 『ジェンダー格差 ―― 実証経済学は何を語るか』(中央公論新社) 「世界経済フォーラム」が発表している「ジェンダー・ギャップ指数」の2023年の指数では、日本は調査対象国146カ国のうち125位で、G7でも東アジア太平洋諸国19カ国の中でもいずれも最下位である。日本のジェンダー格差が大きい理由は、政治と経済の分野で極端に指数が低くなっていることにある。人口減少で労働力不足が深刻化し、女性の社会での活躍が今後の経済成長に必須になっている日本で、ジェンダー格差は早急に解消されなければならない。また、経済成長のためだけでなく、人権の観点からも当然進めるべきものだ。 ジェンダー格差の解消にはどのような政策が効果的だろうか。ジェンダー差別を禁止する法律を作ればジェンダー格差を解消することができるのだろうか。