はじめに カイガラムシは大きいものでも体長1cm、多くは2~3mmと小さく、色もきれいでないため、蝶やカブトムシのようにポピュラーな虫ではありませんが、 緑資源の保全などの環境問題から、庭木や街路樹の害虫として関心が高まってきました。 さらに、自然とのなじみが薄い一般の人々、とくに虫嫌いの人達にとっては、不快害虫の一つとしても話題になってきました。 しかし、カイガラムシの仲間は、悪い虫ばかりではありません。食品の赤い色素「コチニール」をとる「コチニールカイガラムシ」、 高級塗料とか、チョコレートや菓子のコーテットなど意外に利用範囲の広いシェラックをとる「ラックカイガラムシ」(この2種は外国産)、 特殊な白ロウをとる「イボタロウムシ」のように、貴重な資源を提供してくれる仲間もありますが、ここでは悪い虫だけをとりあげることにします。 なお、寄主植物などでは河合省三著「日本原色カイガラムシ図鑑」